スクリーンの餐

つらいときも食は人を笑顔に

コロナ禍の前、令和元年におけるわが国の難民申請者数は10,375人。このうち難民と認定された者は44人で、認定率はわずか約0.4%にとどまっている(※)。これは諸外国と比べると著しく低い数字である。
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卵と畑/黄色で描き出したもの

2022年2月24日に始まったロシアによるウクライナ侵攻は、多くの悲劇を生みながら未だ収束をみていない。そんな中、1970年製作のイタリア映画「ひまわり」が再び注目を集めている。第二次世界大戦で未帰還兵となった夫を探しにソ連を訪れるイタリア女性を通して、戦争の悲惨さを訴えている本作。イタリア軍捕虜が埋められているひまわり畑がウクライナで撮影されたことが注目の所以というのだが……。
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完食をかけた“給極”の戦い

2年の時を経て、甘利田先生がスクリーンに戻ってきた。現在公開中の「劇場版 おいしい給食 卒業」は、TVドラマ「おいしい給食(season1)」(2019)と「劇場版 おいしい給食 Final Battle」(2020、本連載第232回参照)の2年後を描いたTVドラマ「おいしい給食 season2」(2021)の完結編となる劇場用映画である。 ※注意!! 以下はネタバレを含んでいます。 ワンパターン […]
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SNS発スイーツ・ラブコメ

今回紹介する「パティシエさんとお嬢さん」は、銀泥が2017年にTwitterで公開し、累計200万以上の「いいね」を獲得した漫画が原作。パティスリーの店員と女性客の“両片思い”を描いたこの漫画は、全2巻のコミックとして出版され、25万部以上(プリントブックと電子書籍含む)の販売を記録した。2022年の1月には全4話のTVドラマとなり、5月6日からTVドラマの後日譚が劇場用映画として公開されている。 […]
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セイ衝動三景とアジアの天使

食欲と性欲は、共に人間の根源的な欲望であり、さまざまな形で結び付いている。あまねく映画においても、この二つの欲望を関連付けるさまざまな表現が、さまざまな作品で用いられてきた。今回紹介する「Sexual Drive」は、「納豆」「麻婆豆腐」「背油大蒜増々」という三つの食を通して、登場人物の内なる性(生)衝動が暴かれていくオムニバス・ブラックコメディである。 ※注意!! 以下はネタバレを含んでいます。 […]
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食通ポアロのゆで卵のこだわり

古今東西の推理小説で、食通の名探偵として真っ先に名前が挙がるのは、アガサ・クリスティが創作したエルキュール・ポアロだろう。「灰色の脳細胞」を持ったベルギー人にとって、食べることは単なる肉体的な歓びではなく、知的探求の域に達するものだと、クリスティは「マギンティ夫人は死んだ」(1952)の冒頭で書いている。
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「百試千改」で「花心」を追う

映画「吟ずる者たち」は、広島の酒どころ三津(東広島市安芸津町)を舞台に、新旧二つの物語が並行して描かれる。一つ目は明治時代初期、何度もの失敗を乗り越えて「軟水醸造法」を考案し、吟醸酒の基礎を築いた三浦仙三郎の伝記。二つ目は現代、東京で夢破れ帰郷した酒蔵の娘が、父の想いを継いで新酒造りに情熱を注ぐストーリー。この二つに共通するのは、仙三郎が提唱した「百試千改」の精神である。
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皆で作り皆で食べる給食を描く

兵庫県芦屋市は、六甲山地と大阪湾の間に開けた“阪神間モダニズム”の瀟洒な街並みで知られるが、給食に関する独特の取り組みをアピールする市でもある。市立全小中学校で、自校調理方式の体制を整え、各校に1名ずつ配置する栄養士それぞれがオリジナルの献立を展開している。そんな芦屋市の市制施行80周年を記念して製作されたのが、今回紹介する映画「あしやのきゅうしょく」である。
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森の宝石と妖精のような老人

キャビア、フォアグラと並び世界三大珍味とされるトリュフ。なかでも、イタリア北部、ピエモンテ州アルバの豊かな土壌で育つ白トリュフは、最も希少で高価な食材と言われる。栽培されたことはなく、森の中のどこに生えているのかわからないそれを採集するのは、トリュフハンターと呼ばれる老人たちと相棒の犬たち。本作は、何世代にもわたる伝統的な方法で“森の宝石”を探し出すトリュフハンターたちのドキュメンタリーである。
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おじいちゃんの足跡と大好物

ニューヨークに大量のゴーストが出現した「1984年マンハッタン次元亀裂事件」から37年。オクラホマの片田舎で再びゴーストたちが動き出す……。「ゴーストバスターズ アフターライフ」(2020)は、忘れられた英雄の孫たちが祖父の“遺産”を探し当ててゴーストに立ち向かうのがメインの物語。その他にも多くの“発掘”に満ちあふれた作品である。
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女を幽す牢。その名はキッチン

古くからの風習に従い、お見合いで結婚した女性。彼女が嫁ぎ先で見たものは、堅固な家父長制と強烈なミソジニー(女性嫌悪、女性蔑視)であった。彼女は見えない鎖でキッチンにつながれ、ひと月のうちの数日間を“けがれもの”として扱われる。今回紹介する「グレート・インディアン・キッチン」は、グルメ映画のように始まり、やがて家族制度の暗部に切り込むファミリー・ホラーである。
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食前の祈り。そして特別な存在

前回に続き「ワイルド・スピード」シリーズ(The Fast Saga)を食の視点から時系列順にレビューしていく。常識外れの“やらかし”を重ねているうちに、いつしかそれが当たり前となり、死んだはずの人が実は生きていたという設定にも驚かなくなった同シリーズだが、その影にはシリーズを最大の危機に陥れた“あの出来事”が関係していると思われる。
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アメリカ版「次郎長三国志」

2001年に第1作「ワイルド・スピード」、2021年に最新作となる第9作「ワイルド・スピード ジェットブレイク」(公式サイト:https://wildspeed-official.jp/)が公開された「ワイルド・スピード」シリーズ(The Fast Saga)を食の視点から2回に分けて時系列順にレビューする。義侠心を持った犯罪者が逃亡の旅を続けるうちに彼の人間性に共感する仲間を増やしていくというス […]
「劇場版 きのう何食べた?」より。アクアパッツアと一緒に作った「なんちゃってローストビーフ」。
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映画が映し出すコロナ禍の食

年末の恒例企画、今年公開された映画の中から印象的な食べ物や飲み物が出てきた作品を厳選したベスト10を発表する。今回の邦画編のキーフードは、牛丼・カレー食べ放題、牛丼弁当、チョコチップスティック、下北沢の老舗店、家庭菜園のジャガイモ、揚げ焼きパン、手打ちうどん、ショコラパフェ、町中華、アクアパッツア、などである。
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柿の種からトナカイ料理まで

年末の恒例企画、今年公開された映画の中から印象的な食べ物や飲み物が出てきた作品を厳選したベスト10を発表する。今週は洋画編から。キーフードとして取り上げたのは、炊き出し、柿の種、ドーナツ、トマト、キムチ、ビール、カクテル、エスニック風スープ、火鍋、トナカイ、などである。