
国立医薬品食品衛生研究所が集めた食品の安全性に関する国際機関や各国公的機関等の最新情報から。スコットランド当局の調査で、アプリやウェブ経由の注文では、消費者が1回の注文で平均6回もの広告戦略にさらされ、過剰な注文を促されている実態が明らかになった。
注目記事
【EC】 EU 理事会と欧州議会は、化学物質評価データの取り扱いの簡素化と効率化について合意
EU理事会と欧州議会は、化学物質評価の合理化、化学物質に関する知識基盤の強化、新たな化学物質リスクの早期発見と対策の確実な実施を目的とした「1つの物質に1つの評価」(one substance, one assessment: OSOA)パッケージに関する暫定合意に達した。このパッケージには3つの提案(科学的・技術的業務の再割り当てに関する指令、化学物質分野におけるEU機関間の協力強化を目的とした規則、化学物質に関する共通のデータプラットフォームを確立する規則)が含まれている。このパッケージにより、既存のデータベースを統合する共通のデータプラットフォームが構築され、欧州化学品庁(ECHA)の管理の下で、EUの各機関と欧州委員会が提供する化学物質データの「ワンストップショップ」(one-stop shop)となる。これにより、約70のEU法に従って生成・提出されたすべての化学物質データの共有が可能になる。この暫定合意は、今後両機関により承認され正式に採択される必要がある。
【FDA】FDAは市販後評価のための食品中の化学物質の新たなランク付け手法について意見を募集する
米国食品医薬品局(FDA)は、市販後評価のための食品中の化学物質のランク付けに関する手法の案を公表し、パブリックコメント募集を開始した。対象化学物質は、食品添加物、着色料、一般的に安全と認められる(GRAS)物質、食品接触物質、その他の意図しない汚染物質である。本手法は、FDAの市販後化学物質審査プログラムを通じて、市販後評価においてどの化学物質を優先するかを決定するためのアプローチだとしている。本手法では、化学物質に関する情報を一連の基準に照らして評価・スコアリングし、最終スコアを算出する。公衆衛生に関しては、深刻な健康影響(がん、心血管毒性など)を引き起こす可能性、食事からの暴露の増加、乳児などの脆弱な集団向けの食品への使用、前回の評価結果に大きな影響を与える可能性がある新たな情報の有無などを基準にスコアが付与される。その他の基準としては、高い注目を集め複数の組織が監視を行ったり基準設定に積極的に取り組んでいるかどうかなどがある。本手法は、市販後評価のための化学物質の優先順位付けを行うことが目的であり、公衆衛生リスクの評価を行うものではない。本手法により、FDAは効率的にリソースを配分し、優先順位の高い物質に重点的に取り組むことが可能となる。
【FSS】新たな調査により、デジタルプロモーションがテイクアウトの過剰注文を助長していることがわかった
スコットランド食品基準局(FSS)による、デジタルプロモーションとマーケティング戦略が消費者行動に与える影響に関する新たな調査から、アプリやウェブサイトを利用してテイクアウトの食品や飲料を注文する消費者は、膨大な数のプロモーションやマーケティング戦略にさらされていることが明らかになった(1回の注文あたり平均約6回)。最も多く利用されている戦略は価格プロモーションとアップセル(より高額の商品を勧める)であった。価格プロモーションは、消費者が意図したよりも多くの食品を消費者に購入させる影響力がある。
(注目記事のまとめ:安全情報部第三室)
目次
【WHO】
1. 将来の食品安全リスク評価における新しいアプローチ方法論(NAMs)のワークショップ
2. 出版物
【FAO】
1. 精密発酵の食品安全Q&A –新しいファクトシートとウェビナー録画が利用可能に
2. FAOで食物アレルゲンのリスク評価に関する専門家会合が開催される
3. FAOフードアウトルック:主要食料作物の世界生産高は新記録に向かう
4. Codex
【EC】
1. EU理事会と欧州議会は、化学物質評価データの取り扱いの簡素化と効率化について合意
2. 食品及び飼料に関する緊急警告システム(RASFF)
【ECHA】
1. 健康、環境、競争力を守るために必要な科学的研究
【EFSA】
1. 食品酵素関連
2. 新規食品関連
3. 食品接触物質関連
【FSA】
1. 2025年6月のFSA理事会:アジェンダとペーパー
2. FSAと食品システムに対する消費者の信頼を理解する
3. FSAが「北アイルランドにおけるファストフード店と食料品店の可用性と中学校からの距離」に関する調査を発表する
4. 食品警告:Hershey社が製造したJolly Rancher製品を購入した消費者と購入・販売
した食品事業者向け
5. FSAは輸入されたドバイスタイルのチョコレートの一部の製品についてアレルギーのある人に警告する
6. リコール情報
【FSS】
1. 新たな調査により、デジタルプロモーションがテイクアウトの過剰注文を助長していることがわかった
【DEFRA】
1. 英国REACHによるPFASのリスク管理を支援するためのPMT概念へのアプローチに関する暫定見解声明
【BfR】
1. 有毒植物―自分を守る方法と中毒の場合の対処方法
2. ヘキサヒドロカンナビノール(HHC)を含む製品の摂取後に予想される精神活性作用3.ゲノム編集とCRISPR/Cas9に関するQ&A
【RIVM】
1. タバコを含まない吸入用ニコチン製品からのニコチンおよび6-メチルニコチンの最大放出量に関する推奨値
2. 新しいニコチンスティックには有害な量のニコチンが含まれている
【FDA】
1. FDAは市販後評価のための食品中の化学物質の新たなランク付け手法について意見を募集する
2. FDAはダイエタリーサプリメントの新規ダイエタリー成分通知プロセスに関する教育資料を公表する
3. 化学汚染物質及び農薬:新着情報
4. GRAS申請通知
5. 植物新品種協議
6. リコール情報
【EPA】
1. EPAはフタル酸エステルDBP及びDEHPのTSCAリスク評価案を公表し、パブリックコメント募集とピアレビューを行う
2. EPAは農薬の登録案を公表する
3. EPAは学校や保育施設の飲料水中の鉛を低減するための州への資金援助を発表する
【HHS】
1. FDAによる国内食品施設の食品安全査察
【CFIA】
1. カナダ食品安全情報ネットワークの評価–最終報告書
2. 粉末スパイス/ハーブにおける表示されないアレルゲン及びグルテン–2020年5月1日〜2021年3月31日
3. ブロスやスープにおける表示されないアレルゲン及びグルテン–2022年4月1日〜2023年2月28日
【FSANZ】
1. 乳児用調製乳における栄養成分の使用に関する意見募集
【TGA】
1. リコール情報
【MPI】
1. 新たな報告書が食品安全システムの現状を浮き彫りにする2.ニュージーランドの牧草飼育管理基準
【香港政府ニュース】
1. CFSは硝酸塩と亜硝酸塩に関する第2回香港トータルダイエットスタディの結果を公表する
2. プレスリリース
3. 違反情報
4. リコール情報
【MFDS】
1. 日本産輸入食品の放射能検査の結果
2. 2024年、食品産業生産実績114兆ウォン、前年比5.8%増加
3. 食薬処、第16回韓中食品基準専門家協議会を開催
4. 食薬処-農食品部、夏季に備えて農産物安全管理合同点検5.回収措置
【SFA】
1. シンガポール食品統計2024
2. Forum Replies:SFAは着色料の規制に科学に基づいたアプローチを採用している
別添
「世界食品安全の日2025」関連記事
- 食品安全情報
- http://www.nihs.go.jp/dsi/food-info/foodinfonews/index.html
- 食品安全情報(化学物質)No.13(2025.06.25)
- https://www.nihs.go.jp/dsi/food-info/foodinfonews/2025/foodinfo202513c.pdf
- 食品安全情報(化学物質)No.13(2025.06.25)別添
- https://www.nihs.go.jp/dsi/food-info/foodinfonews/2025/foodinfo202513ca.pdf