食べる智恵

感謝祭には七面鳥にクランベリーソース、コーンブレッド、豆、カボチャ……

明日、11月の第四木曜日は米国ではThanksgiving Day(感謝祭)。感謝祭というと、米国人が七面鳥を食べる日とはわかってきたけれど、ほかにも食にまつわる話は多い。とにかく、食べておしゃべりする祝日らしい(そうでない祝日というのもあまりないものだけれど)。
食べる智恵

[名古屋めし] あんかけスパゲティの幸せ

「名古屋めし」などとシリーズ見出しのように付けたものの、7月以来布団で寝たのは出張のときぐらいなんて、とんでもない生活。「名古屋めし」の続きが全然書けなかった。最近やっとなんとかなってきたので(まだ終わっていない仕事があるものの、「農業成功マニュアル」(翔泳社)は、あとは店頭に並ぶのを待つばかり)。あと短いゴーストライター仕事が一つ。でも、また来週からまたどうなるやら)、あんかけスパのお話を。
「fresh」なハンバーガー(「LOG KIT」/長崎県佐世保市)
食の損得感情

「fresh」で成功をつかんだ故ロッキー青木氏

今年7月、米国で鉄板焼きチェーン「Benihana」を成功させたロッキー青木氏が亡くなった。十数年前に一度だけお目にかかって、お話を伺う機会があった。渡米した当時の意気込み、やりたいことをできることと考えること、何事も楽しいことにすること、そんな話を熱心に強い目で語る様子が印象的だった。すべてを楽しいことに転じる氏の考え方は、彼の成功哲学の1つだが、もちろん彼のレストランにもよく表れている。鉄板で […]
食の損得感情

冷凍に対するイメージは経験によって変わる

少し前のことだが、札幌のすし店でのこと。スミイカの握りが出て、「うまいですね」とほめた。肉厚で透明感があってつやつやしている。鮮度が良さそうに見え、歯ごたえもありながら、軟らかく噛み切れる。「不思議ですね」と振ると、職人さん、一瞬黙って「これを言ったら、あなたなんて言います?」という表情でこちらをうかがう。
北海道よもやま話

半分の濃度で2回散布すると減農薬栽培にならない不思議

米国ノースダコタ州の農家Bobと農薬の話になった。私が「ところでどのくらい農薬を使用しているんだ?」と聞くと、「日本人は農薬の使用にウルサイからな?」と言いながら説明してくれた。春コムギの場合、除草剤が2回、殺菌剤が1.5回(1回と2回の場合がある)、殺虫剤が0.5回(使用する場合と1回使用する場合がある)だそうだ。殺虫剤を除いて農薬の名前を聞けば、馴染みのある物ばかりであった。正直言って、殺菌剤 […]
Harvey WileyとUSDA化学課職員たち。
Maryanskiのバイテクと食品安全考

中国のメラミン汚染ミルク/Melamine Tainted Milk in China

薄めたミルクのたんぱく質の栄養価を見掛け上高めるために工業用化学物質のメラミンが使われた最近の中国における公衆衛生上の危機は、1900年代初頭に米国食品医薬品局(FDA)が設立されることとなった事件を彷彿させる。Wiley博士のあの有名な「毒物捜査班」を想起させるのだ。 Melamine Tainted Milk in China: A Case of Food Adulteration, a L […]
技術士からの提言(Y)

リスコミの切り札「食品安全カウンセラー」制度の創設を

2004年から続いてきたFoodScienceの「松永和紀のアグリ話」が9月24日の記事を持って終了となった。「お疲れさまでした。永い間ご指導いただきありがとうございました」とご苦労を労うと共にお礼を申し上げたい。また、一連の松永さんの連載を読んで密かに温めていた、食のリスクコミュニケーション(リスコミ)の切り札としての「食品安全カウンセラー」制度の創設を、この機会に披露したい。
事が大きくなればなるほど、仕事も生活もいかに彼の国に依存しているかが分かる(記事とは直接関係ありません)
食の損得感情

冷凍インゲンのジクロルボス汚染。何を求め、何をするべきか

東京都八王子市のスーパーで販売された冷凍インゲンが、有機リン系殺虫剤ジクロルボスで汚染されていた。包装に開封した切り口以外に穴はないというから、事実なら開封後に汚染したか、シール前に汚染したかのどちらかだ。一方、開封した途端に石油系の臭いがしたというから、証言が正しければ、シール前の汚染ということになる。また、その臭いから、散布するために有機溶剤に溶かした状態のもの、つまり農薬として流通しているも […]
うねやま研究室

中国ミルク汚染事件のメラミンとはどんなもの?

中国におけるメラミン汚染ミルク事件が世界中に波紋を広げています。現時点では事件の全容は不明ですが、とりあえずこれまでわかっていることをまとめてみようと思います。今回の事件の前に、2007年の米国でのペットフード事件についておさらいしてみましょう。この事件は中国産の「コムギグルテン」が、実は小麦粉にメラミンやメラミン類似体を混ぜただけの粗悪品だったことから、それを原料にして作ったペットフードを食べた […]
Maryanskiのバイテクと食品安全考

医薬用バイテク作物――前途有望な技術かそれとも食糧供給の脅威となるのか/Pharma Plants: A Promising Technology for Drugs or a Threat to the Food Supply?

日本の科学者は、花粉症に悩む多くの人々を救うため、その症状を緩和するコメの品種を開発中である。これはしかし、遺伝子組換え植物を使って重要な医薬品を作る(「医薬用」作物と称される)という現代バイオテクノロジーの利用の一例にすぎない。しかしながら、この技術が受け入れられるには、技術的および社会的な双方のハードルを超えなければならない。初の医薬用作物の多くは、トウモロコシ、イモ、コメといった一般的な食用 […]
OK。よく稔った。で、この後どこへ行くんだい?
食の損得感情

プロならば買うコメの正体には敏感であるべき

三笠フーズをはじめとする汚染米流通の問題。自殺者まで出したことは本当に残念でならない。三笠フーズの流通先の会社社長がなぜ自殺したのか、真相は分からない。しかし、この問題に関係してしまった人が感じた“事の重大さ”を、食品に関わる仕事をしている向きは、よくよく噛みしめておくのが供養というものだろう。というのは、この問題は根が深く、氷山の一角かもしれないと考えて当たるのが賢明に思えるからだ。以下、厳しい […]
北海道よもやま話

サブプライムでもへこたれない米国農業から学ぶもの

今年の1月、マイナス35℃の米国ノースダコタ州の知り合いで、父親と共同経営する26歳の生産者、Bobのところに行く機会があった。私が「どうだ 景気は?」と聞くと、彼は「いいね?」の挨拶で会話が始まった。彼は地域農家では珍しい民主党支持者だ。世界中の皆が「あの大統領は……」と言うくらい人気がないのは米国国内でも基本的に同じなのだが、トウモロコシ、ダイズの生産者である彼にとって政治思想に相反するはずの […]
うねやま研究室

「発がん性」の強さについて考えてみよう――カビとパンの例

FoodScienceの連載、「多幸之介が斬る食の問題」の「ヤマザキパンはなぜカビないか」と「続 ヤマザキパンはなぜカビないか」を興味深く拝見しました。そこで僭越ながら、筆者の長村洋一先生の記事に関連していくつか関連情報を紹介してみようと思います。「○○には発がん性があるから危険だ」という類の短絡的な脅し文句はよく目にします。今回は発がん性の強さやリスクについて考えてみましょう。以前にマラカイトグ […]