トウモロコシの粉と小麦粉を使って焼くコーンブレッドは、多くの米国人にとって感謝祭に欠かせない食べ物の一つだ
食の損得感情

米国消費者の非合理・非科学の部分に学べないか

「地球は青かった」と言えば、人類で始めて宇宙船で地球を周回したソ連のユーリ・ガガーリンが、帰還後に語った感想だ。立花隆の「宇宙からの帰還」によれば、ガガーリンは「天には神はいなかった」とも述べ、これが多くの米国人にショックを与えたのだという。それは、「無神論コミュニズムのアメリカ・キリスト教文化に対する優越性を誇る挑発的言辞であった」(同書)。
コロのGM早分かり

除草剤グリホサートに耐性のある植物の自然への影響は?

こんにちは、コロです。前回は除草剤グリホサート耐性の遺伝子組換え作物はどのようなものなのかをお話しました。そして、その除草剤グリホサートはどんな植物でも枯らせてしまうとても恐い除草剤に思えますが、実はそうではないということも説明しました。今回は、除草剤グリホサートに耐性のある植物がほかの植物と交雑した場合自然への影響はあるのか、また、グリホサートに抵抗性のある雑草についてお話しましょう。
技術士からの提言(Y)

三方一両得の食品回収対策

8月15日は終戦記念日。数年前のこの時期、出張先のホテルでアニメ版「火垂るの墓」を観たことがある。誰にも遠慮することなく、ボロボロ涙をこぼしたものだ。あの戦争では大勢の人が武器により、そして飢餓で亡くなった。現在の日本の繁栄は、彼らの尊い犠牲のおかげである。清太と節子、そして戦争で犠牲になった方々がこの日本を見ているとすれば、どのような気持ちだろう。農林水産消費安全技術センター(FAMIC)がまと […]
在りし日の「くいだおれ」店頭で。かつて複数の銀行が、融資の条件に「人形を置くのをやめること」を示したという。氏が、一時をしのぐために“魂”を捨てなかったことは言うまでもない
食の損得感情

秋田県比内地鶏ブランド認証 制度の歪みに揺れる老舗

7月8日に閉店した「くいだおれ」の創業者、故山田六郎氏の伝記「ばかたれ、しっかりせ」(柿木央久著、講談社)を取り寄せて読んだ。あまりのスーパー経営者ぶりに、一読しただけで全部を真に受ける気持ちにはところどころブレーキがかかるのだが、ともかくも痛快な立志伝には違いない。「くいだおれ」閉店が取り沙汰される昨今では、この希代の成功者も同店創業者として知られるということになるのだが、その人生で成し遂げた大 […]
うねやま研究室

「科学的根拠」とは

根拠(エビデンス)に基づいた医療(evidence-based medicine:EBM)という言葉を聞いたことがあるでしょうか。医療において治療の効果や副作用などの臨床試験による結果(「根拠」)をもとに医療を行うというものであり、「根拠」として採用されるのはできるだけ客観的で正確な最新最良の医学知見です。そんなの当たり前ではないか、と思われるかもしれませんが、EBMの対極にある「三た論法」と比較 […]
Maryanskiのバイテクと食品安全考

メディアとのつき合い方――ときにはつまずくこともある/Working with the Media – Sometimes There is a Bump in the Road

最近、あるバイテク企業に関する海外ドキュメンタリーが、NHKテレビで放映された。その企業の農業バイオテクノロジーに対する姿勢とその技術を支持する米国政府の役割に批判的なそのドキュメンタリーは、インターネットなどでも配信されている。私は、米国食品医薬品局(FDA)の食品バイオテクノロジー政策に関してそのドキュメンタリーのためにインタビューを受けた1人である。そのドキュメンタリーの中で、リポーターは私 […]
ヨーロッパでスピリッツを得るために使われた蒸留器(国立民族学博物館)。日本ではこの種のものは発明されず、渡来して使われるようになった
食の損得感情

新しい調理法に積極的なヨーロッパ。日本が保守的に見えるのはなぜか

「日経レストラン」7月号で、飲食店向けの新製品を集めて、実際に料理人や経営者にも使ってもらい、所感を聞くという特集を担当した。高級な醗酵バターの風味を持ち、トランス脂肪酸はバターよりも少なく、価格もバターの半値程度というマーガリン「アロマーデ」、新機軸の調理機器、資材などなど、面白いものが多数集まった。料理人諸氏は経営の観点から、それぞれに冷静な判定を下したが、実験では誰しも面白そうに目を輝かせて […]
うねやま研究室

詐欺的「健康食品」「サプリメント」への対応

近年、食品の機能性についての関心が高まっているようですが、その期待の極端な形が詐欺という形で世界中で問題となっています。日本では「いわゆる健康食品」に分類され、海外では「ナチュラルヘルス製品」「ハーブ」「伝統的漢方薬(TCM)」「サプリメント」などと呼ばれる商品群があります。医薬品ではないものの、濃縮エキスだったり粉末だったりカプセルや錠剤だったりといった形態で、食べて美味しいとはとても言えないよ […]
コロのGM早分かり

毒性が低い除草剤グリホサートのしくみ

こんにちは、コロです。現在、商業的に栽培されていて、日本も含め世界中で食品や飼料などとして利用されている遺伝子組換え作物の主なものには「害虫抵抗性」のものと「除草剤耐性」のものがあります。害虫抵抗性がどのような仕組みなのかをお話しましたので、今回からは、除草剤耐性の遺伝子組換え作物について、少しお話しましょう。
栄養週期栽培のために育てた“赤苗”
交叉する外食と農業の未来

栄養週期がたどってきた道

イネに肥料を与えるやり方として、独特の体系を持っているのが、「栄養週期」という農法を実践する人たちです。独特の体系といいますが、これはマジックではなく、植物の生理を研究した上でたどり着いた基本中の基本というのが、彼らの考え方です。
食の損得感情

セブン-イレブンの保存料・合成着色料不使用のどこを評価するのか

セブン-イレブンが弁当・そうざい類などで保存料と合成着色料を不使用としたことについて、私は肯定的に見ている旨を何度かこの覧に書いてきた。最初に書いた記事から時間が経ったこともあり、読者からはそれはなぜかといった問い合わせや、反論もいただいている。今一度、そのことについて説明しておきたい。
北海道よもやま話

残留農薬問題に隠れて、意外と見えない水質汚濁問題

農産物を生産する農家は常に消費者のことを考え、安全、安心な農産物を提供できるように、日頃から気を引き締めて営農をしている――。と言いたいところだが、実際のところ、そのようなことを寝ても覚めても考えているわけではない。もちろん、大切なことだと重々承知しているが、その前に我々営農者は守るべき数々の法律があり、遵法精神を全うすることで、結果的に消費者に安全・安心な農産物を提供できているのだと思う。その間 […]