居酒屋と専門店の利用が増加

リクルートライフスタイル(東京都千代田区、淺野健社長)の外食に関する調査・研究機関・ホットペッパーグルメ外食総研による外食市場調査の2017年8月度調査結果では、外食実施率・頻度・単価の3指標が3カ月連続で前年超えとなった。

ホットペッパーグルメ外食総研・外食市場調査

 リクルートライフスタイル(東京都千代田区、淺野健社長)の外食に関する調査・研究機関「ホットペッパーグルメ外食総研」では、毎月首都圏・東海圏・関西圏の約1万人を対象に「外食市場調査」を実施している。

 この「外食市場調査」では、圏域内の生活者による毎日の夕方以降の食事や飲酒について、外食と中食の内容(場所、相手、単価など)をヒアリングし、毎月の外食市場の動きを継続的に可視化している。3圏域限定で朝食・昼食は含まない市場調査ではあるが、飲食店などの事業所ヒアリングではなく、生活者に直接ヒアリングを行っていることから、性年代別や相手別の消費動向がわかり、外食している街や業種の情報が取得できていることが特徴。

2017年8月度の外食市場は前年比+150億円

 2017年8月の外食市場規模は、3圏域合計で3,276億円。前年同月比(以下、前年比)は+150億円と、3カ月連続して前年を上回った。また、3カ月連続して、3圏域合計の外食実施率・頻度・単価の主要指標すべてが前年を上回った。

 8月は天候不順やカレンダー的にも前年に比べて有利な要素は見当たらない中ではあったが、前年比でプラスとなり、市場の着実な回復傾向を示していると考えられる。ただし、前年の8月は前前年比で−252億円と大きな下げ幅を記録した月であり(台風影響と日本との時差が大きいリオオリンピックの影響が強かった月と思われる)、今回前年比は+150億円と盛り返したが、前前年規模にはまだ戻ってはいない。圏域別には、3圏域とも揃って前年市場規模を上回った。

2017年8月の外食実施率は76.5%

前月比増減−0.4pt、前年比増減+0.6pt。

外食実施率

2017年8月の外食頻度は4.22回/月

前月比増減−0.11回、前年比増減+0.10回。

外食頻度

2017年8月の外食単価は2,454円

前月比増減−68円、前年比増減+41円。

外食単価

2017年8月の外食市場規模は3,276億円

前月比増減−198億円、前年比増減+150億円。首都圏:1,907億円(前年比増減+48億円)、関西圏:949億円(同+75億円)、東海圏:419億円(同+26億円)。

外食市場規模

「居酒屋」「焼肉、ステーキ、ハンバーグ」など好調

 業態別には、主要16業態中12業態が前年比でプラス。とくに、「居酒屋」が前年比で+64億円、「焼肉、ステーキ、ハンバーグ等の専業店」が前年比で+45億円と好調であったが、両業態とも利用回数が前年比で大きく伸びていることが特徴。「居酒屋」においては延べ外食回数で前年比+199万回、「焼肉、ステーキ、ハンバーグ等の専業店」においても同+132万回と利用回数の増加が市場規模の増加に直結した。

 居酒屋については、ここしばらくは不調時期が続いており、店舗数もさほど増加しているとは考えがたいが、今月は大きく盛り返した。昨今のレモンサワーブームや天候不順でビアガーデン(屋外)や海の家利用を敬遠した客層をうまく取り戻したことが原因かもしれない。また、国による小売でのビールの安売り規制がこの業態には有利に働いた可能性もある。

 一方、肉業態については、このところブームでもあり、店舗数の増加が順調に市場規模を押し上げていると考えられる。8月には米国産冷凍牛肉に対するセーフガードが発動され、卸売価格が値上げされたが、この影響は当月段階ではまだ確認できない。

前年比プラス業態

「和食料理店」「中華料理店」「レストラン、食堂、ダイニング、洋食店」「アジアン料理店」「焼肉、ステーキ、ハンバーグ等の専業店」「お好み焼き、鉄板焼き等の専業店」「すき焼き、しゃぶしゃぶ、鍋、おでん等の専業店」「居酒屋」「バーバル、ワインバー、ビアホール、パブ」「カラオケボックス」「ファストフード」「牛丼、カレー等一品もの専売業態」

前年比マイナス業態

「フレンチ・イタリアン料理店」「その他各国料理店」「ファミリーレストラン、回転寿司」「スナック、ナイトクラブ、キャバレー」

※ホットペッパーグルメ外食総研「外食市場調査」(2017年8月度)
https://www.hotpepper.jp/ggs/research/article/marketing/201708
About 稲垣昌宏 43 Articles
ホットペッパーグルメ外食総研上席研究員 いながき・まさひろ 市場調査をメインに消費者動向から外食市場動向を分析・予測。また、観光に関する調査・研究、地域振興機関である「じゃらんリサーチセンター」研究員も兼務し、「食」と「観光」をテーマに各種委員会活動や講演などを行っている。肉より魚を好む、自称「魚食系男子」。