アラビアガムは食物繊維と提案

国立医薬品食品衛生研究所が集めた食品の安全性に関する国際機関や各国公的機関等の最新情報から。欧州食品安全機関が複数の化学物質への混合暴露に関するガイダンス文書案についてのパブリックコメントを公表した。ドイツBfRによると、サプリのクルクミンはADIを超えている可能性がある。FDAはアラビアガムを食物繊維に含めた。

注目記事

【欧州】複数の化学物質への混合暴露に関するガイダンス文書案

 欧州食品安全機関(EFSA:European Food Safety Authority)の「複数の化学物質への混合暴露のヒトのリスク評価用に化学物質を評価グループに分類するための科学的基準に関するガイダンス文書」案についてのパブリックコメント募集結果が公表された。

 このガイダンス文書では、構造化された根拠の重み付けアプローチから、毒性に関するメカニズム情報(すなわち共通の作用機序あるいは有害影響発現経路)がある場合にはそれを判断基準として、化学物質を評価グループに分類するためのハザード重視の基準を適用する枠組みが提案されている。

 だが、そのようなメカニズムデータが入手できない場合、一般的な有害影響を用いて分類してもよい。さらに、優先順位付けの方法は、優先順位の低い化学物質を特定し、評価グループに含まれる化学物質の数を減らす手段を提供する。優先順位付けの方法には、複合リスクに基づいたアプローチ、単一化学物質に対するリスクに基づいたアプローチ、暴露重視のアプローチが含まれる。

 ケーススタディでは、ハザード重視の基準の実際の適用や、評価グループ内の化学物質分類の優先順位付け法の使用について説明されている。また、今後の作業への助言が議論される。

【ドイツ】サプリのクルクミンはADIを超えている可能性がある

 ドイツ連邦リスクアセスメント研究所(BfR:Bundesinstitut fur Risikobewertung)発。

 ターメリックやクルクミンは、スパイスや食品添加物(E100)として知られているだけでなくフードサプリメントにも、よくクルクミンを多く含む抽出物として、ウコンの根茎の成分が含まれることがある。さらに、ピペリンやペッパー(コショウ)由来のピペリンを多く含む抽出物もこれらの製品に加えられることがある。ピペリンはクルクミンの生物学的利用能を高める可能性があり、クルクミンがより体内に吸収される。

 食品添加物(E100)としてのクルクミンの評価の中で、欧州食品安全機関(EFSA)がクルクミンの許容一日摂取量(ADI)3mg/kg体重/日を導出している。ドイツ連邦リスク評価研究所(BfR)は、食品中のクルクミンによる、特にクルクミン強化フードサプリメントによる健康リスクの評価の基礎としてこの値を用いた。長期的に、全ての供給源からのクルクミンの総摂取量は3mg/kg体重/日を超えてはならない。フードサプリメント以外に、食品添加物やスパイスもクルクミン源になる可能性がある。長期間この値を超過した場合、たとえわずかであっても、健康有害影響が生じる可能性がある。これは特に感受性の高い人に当てはまる。

 肝臓に損傷を与える可能性のある影響は、多くの場合ピペリンの添加によって生物学的利用能を改善したクルクミン含有製品ですでに観察されている。だが、いくつかの事例では、これらの製品には(一部)この原因となる可能性のある他の成分も含まれている。

【米国】FDAがアラビアガムを食物繊維に含める

 米国食品医薬品局(FDA:Food and Drug Administration)は、アカシアガムとしても知られるアカシア(アラビアガム)をFDAの食物繊維の定義に含めることを提案する意向を発表した。この措置は市民請願に応えて行われるものである。

 FDAは入手可能な根拠に基づき、アカシアガムは血糖値を上げる炭水化物を含む食事と一緒に食べると、血糖値とインスリンの量を下げるのに役立つことを科学的根拠が支持していると決定した。

 このアカシアガムに関する通知により、18種類の非消化性炭水化物(広範な種類の混合植物細胞壁繊維を含む)は、食物繊維の定義に含まれるか、またはFDAが食物繊維の定義への追加提案を予定している非消化性炭水化物に該当する。

(注目記事のまとめ:FoodWatchJapan編集部)

食品安全情報へのリンク

食品安全情報
http://www.nihs.go.jp/dsi/food-info/foodinfonews/index.html
食品安全情報(化学物質)No.01(2022.01.05)
http://www.nihs.go.jp/dsi/food-info/foodinfonews/2022/foodinfo202201c.pdf

今号の目次

【WHO】
1. Codex

【EC】
1. 査察報告書
2. 食品及び飼料に関する緊急警告システム(RASFF)

【EFSA】
1. アンモニア処理によるピーナッツ油粕のアフラトキシンの解毒過程に関する申請の評価
2. EFSA の「複数の化学物質への混合暴露のヒトのリスク評価用に化学物質を評価グループに分類するための科学的基準に関するガイダンス文書」案についてのパブリックコメント募集結果
3. YouTube 動画
4. 新規食品関連

【FSA】
1. FSA は致死性の減量物質 DNP を販売した男性への判決を歓迎する
2. FSA の国家食品犯罪ユニットは、繁忙期であるクリスマスの時期に、企業が詐欺から身を守るための支援を行う

【FSS】
1. 偽造アルコールは健康に深刻な損傷を引き起こすと基準局は警告する
2. 消費者と企業がより良く環境に優しい選択をするための支援

【DEFRA】
1. 英国で保護するために日本から提案された GI 製品名:反対の機会

【BfR】
1. フードサプリメントのクルクミン:許容一日摂取量を超えている可能性がある
2. 恐怖の果実

【ANSES】
1. ウシが金属断片を飲み込むのをより良く予防する方法

【FSAI】
1. リコール情報

【FDA】
1. FDAはアカシア(アラビアガム)を食物繊維とする市民請願を許可する
2. FDAは FSMA の特定の適用除外を説明するガイダンスを更新する
3. FDAは中国の新しい施設登録要件に基づく食品の輸出を促進するための措置を講じる
-政令248
4. FDAはスコンブロトキシン(ヒスタミン)を産生する魚と水産物の腐敗とヒスタミンに関するコンプライアンス方針ガイドの草案を発行する
5. FDAは Moor Herbs の乳幼児向け「ヘルシービューティー」エンジェルフォーミュラに警告
6. 警告文書

【NTP】
1. Sprague Dawley(Hsd:Sprague Dawley SD)ラットに混餌投与されたジフタル酸(2-エチルヘキシル)の毒性及びがん原性試験

【EPA】
1. EPA は飲料水中の PFAS の程度をより良く理解するために全国規模のモニタリングを発表

【FSANZ】
1. 食品基準通知

【MPI】
1. カンタベリーのバンクス半島での貝に関する公衆衛生警告

【香港政府ニュース】
1. 食品中のプロセス汚染物質(製造副生成物)-懸念すべきか?

【MFDS】
1.日本産輸入食品の放射能検査の結果
2. 福島原子力発電所汚染水放出実施計画案の提出に伴う緊急関係次官会議開催
3. 医薬品成分含有の海外食品を販売した23業者を摘発
4. 国民請願安全検査、市中流通の「食塩」安全
5. 小規模食品業者の現場改善事例集の発刊

【その他】
・食品安全関係情報(食品安全委員会)から
・Eurekalert1件