海外の新規食品の基準に注意

国立医薬品食品衛生研究所は、食品安全情報(化学物質)No.25(2020.12.09)を発表した。

注目記事

【FSANZ】新規食品‐調査による見解の記録

 オーストラリア・ニュージーランド食品基準局(FSANZ)は、Australia New Zealand Food Standards Code の新規食品(novel foods)に関する規制に関連して、これまでに「非伝統食品」や「新規食品」に該当するのか検討された食品や食品成分のリストを公表した。

【SFA】代替タンパク質の安全性

 シンガポール食品庁(SFA)が代替タンパク質製品の国内販売に関する規制の枠組みを整備し、Q&Aを公表した。代替タンパク質とは、動物由来ではないタンパク質のことである。

 ダイズや小麦タンパク由来の「疑似肉」製品はシンガポールで伝統的に使用されてきたが、一方、管理された状況下で育てられた培養肉または細胞ベースの肉や、特定種の藻類、菌類、昆虫など、食品としての摂取歴のない他の代替タンパク質の形態もある。これら食経験のない代替タンパク質は新規食品と見なされ、市販前に安全であることの確認が必要となる。

 SFAは、毒性、アレルギー誘発性、生産方法、食事暴露などを考慮した安全性評価の実施を事業者に求め、その結果をSFAが設置した専門家作業グループがレビューする。

※ポイント:諸外国には、「食経験がないもの=安全性が保証されていないもの」という考えに基づいた新規食品に関する制度があり、食経験がないと判断されたものは安全性を評価してからでないと販売ができないよう規制されています。

 FSANZが公表したリストの中には、日本でいわゆる健康食品の原料として使用されているようなものも含まれています。リストには、その食品/食品成分が、どのような理由で新規食品に該当するのか(例:抽出などの加工方法が、食経験があるものとは異なる)、安全性の懸念はあるのか、といった見解も一緒に記されています。

【CFIA】COVID-19パンデミック中にカナダ市民を守るため食品査察の優先順位づけを行う

 カナダ食品検査庁(CFIA)は、COVID-19パンデミック中に重要な業務に優先順位をつけるための計画を立案し、CFIAの活動とサービスの見直し、食品安全の維持、食品の入手可能性と市場アクセスを3大優先事項とした。その中でCFIAは、障害調整生存年(DALYs)と「施設に基づくリスク評価モデル」を用いて査察の優先順位づけを行った。安全上のリスクが高い食品はより多くの監視が必要である。これにより乳製品、メープル、卵、蜂蜜部門の監視や予防的管理を優先した。

※ポイント:COVID-19パンデミックの影響により、各国政府による食品安全監視業務の変革が求められています。食品施設の査察業務については、手続きのデジタル化やリソースの割り当て方の見直しなどが行われています。

 その中で、査察対象の優先順位づけの指標として、従来のような施設毎の生産規模や違反歴などの他に、新たに障害調整生存年を組み込んだCFIAの取り組みは画期的だと思います。障害調整生存年とは、疾病や障害、死亡が早まることにより失われた年数をもとにした指標で、1DALYsが健康的に過せるはずのおおよそ1年の損失とされています。

(安全情報部第三室)

食品安全情報へのリンク

食品安全情報
http://www.nihs.go.jp/hse/food-info/foodinfonews/index.html
食品安全情報(化学物質)No.25(2020.12.09)
http://www.nihs.go.jp/hse/food-info/foodinfonews/2020/foodinfo202025c.pdf

今号の目次

【WHO】
1.国際がん研究機関(IARC)

【FAO】
1.Codex

【EC】
1.食品及び飼料に関する緊急警告システム(RASFF)

【EFSA】1.フード及び飼料チェーンへのナノサイエンスとナノテクノロジー適用の環境リスク評 価(ERA)
2.植物のゲノム編集の評価に適した既存のガイダンス
3.第三回 EU-FORA フェローシップ計画
4.新規食品関連
5.健康強調表示関連
6.遺伝子組換え関連

【FSA】
1.FSA の食品衛生格付け方式が10年を迎える
2.FSA は地方自治体の食品法執行報告書を公表する
3.EU と食品に関する消費者の見解
4.EU は小売店の肉(豚肉及び牛肉/鶏肉)に関する抗菌剤耐性の調査をまとめた
【DEFRA】
1.PRiF年次報告書

【DH】
1.食品と飼料の安全性と衛生:暫定共通枠組み

【COT】
1.COT/COM/COC年次報告書2019
2.合同専門家委員会

【ASA】
1.セルフケア広告に注意
2.食品:スポーツサプリメントと関連製品
3.ASA 裁定

【RIVM】
1.オランダの農業と水質:状態(2016-2019)と傾向(2016-2019)。EU 硝酸指令行動計画の モニタリング効果結果を含む硝酸報告2020

【ANSES】
1.環境中の抗菌剤耐性と抗生物質についての先駆的知識レビュー2.動物での抗菌剤耐性の拡散を監視しより良く理解する:最新 ANSES 報告のキーポイ ント

【FSAI】
1.Brexit Bite12月15日:Brexit –食品事業者は準備できていますか?2.リコール情報

【Ruokavirasto】
1.フィンランド食品局は英国の EU 離脱に備える

【FDA】
1.あなたの家族を詐欺的インフルエンザ製品から守ろう2.特定のヒト用及び動物用食品回収をするための荷受人リストの公表3.事業者向けガイダンス:2020年度食品施設登録の2年毎の更新期間のために固有の施 設識別番号(UFI)を提供する政策
4.公示
5.リコール情報
6.警告文書

【FTC】1.サプリメント販売会社ヘルスリサーチラボラトリー社に対する審判開始決定書を承認2. A.S. Research, LLC 社から詐欺的に宣伝されていた関節炎と関節痛緩和サプリメント Synovia を購入した消費者に約$775,000を返金

【CFIA】
1.COVID-19パンデミック中にカナダ市民を守るため食品査察の優先順位づけを行う2.カナダの食品安全問題に対する対応を強化3.オンラインで食品、植物、動物製品を買うときに考慮すべきこと4.食品詐欺への取り組み
5.リコール情報

【FSANZ】
1.新規食品‐調査による見解の記録
2.食品基準通知

【NSW】
1.リコール情報

【MPI】
1.リコール情報

【香港政府ニュース】
1.食品安全フォーカス2.食品安全センターはエチレンオキシドのためフランス産チョコレート菓子製品を食べ ないよう市民に呼び掛ける
3.違反情報

【MFDS】
1.日本産輸入食品の放射能検査の結果2.花茶を摂取する前に、食べることができる花なのか確認して下さい3.食用不可の農・林産物販売行為の点検結果4.ナトリウム・糖類を減らすマイナシュオンライン広報館を運営5.女性の健康食品及び生理用ナプキンなど医薬部外品オンライン虚偽・誇大広告摘発6.キムチを漬ける季節!正しい食品調理器具の使い方などの情報提供7.輸入白菜キムチ HACCP 義務化で事前安全管理の強化8.食品などの安全性審査に必要な毒性試験法について情報提供9.生活の中の有害物質安全情報のお知らせ10.性機能標榜海外個人輸入製品でバイアグラ成分検出

【SFA】
1.代替タンパク質の安全性
2.食品安全規制値

【FSSAI】
1.FSSAI は CSE がとりあげた蜂蜜の異物混入問題をレビューする2.食品のマイコトキシン分析マニュアル

【その他】
・EurekAlert2件