圃場のミャンマー女性(シャン州)
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世界の土 ii/ミャンマーでイネとラッカッセイの可能性

このところミャンマーのことがマスコミでもよく取り上げられています。政治情勢の変化とともに、国際社会のこの国のとらえ方や交流の様子が変わりつつあります。  筆者は10年ほど前に数回、ある企業の依頼でミャンマーの農業技術改善の仕事を請負い、土壌調査を行ったことがあります。その経験から、当地での農業の可能性を話してみます。
ドバイ近郊の砂漠土壌で試験栽培したイネ
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世界の土 i/ドバイのイネ

世界中に砂漠はいくつもあり、困ったことにその砂漠が増加しているといいます。私たちが日本列島にいる限りは、その実感はありませんが、海外に出かけてみると、その乾燥した空気から何となく砂漠化もあるかと思うぐらいです。
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畑の土 xviii/まとめ(3)

土壌の種類のおさらいの続きです。粘土の多い土は保肥力の高いものと言えますが、これにはそれに適した管理をしてやる必要があります。ところが、それが行われていないことが多く、今後農業の大規模化が進めば、この種の問題が拡大する恐れがあります。
比較的新しく開墾された火山灰土地帯の圃場
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畑の土 xvii/まとめ(2)

日本の土壌の性質をまとめて、全国的な視点を持ちながらおさらいをする続きです。日本列島で見られる土壌としては、ほかに赤黄土と砂丘未熟土も特徴的です。これらについて考えていくと、土を見るときの視点として、単に肥えているかやせているかではない視点の重要性がわかります。
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畑の土 xvi/まとめ(1)

これまで見てきたそれぞれの土壌の性質をまとめて、全国的な視点を持ちながらおさらいをします。日本の土壌が実は優良な性質を持ったものではないことが明らかとなり、抜本的な対策が打たれるようになったのは戦後のことです。まず、何がわかったのかを見ていきます。
コルゲート管暗渠を施工した圃場断面の模型
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畑の土 xv/赤黄色土(2)

赤黄色土はとくに下層で強い粘りを持ちます。このことから、暗渠の敷設などの対策を講じない場合には湿害などの障害を起こしやすくなります。一方、酸性土壌であることも赤黄色土の特徴です。排水と酸性を改良する手を打てば、とくに根菜では味わい深いものが作れるようになります。
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畑の土 xiv/赤黄色土(1)

赤黄色土は、日本の北から南まで広く分布する土です。これは、更新世という太古に日本列島が高温多湿であったために、岩石のさまざまな成分が風化して流れ出し、鉄とアルミニウムが多く残って出来た土壌と言えます。
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畑の土 xiii/火山放出物未熟土(2)

火山放出物未熟土はもともとやせた土だが、十分な量の堆肥を施すことで、一転して優秀な畑にすることが可能になっている。ただし、ある限界を超えて堆肥を入れ過ぎると、深刻な障害を起こしやすい。それは、主にリン酸とカリウムの過剰という形で現れる。
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畑の土 xii/火山放出物未熟土(1)

火山灰や火山礫の風化がまだ十分進んでいない土が火山放出物未熟土。これは、もともとやせた土だが、堆肥の施用によって改善が可能となる。ただし、取り組む農家によって出来・不出来の差が出やすいのが特徴となっている。その理由を述べていく。
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畑の土 xi/暗赤色土(2)

日本の近代農業では、暗赤色土のように作業性の悪い土に対しては、土壌改良をしようと考えがちです。しかし、それは正しい選択でしょうか。日本と中国の農業を比べながら、そのことについてよく考えてみましょう。
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畑の土 x/暗赤色土(1)

暗赤色土は、日本では一部の地域でだけ見られる珍しい土です。これは非常に粘りの強い土で、作業性は最悪です。しかし、根菜類を育てるとたいへん良好な品質のものが得られます。
ロータリ
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畑の土 ix/褐色森林土(2)

褐色森林土は、広葉樹の落葉が含むカルシウムなどのおかげでバクテリアがよく働き、その地域の降水量の関係から成分の流亡も少ないのが特徴です。ところが、日本の場合は降水量が多いため、褐色森林土とは言っても成分が流亡し、酸性に傾いた土となっています。
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畑の土 vii/砂丘未熟土(2)

砂の畑で優良な野菜産地はたくさんあるものの、砂の土壌化学性を見ると、あまり芳しいものではありませんでした。肥料や水の与え方にいろいろ工夫が必要です。では、砂の土壌物理性はどうなっているでしょうか。実は砂は、土壌物理性から言うと非常によい土なのです。
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畑の土 vi/砂丘未熟土(1)

砂も土だと言うと、疑問に思ったり、あまり作物の栽培に適さない土だろうと考える人は多いでしょう。しかし実際には、砂地で野菜の優良産地というところはたくさんあります。砂の土壌としてのよさはどのようなところにあるのでしょう。土の化学性で見ると、やはりあまりよい土には見えないのですが。