DAKARA。よからぬ思い込みが筆者だけのものであることを祈る
食の損得感情

思い込むのは消費者の勝手か

ある雑誌の編集長から聞いた不思議な話。九州のある小さな町に、小さな喫茶店がある。その店のマスターは、お客にマジックを披露してくれる。それが評判で、全国からお客が遠路はるばる訪ねて来る。日本を代表するような有名な企業の経営者やタレントなど、著名人もたくさんやって来る。あまりに大勢が来店し、行列が出来ては近所迷惑なので、当日朝一番に電話して予約しなければならない。
肘掛上のコールボタン
食の損得感情

間違いを起こせない環境こそがヒューマンエラーを封じ込める

先日、羽田から福岡へ向かった時のこと。飛行機の座席に座って新聞を読み始めたところ、私の隣、通路側に座った男性にキャビンアテンダント(CA)が声を掛けて来た。「お呼びになりましたでしょうか?」。男性は、「いや、呼んでない」と答える。すると、CAの手がヌッと私に向かって伸びてきて、肘掛に載った私の腕を払いのけた。
みやげ物店の店頭で干されている干し魚。HACCPからは程遠い代物だが、こういうものは、なぜか平気で買っていく人が多い
食の損得感情

安全への真剣さを疑う光景

以前、電車に乗っていたときのこと。昼過ぎの上りながら、その車両の座席はほぼ埋まっていて、私を含め、途中で乗ってきた何人かがつり革につかまっているといった混み具合だった。網棚に荷物を載せて、ふと視線を落としたその時、私の前の座席で居眠りしている男性の頭に目が釘付けになった。脂でテカテカと光る頭髪に、おびただしいフケがからんでいる。紺色の背広の肩にも、粉雪のように、それは積もっていた。思わず、「うわっ […]
たくさんの材料で作ったパエリア。複数の食品をどう組み合わせて調理しても、毒が発生することがないというのは、考えてみればありがたくも不思議な話だ
食の損得感情

食い合わせ問題は食品添加物のハンディ

「ライフスタイル革命」という本がある。ナチュラル・ハイジーンという米国の健康法の入門書「FIT FOR LIFE by Harvey and Marilyn Diamond」の翻訳に、訳者による解説と実践のガイドを補ったもの。初版は1999年だが、最近は重版されていないようで書店ではほとんど手に入らない。オークションサイトでは非常に人気があり、いつも定価の2倍近い値が付いている。以前、あるオークシ […]
食べる智恵

ご飯が炊ける臭いはよい香りか悪臭か

飯を炊いていて、蒸気と一緒に湧き上がってくるあの臭い。あれを嫌う人は少ないだろうと思う。子供の頃、眠い朝に味噌汁の香りと一緒に布団の上空まで漂ってきたあの臭い。あるいは、お腹を空かせながら日が暮れるまで缶蹴りをしていて、魚を焼く臭いにつられて帰宅し、その台所に充満していたあの臭い。郷愁を誘うあの臭いの悪口なんて、なかなか言えない。
超繁盛回転ずし店「寿司虎」新別府店
食の損得感情

ディズニーの野菜工場と「寿司虎」の養殖サバ

東京ディズニーリゾート(TDR)を運営するオリエンタルランドが、“野菜工場”に取り組む。毎日新聞が報じたところによれば、同社子会社が発光ダイオード(LED)による水耕栽培施設を千葉県袖ケ浦市に作り、葉もの野菜を生産。来春からTDRに出荷する。栽培するのはレタスのほか、ホウレンソウ、ハーブ、水菜など。
食べる智恵

トラクタで真っ直ぐ走ること

4月20日頃、宮崎県に用事があって空路向かった。空港から列車に乗ったところ、沿線の水田に早くも水稲の苗が植わっていて驚いた(右写真)。早稲だろうか。ゴールデンウィーク前に移植を終えるというのは専業農家らしいが、条が左右に踊っているところを見ると、まだ若い人なのかも知れない。はたまた小学校の手植えの実習田か。そんな勝手な想像を巡らせながら田畑を見るのが楽しい。
苗箱を並べる稲葉氏、「育苗の技術は農家一人ひとりが大切にすべき」と言う
食の損得感情

トップダウンが招く成長の限界

案の定と言うべきか、2月23日掲載の「有機農法の普及とGM作物推進に共通する想い」に対して、民間稲作研究所の稲葉光國氏より、ご自身の考えと違うとのお話をいただいた。稲葉氏とGM推進派の「両者が心に抱く思いは同じものに見える」という見方は、全く不本意とのことだった。
食べる智恵

olinas

4月20日、東京・錦糸町に複合施設olinasがオープン。シネコンを含む商業施設と、高層のオフィス棟、住宅棟で構成。精工舎工場跡地を東京建物が再開発。
食べる智恵

宮水コーヒーの謎

神戸の「にしむら珈琲店」のコーヒーに初めて触れたのは、20代半ば、本郷三丁目のビルの一室だった。当時、勤務していた柴田書店は日本信販本社ビルの一画を所有していて、私たちはそこで仕事をしながら、なにやかやと試食をしたりもしていた。
赤米。コメは白ばかりではなかった
食の損得感情

売れるのは白か黒か茶色か……

何年か前、青果流通に携わっていた友人が、ゴボウ生産者と話し合い、洗いゴボウを出荷することにした。ただ、見た目が良くない。そこで、消費者になぜ色が良くないのかを伝え、品質が劣るわけではないことを訴えるため、パッケージに漂白に類する加工をしていない旨を表示することにした。ところが、出荷先となる大手スーパーの担当者からストップがかかった。
子供の皿で泣いていた野菜コロッケ
食の損得感情

“理想の食”のために闘えるか

世界を変えることは、闘争であると考える人は、今日なお多い。全共闘世代の人々、それに続く、学園が内ゲバに明け暮れていた頃に学生生活を送った人々と話していると、そう感じることが多い。私の高校の恩師は、さらにその前の全学連の頃の人だが、「生きることは闘いだ」と説かれて困った思い出がある。