中国でのノロウイルス感染調査

国立医薬品食品衛生研究所は、食品安全情報(微生物)No.02(2021.01.20)を発表した。

注目記事

【中国】ノロウイルス感染アウトブレイクのサーベイランス

 CaliciNet Chinaは、中国のノロウイルス感染アウトブレイクの疫学および遺伝子型分布を把握するために、中国疾病予防管理センター(Chinese Centers for Disease Control and Prevention)が省や市などの検査機関を統括しているネットワークであり、2016年10月に立ち上げられた。

 2016年10月〜2018年9月にノロウイルス感染アウトブレイク計556件が報告され、このうち470件(84.5%)で陽性便検体の遺伝子型解析が行われた。これらのアウトブレイクの大部分がヒト-ヒト感染であり(95.1%)、発生施設は保育施設または学校(78.2%)、発生時期は各年度の11〜3月(63.5%)が多かった。

 中国のノロウイルス感染アウトブレイクは保育施設または学校での発生が最も多く、遺伝子型はGII.2[P16]が優勢である。CaliciNet Chinaが継続して行っているサーベイランスにより、ノロウイルスの遺伝子型分布の変動やアウトブレイクの特徴に関する情報が得られ、これらの情報はワクチンなどの効果的な対策の決定に重要である。

(注目記事のまとめ:FoodWatchJapan編集部)

食品安全情報へのリンク

食品安全情報
http://www.nihs.go.jp/dsi/food-info/foodinfonews/index.html
食品安全情報(微生物)No.02(2021.01.20)
http://www.nihs.go.jp/dsi/food-info/foodinfonews/2021/foodinfo202102m.pdf

今号の目次

【米国疾病予防管理センター(US CDC)】
1. タマネギに関連して複数州にわたり発生したサルモネラ(Salmonella Newport)感染アウトブレイク(最終更新)
2. 小麦粉に関連して発生した志賀毒素産生性大腸菌O26感染アウトブレイク(最終更新)

【Emerging Infectious Diseases(CDC EID)】
1. ノロウイルス感染アウトブレイクのサーベイランス(中国、2016〜2018年)

【カナダ公衆衛生局(PHAC)】
1. 公衆衛生通知:米国から輸入されたレッドオニオンに関連して発生したサルモネラ(Salmonella Newport)感染アウトブレイク(最終更新)

【欧州委員会健康・食品安全総局(EC DG-SANTE)】
1. 食品および飼料に関する早期警告システム(RASFF:Rapid Alert System for Food and Feed)

【アイルランド食品安全局(FSAI)】
1. 欧州委員会が食品供給および食料安全保障を確保するための危機管理計画に関して意見募集を実施

【オランダ国立公衆衛生環境研究所(RIVM)】
1. オランダでの食品由来アウトブレイクの発生状況に関する報告書(2018〜2019年)

【ProMED-mail】
1. コレラ、下痢、赤痢最新情報(02)