アメリカの昨年の食品由来感染症は目標値に抑えられず

国立医薬品食品衛生研究所は、食品安全情報(微生物)No.10(2014.05.14)を発表した。

注目記事

【US CDC】食品による感染症の罹患率と動向

 米国疾病予防管理センター(US CDC: Centers for Disease Control and Prevention)は、主に食品を介して伝播する病原体による感染症の罹患率と動向――食品由来疾患アクティブサーベイランスネットワーク(FoodNet)の米国内10カ所のサイトでのデータ(2006~2013年)を発表した。

 2013年には、合計で患者19,056人、入院患者4,200人および死亡者80人が報告された。ほとんどの病原体で、罹患率は米国の「Healthy People 2020」計画で設定された目標値よりかなり高く、また5歳未満の小児で最も高かった。

 2010~2012年と比較すると、2013年の推定罹患率はサルモネラでは低下、ビブリオでは上昇し、これらを含む6種類の病原体(カンピロバクター、リステリア、サルモネラ、志賀毒素産生性大腸菌(STEC)O157、ビブリオ、エルシニア)全体ではあまり変わっていない。

【UK PHE】子羊への給餌イベントで大腸菌O157感染

 イングランド公衆衛生局(UK PHE: Public Health England, UK)とランカシャーの環境衛生担当官および英国動物衛生獣医学研究所(AHVLA)は、ランカシャーで行われた子羊への給餌イベントに参加した後に発症した胃腸炎患者の調査を行っている。

 これまでに大腸菌O157感染の検査機関確定患者11人が報告されている。4人が合併症により入院し、このうち1人は退院して自宅で回復に向かっている。

 患者全員が農産物直売施設で行われた同イベントに参加していた。

【CFIA】チーズとビーフバーガーによるO157感染

 2013年9月12日、カナダ公衆衛生局(PHAC)は、アルバータ州およびブリティッシュコロンビア州で発生した大腸菌O157:H7感染クラスターをカナダ食品検査庁(CFIA)に報告した。翌日、PHACはアウトブレイク調査統括委員会(OICC)を招集した。OICCが収集および解析を行った予備的な疫学情報により、Gort’s Gouda Cheese Farm(施設番号4478)製のチーズ製品が感染源である可能性が高いと考えられた。

 同社の生乳チーズ製品はホテル、レストランおよび施設から回収された。2013年10月2日、CFIAは食品安全調査を公式に終了した。同社は、この調査で指摘された食品安全上の問題点をすべて改善した。

 2013年9月27日、オンタリオ州公衆衛生局(PHO)は、同州内の大腸菌O157:H7感染患者の増加をカナダ食品検査庁(CFIA: Canadian Food Inspection Agency)に報告した。PHOが収集した予備的な疫学情報により、Belmont Meats社(施設番号112)製のComplimentsブランドの「Super 8ビーフバーガー」が感染源である可能性が高いと考えられた。

 CFIAは昨年同社および同社への食肉納入業者について汚染源を特定する調査を行ったが、食品安全上の問題は認められなかった。

(注目記事のまとめ:FoodWatchJapan編集部)

食品安全情報へのリンク

食品安全情報
http://www.nihs.go.jp/hse/food-info/foodinfonews/index.html

食品安全情報(微生物)No.10(2014.05.14)
http://www.nihs.go.jp/hse/food-info/foodinfonews/2014/foodinfo201410m.pdf

今号の目次

【米国疾病予防管理センター(US CDC)】
1. 主に食品を介して伝播する病原体による感染症の罹患率と動向 - 食品由来疾患アクティブサーベイランスネットワーク(FoodNet)の米国内10カ所のサイトでのデータ(2006~2013年)

【カナダ食品検査庁(CFIA)】
1. 2013年9月にビーフバーガーの喫食に関連して発生した大腸菌O157:H7感染クラスターに関する食品安全調査
2. 2013年9月にチーズの喫食に関連して発生した大腸菌O157:H7感染クラスターに関する食品安全調査

【欧州食品安全機関(EFSA)】
1. ヒト、動物および食品由来の人獣共通感染症細菌の抗菌剤耐性が引き続き広く確認される(EFSA/ECDCの報告書)

【欧州委員会健康・消費者保護総局(EC DG-SANCO)】
1. 食品および飼料に関する早期警告システム(RASFF:Rapid Alert System for Food and Feed)

【イングランド公衆衛生局(UK PHE)】
1. ランカシャーで発生した大腸菌O157感染患者の複数機関による調査

【フィンランド食品安全局(Evira: Finnish Food Safety Authority)】
1. フィンランドにおける近年の食品の回収件数

【ProMed mail】
1. コレラ、下痢、赤痢最新情報