OSOA(一物質一評価)発効

No.01(2026.01.07)

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国立医薬品食品衛生研究所が集めた食品の安全性に関する国際機関や各国公的機関等の最新情報から。EUは化学物質評価の共通データ基盤OSOAを発効。イギリス当局は細胞培養食品の初の安全指針を公表。ドイツ当局は脳内マイクロプラ研究に方法論的課題を指摘。

注目記事

【EC】EUの化学物質評価を合理化する新ルールが発効

 2026年1月1日、欧州連合(EU)で「1つの物質に1つの評価(one substance, one assessment: OSOA)」パッケージが発効した。これは、「持続可能性のための化学物質戦略(Chemicals Strategy for Sustainability)」の一環であり、玩具、食品、殺虫剤、殺生物剤などの製品を対象にしたEUの化学物質評価について、一貫性、透明性、効率性を向上させるものとなる。OSOAパッケージは、化学物質に関する共通データプラットフォームを確立する規則(Regulation(EU)2025/2455)、技術的任務の再割り当てとEU機関間の協力の改善に関する規則(Regulation(EU)2025/2457)、欧州化学品庁(ECHA)への技術的任務の再割り当てに関する指令(Directive(EU)2025/2456)で構成される。OSOAパッケージの中核となるのが、化学物質に関する新しい共通データプラットフォーム(EU-CDPC)である。EUの関連機関が収集した化学物質のデータを集約し、誰もがアクセスできるようにする。

※ポイント:EUが化学物質評価について大きな転換期を迎えました。OSOAパッケージには、食品関連の評価を担当する欧州食品安全機関(EFSA)の他、欧州化学品庁(ECHA)、欧州環境庁(EEA)、欧州医薬品庁(EMA)、欧州労働安全衛生機関(EU-OHSA)、欧州委員会(EC)が参加します。先ずはECHAが主導してEU-CDPCを構築し、3年以内に稼働、10年以内にデータの集約の完了を目指しているようです。また、EU全域でヒトバイオモニタリングデータを収集する方針も明確に示しています。これまではEFSAとECHAで科学的意見が一致しないこともがありましたが、OSOAパッケージのもと、今後はそのような意見の相違は評価の過程で調整されていくことになります。

【FSA】FSAとFSSが細胞培養製品に関する英国初の安全ガイダンスを公表

英国食品基準庁(FSA)とスコットランド食品基準局(FSS)は、細胞培養製品に関する大規模プロジェクト「Cell-Cultivated Products Sandbox Programme」の一環として、規制ガイダンス「細胞培養製品:分類とHACCPの原理」と技術ガイダンス「食品中の細胞培

養製品の評価申請者への補足ガイダンス:アレルゲン性と栄養」を発表した。他に、細胞の同一性、生産、微生物学、毒性学、培地組成に関するガイダンスも作成中である。

【別添BfR】脳内のマイクロプラスチック:BfRはヒトの器官内のマイクロプラスチック及びナノプラスチックに関する論争の的となっている研究を評価する

ドイツ連邦リスクアセスメント研究所(BfR)が、米国の研究チーム(Nihartら)が最近

発表した脳内のマイクロプラスチック粒子検出に関する研究の内容について評価し、話題

性と新規性という点では注目に値するが、サンプル調製、検出方法、シグナルの帰属など、方法論的な弱点があると結論した。

※ポイント:BfRが科学的かつ専門的に丁寧に検証しており、Nihartらの研究を理解する上で参考になります。ヒトの体内で検出されたとの報告を聞くと、その事実だけで何らか

の有害な健康影響が生じるものと誤解されがちですが、今回のNihartらの研究には多くの不確実性要因があり健康影響との因果関係は立証していないことを強調しています。

(注目記事のまとめ:安全情報部第三室)

目次

【FAO】

1. FAO/WHOは、農業食料システムにおける水の使用による化学的食品安全リスクに関する報告書を発表

2. 食品安全フォーサイトアプローチ:FAOウェビナーの概要報告書

【EC】

1. EUの化学物質評価を合理化する新ルールが発効

2. 食品及び飼料に関する緊急警告システム(RASFF)

【FSA】

1. FSAとFSSが細胞培養製品に関する英国初の安全ガイダンスを公表する

2. 硝酸塩と亜硝酸塩:科学的な説明

【FSS】

1. FSSはウイスキーとジンの安全性に関する懸念を消費者に警告する

【COT】

1. 母親の健康に対する水銀の影響に関する声明

2. 母親の食事中のシトリニンにより起こりうるリスクに関する声明

【FSAI】

1. リコール情報

【BfR】

1. ダイオキシン類:現在EFSAによる報告書案が入手可能リスク評価が更新されパブリックコメント募集中

2. 砂糖の代わりの合成甘味料:甘味料は健康に有害? BfR2GOサイエンスマガジンの最新号では砂糖代替品を特集

【ANSES】

1. フッ化ナトリウムを内分泌かく乱物質及び生殖毒性物質に分類する提案

【CAFIA】

1. CAFIA、肉の含有量が少ない偽装食品であり、アレルゲン表示も欠落している輸入缶詰肉を市場で発見

【FDA】

1. 警告文書2. リコール情報

【CFIA】

1. 食品偽装年次報告書2023-2024年

2. 選択された缶詰食品及び瓶詰め乳児用食品中のビスフェノールA(BPA)及びBPA代替物質(2023年4月1日〜2024年3月31日)

3. 鶏肉製品に含まれる表示されていないアレルゲン及びグルテン(2022年4月1日〜2023年3月31日)

4. 加工した魚介類製品に含まれる表示されていないアレルゲン及びグルテン(2021年4月1日〜2022年1月31日)

5. 穀類ベースの製品とビーガン製品に含まれる農薬及び金属:2021年4月1日〜2022年3月31日

6. 缶詰シーフード中のメチル水銀及び無機水銀:2015年4月1日〜2016年3月31日

【FSANZ】

1. 食品基準通知

【APVMA】

1. APVMAは抗凝血性殺鼠剤の使用に関する抜本的な変更を提案

【香港政府ニュース】

1. CFSが過塩素酸塩に関する第2回香港トータルダイエットスタディの結果を公表する

【MFDS】

1. 日本産輸入食品の放射能検査の結果

2. 食薬処、消費者と共にオンライン食品の不当広告など280件を摘発・措置

3. 食薬処、オンライン食品不当広告業者16社を摘発

4. 呼吸器・アレルギー疾患の改善を謳う、海外直輸入食品への注意喚起

5. 畜産物自主品質検査を直接実施する業者を集中点検、4カ所摘発

6. 山羊肉加工業者など点検結果、9カ所摘発

7. 消費期限参考値の提供により消費期限表示制度の定着を支援

8. 中国と食品安全協力強化でK-Food輸出支援を模索

9. 「AIベース輸入食品リスク予測検査システム」が、公共AI大転換チャレンジで最優秀賞を受賞

10. 回収措置

【SFA】

1. 食品に使用が認められていない物質が混入した食品2点が発見された

別添

【BfR】

1. 脳内のマイクロプラスチックBfRはヒトの器官内のマイクロプラスチック及びナノプラスチックに関する論争の的となっている研究を評価する

2. マイクロプラスチック:科学的知見と一般認識の不一致現在の知見に基づくと、ヒトへの健康上のリスクに関して信頼できる根拠はない

食品安全情報
http://www.nihs.go.jp/dsi/food-info/foodinfonews/index.html
食品安全情報(化学物質)No.01(2026.01.07)
https://www.nihs.go.jp/dsi/food-info/foodinfonews/2026/foodinfo202601c.pdf
食品安全情報(化学物質)No.01(2026.01.07)別添
https://www.nihs.go.jp/dsi/food-info/foodinfonews/2026/foodinfo202601ca.pdf