食用昆虫の初の新規食品評価

国立医薬品食品衛生研究所は、食品安全情報(化学物質)No.02(2021.01.20)を発表した。

注目記事

【EFSA】食用昆虫:新規食品評価の科学

 欧州食品安全機関(EFSA)が、新規食品として申請された昆虫由来食品に関する最初の科学的意見を完了した。

 新規食品として申請されたのは乾燥した黄色ミールワーム(Tenebrio molito larva:チャイロコメノゴミムシダマシ幼虫)であり、乾燥させた昆虫全体をスナックとして使用する、あるいは多くの食品の素材として使用することが提案されている。主な成分は、タンパク質、脂質、食物繊維(キチン)である。評価の結果、申請で提案されている使用条件、摂取量を考慮すると栄養的不都合はなかった。さらに、文献で提出された毒性試験からは安全上の懸念を生じなかった。ただし、甲殻類とチリダニにアレルギーのある人々にアレルギー反応を起こす可能性と、昆虫の飼料由来のアレルゲンが含まれる可能性がある。

※ポイント:新しいタンパク源として昆虫が注目されてから初めてとなる認可申請に関連する評価が実施されました。今回の評価結果をもとに欧州委員会が新規食品として認めると、EUで公式に認可された昆虫由来食品の第一号となります。今回の新規食品(スナック)がどのようなものかご興味のある方には、この記事のウェブサイトに製品のイメージ写真が掲載されています。

Edible insects: the science of novel food evaluations
https://www.efsa.europa.eu/en/news/edible-insects-science-novel-food-evaluations

【DEFRA】ゲノム編集は国の環境、受粉媒介者、野生生物を守る可能性がある

 英国環境・食料・農村地域省(DEFRA)は、ある種のゲノム編集について、伝統的交配や自然に生まれるのと同じである場合には遺伝子組換えとして規制するのを止めるという提案についての意見募集を開始し、2021年3月17日まで受け付ける。このアプローチはすでに日本、オーストラリア、アルゼンチンなどのさまざまな国で採用されている。

※ポイント:EUでは、2018年の欧州司法裁判所の法的判断により、ゲノム編集も遺伝子組換えと同様に規制されています。英国の食品関連の制度はEU離脱後も基本的にEUの制度の内容を維持していますが、もしゲノム編集を規制対象から外すことになれば、EU離脱が大きく影響した制度変更の代表例となるでしょう。

【ANSES】ティーツリー、ニアウリ、カユプテエッセンシャルオイルを含むフードサプリメント:その誤用はリスクとなる

 メラレウカ(Melaleuca:フトモモ科メラレウカ属の植物)に含まれるティーツリー、ニアウリ、カユプテエッセンシャルオイルは多様なフードサプリメントに含まれている。神経毒性作用の可能性のため、欧州のいくつかの国では、これらのエッセンシャルオイルの使用をやめさせるあるいは禁止しているが、特定の感染症の補助的な治療用として誤用する消費者がいる。フランス食品・環境・労働衛生安全庁(ANSES)は、現時点での知見をもとに、メラレウカのエッセンシャルオイル中の特定成分の経口摂取について神経性、発がん性、遺伝毒性および生殖毒性リスクの可能性があることを確認しており、とくに子供や妊娠・授乳中の女性は使用しないよう助言する。

(安全情報部第三室)

食品安全情報へのリンク

食品安全情報
http://www.nihs.go.jp/hse/food-info/foodinfonews/index.html
食品安全情報(化学物質)No.02(2021.01.20)
http://www.nihs.go.jp/hse/food-info/foodinfonews/2021/foodinfo202102c.pdf

今号の目次

【WHO】
1. WHOは政府に公共施設での健康的食品推進を強く求める

【FAO】
1. Codex

【EC】
1. 査察報告書
2. 食品及び飼料に関する緊急警告システム(RASFF)

【EFSA】
1. 透明性に関する新たなルール:関係者のための詳細な取り決め
2. 食用昆虫:新規食品評価の科学
3. 食品酵素関連
4. 食品添加物関連
5. 遺伝子組換え関連
6. 農薬関連
7. 飼料添加物関連

【FSA】
1. 更新情報(EU離脱に関連して)

【FSS】
1. ビタミンDの摂取について

【DEFRA】
1. ゲノム編集は国の環境、受粉媒介者、野生生物を守る可能性がある

【DHSC】
1. グレートブリテン栄養健康強調表示(NHC)登録

【MHRA】
1. 伝統ハーブ登録(THR)申請

【ASA】
1. ASA裁定
2. 前と後の写真

【BfR】
1. ビーガン食-価値観の問題

【ANSES】
1. グリホサートを含む一部の製品は生殖前のマスの免疫を低下させるかもしれない
2. ティーツリー、ニアウリ、カユプテエッセンシャルオイルを含むフードサプリメント:その誤用はリスクとなる

【FSAI】
1. 食品事業における2020年の法施行42件
2. リコール情報

【FDA】
1. FDA食品安全近代化法10周年:進捗と今後を考える
2. FDAは最終の食品表示規則の単一法令遵守日を発表する
3. FDAは食用動物に対する医学的に重要な特定の抗菌薬の使用期間を決定する方法に関する意見を募集する
4. FDAは食品トレーサビリティリストに明確化のための説明を追加;食品トレーサビリティ規則案のFAQを発表
5. トウモロコシのマサ粉に葉酸を加えると先天異常を防ぐ可能性がある
6. 消費者情報:「グルテンフリー」表示の意味すること
7. FDA警告:致死濃度のアフラトキシンの可能性のためSportmixペットフードの特定ロットをリコール措置
8. 警告文書

【USDA】
1. 全ての一口を大切に:USDAとHHSはアメリカ人のための食事ガイドライン2020-2025を発表
2. USDA FAS報告:農業バイオテクノロジー年次報告 EU

【CFIA】
1. カナダと英国はオーガニック食品貿易について話し合いがついた

【FSANZ】
1. 魚の水銀
2. 食品基準通知

【TGA】
1. トチュウ含有医薬品

【香港政府ニュース】
1. ニュースレター:台所用電化製品エアーフライヤーについて、パンの塩分削減
2. 食品安全センターは金魚のサンプルにマラカイトグリーンを検出
3. 違反情報

【MFDS】
1.日本産輸入食品の放射能検査の結果
2. COVID-19で飲酒量減少「一人飲み、家飲み」増える
3. 亜酸化窒素カートリッジは来年から使用不可
4. 輸出活性化のために「食品輸出ガイド」発刊
5. 食品中のポリ臭化ビフェニル(PBBs)安全なレベル
6. 外食業者のオンライン栄養情報表示拡大
7. 栄養情報確認、ナトリウム摂取を減らすための近道!
8. 食薬処、インターネットコミュニケーション網(SNS)の無許可食品販売の点検実施
9. 冬の季節、カキ、フグ、干しサンマなど安全にお楽しみください!
10. 豚醤油煮配達店「ネズミ」異物混入調査の結果発表
11. 回収措置

【SFA】
1. メディア声明‐マレーシアでの肉のカルテル問題に関するMUIS及びSFAによる共同メディア声明

【FSSAI】
1. メディアコーナー:FSSAIの新しい方針は全ての油脂のトランス脂肪を2022年1月までに制限する

【その他】
・食品安全関係情報(食品安全委員会)から
・(EurekAlert)専門家が「発酵食品」の新しい世界的定義に合意