いろいろなものを食べること

国立医薬品食品衛生研究所は、食品安全情報(化学物質)No.25(2017.12.06)を発表した。また、2016年版RASFF年次報告書(※)を食品安全情報(化学物質)No.25(2017.12.06)別添として発表した。

※RASFFは、食品及び飼料を管理する当局が深刻なリスクへの対応について情報交換するための有効なツール。

注目記事

【EFSA】2016年の新興リスクに関するEFSAの活動

 欧州食品安全機関(EFSA)は、新興リスクの同定とその同定方法の検討を行っている。今回発表する最新技術報告書には、新興リスクの同定に関わるすべてのグループの活動内容、2016年に同定された問題、開発中の方法の説明、実施した協同活動の内容がまとめられている。

※ポイント:2016年の潜在的な新興問題として、微生物関連も含めて17項目が検討されています。そのうち化学物質関連と分類されたのは10項目で、その半数はフードサプリメントに関連しています(緑茶、ピロリジジンアルカロイド類、ジオミン、ヘスペリジン、ピペリン、インターネット販売の不良品)。

【RIVM】オランダ5つからなる輪ガイドラインに従った食事からの汚染物質摂取

 オランダの食事ガイドラインである「5つからなる輪(Wheel of Five)」に従った食生活で摂取される汚染物質を計算した。このガイドラインは15食品群について8つの年齢群の性別毎に推奨される摂取量が示されている。ガイドラインに準じた食品由来の汚染物質の摂取は、EUの最大基準値を用いた場合、汚染実態データを用いた場合などの段階的アプローチで算出した。

※ポイント:食事ガイドラインに従って食べたらどうなるか?という面白い視点で汚染物質の暴露を検討していたのでご紹介します。その結論は、従来と同様にさまざまな食品を食べるという一般的助言が重要だというものです。

【ANSES】スピルリナを含むフードサプリメント:信頼できる供給元を選ぶことの重要性

 全国ニュートリビジランス計画のもと、スピルリナを含むフードサプリメントの摂取に関連する可能性の高い有害影響が報告され、それらの報告からフランス食品・環境・労働衛生安全庁(ANSES)がこの種のフードサプリメントの摂取に関連するリスクについて評価した。ANSESが発表した意見は、スピルリナを含む製品にはシアノトキシン(とくにミクロシスチン)、細菌、あるいは微量金属元素が含まれる可能性があることを強調しており、消費者に向けて信頼できる供給元を選ぶよう助言する。また、フェニルケトン尿症やアレルギー体質の人は摂取しないよう助言する。さらにスピルリナが汚染されるリスクを考えると、ANSESはスピルリナの生産に用いる水の質とそれぞれの生産段階の生産者の管理の重要性を強調する。

※ポイント:フランスは自国の有害事象報告システムを2009年に導入しており、報告が蓄積されてきたためか、少しずつシステムの有効性と成果を示す報告が出されています。

【FDA】クラトムで生じる致命的なリスクに関するFDA助言に関するFDA長官の声明

 米国食品医薬品局(FDA)は、クラトム(kratom)の使用に関連したリスクへの高まる懸念に対し、公衆衛生の面から助言を発した。FDAは未承認薬物としてkratomを管轄し、かつkratomを含むダイエタリーサプリメントに対して対策も行ってきた。

(安全情報部第三室)

食品安全情報へのリンク

食品安全情報
http://www.nihs.go.jp/hse/food-info/foodinfonews/index.html
食品安全情報(化学物質)No.25(2017.12.06)
http://www.nihs.go.jp/hse/food-info/foodinfonews/2017/foodinfo201725c.pdf
食品安全情報(化学物質)No.25(2017.12.06)別添
http://www.nihs.go.jp/hse/food-info/foodinfonews/2017/foodinfo201725ca.pdf

今号の目次

【WHO】
1. IPCS:使用済み鉛酸バッテリーのリサイクル:健康についての考察
2. 米国科学航空技術委員会へのDr Wildからの対応

【FAO】
1. コーデックス委員会

【EC】
1. SCCS – 香料成分のための皮膚感作性定量リスク評価についての予備的意見に意見募集
2. 危機への準備と対応
3. 栄養と運動に関するハイレベルグループと、食事と運動と健康対策のためのプラットフォームの合同会合
4. 食品及び飼料に関する緊急警告システム(RASFF)

【EFSA】
1. 食品添加物としての脂肪酸モノ-およびジグリセリド(E 471)の再評価
2. 2016年の新興リスクに関するEFSAの活動
3. 新規食品成分関連
4. 香料評価
5. ネオニコチノイド:ミツバチへのリスクについて来年初期に更新
6. 飼料添加物関連
7. 外部委託科学調査報告—ラトビアの一般住民を対象とした全国食事調査
8. 遺伝子組換え関連
9. 作物の保護剤や防虫剤として使用されるランド県の松ヤニの基本物質申請について加盟国とEFSAが行った協議の結果

【FSA】
1. 食品と飲料品を意図的攻撃から守り防御するためのガイド
2. FSAは新しい食品飲料部門評議会を歓迎

【MHRA】
1. 新しい研究は絶望したダイエッターは危険に晒されていることを示す-オンライン減量錠剤の秘密の世界
2. 副作用疑いを報告することで医薬品をより安全にする:MHRAはキャンペーンを開始

【NHS】
1. Bihind the Headlines

【ASA】
1. ASA裁定

【BfR】
1.「カフェインが子供や青少年の心血管系に及ぼす潜在的影響」専門家会議の結果

【RIVM】
1. オランダ5つからなる輪ガイドラインに従った食事からの汚染物質摂取
2. 地下水のバックグラウンド濃度と品質:アンチモン、ヒ素、バリウム、カドミウム、コバルト、銅、水銀、鉛、モリブデン、ニッケル、亜鉛
3. EUナノ物質観測の批判的検討

【ANSES】
1. BfR/NIFDS/ANSES/DTU-Foodが企画する合同国際シンポジウム
2. ANSES 2016年次報告書: Roger Genet長官の言葉
3. スピルリナを含むフードサプリメント:信頼できる供給元を選ぶことの重要性

【FDA】
1. クラトム(kratom)で生じる致命的なリスクに関するFDA助言に関するFDA長官Scott Gottlieb 医学博士の声明
2. グリホサートに関するQ&A
3. 綿花の栽培地で米国食品安全近代化法について話し合い、妥協点を模索する
4. FDAはビオチンが検査に干渉する可能性を警告:FDA安全性警告
5. 警告文書
6. 骨(あるいは骨のおやつ)はノー:あなたの犬に骨を与えてはいけない理由

【USDA】
1. あなたの残り物のシチメンチョウをどうする?農業主任科学者のG20会合は幾分かの知見を持っているかもしれない

【FTC】
1. フロリダのサプリメント業者が虚偽の宣伝でFTCと和解
2. サプリメント販売業者がFTC、メイン州と虚偽の広告について和解

【FSANZ】
1.年次報告書2016-2017

【TGA】
1. TGAのプレゼンテーション:補完医薬品規制年次会合
2. 安全性警告:Semenax カプセル

【NSW】
1. リコール情報

【MPI】
1. 貝のマリンバイオトキシン警告-プレンティー湾
2. 食品としての麻の実

【MFDS】
1.日本産輸入食品の放射能検査の結果
2. 卵の検査(フィプロニル関連)
3. 官民協力で、冬の水産物の先制的安全管理強化
4. 輸入が禁止された米国産「健康機能食品」製品の回収措置
5. キムチを漬ける季節に備えて実施されたキムチ類などのメーカーの全国一斉交差点検の結果
6. 宅配飲食店の衛生レベルを私が直接確認する!
7. 食品医薬品安全処、抗菌剤耐性の国際規格の策定を先導

【FSSAI】
1. FSSAI関連の報道ニュース:「フレッシュ」と「ナチュラル」という誤解を生む食品宣伝文句を制限
2. 食品安全基準へのFAQ(健康サプリメント、ニュートラシューティカル、特定食事療法用食品、特定医療用食品、機能性食品、新規食品)

【その他】
・食品安全関係情報(食品安全委員会)から
・(ProMED mail)食中毒 ボツワナ:(セントラル)生徒、菜種、ソルガム、有機リン疑い
・(ProMED mail)殺虫剤中毒 インド:(MAHARASHTRA)致死
・(EurekAlert)NIAID科学者が原因不明のアナフィラキシーを赤肉アレルギーと関連させる
・(EurekAlert)インターネットで販売されているパフォーマンス強化薬物は不正確に表示されている
・(EurekAlert)抗生物質耐性:予期せぬ年代記
・(EurekAlert)ブリティッシュコロンビア大学Okanagan校の研究者がWinnipeg湖で神経毒素を発見

別添

【EC】
1. 2016年版RASFF年次報告書