EUの内分泌攪乱物質の定義

国立医薬品食品衛生研究所は、食品安全情報(化学物質)No.02(2015.01.21)を発表した。

注目記事

【EC】消費者安全性に関する科学委員会(SCCS)――内分泌攪乱物質についての覚え書き

EUでは「内分泌攪乱物質」の同定基準(定義)について議論されており、この度、SCCS(Scientific Committee on Consumer Safety/消費者安全科学委員会)の見解が発表された。

SCCSはWHO/IPCSが示した定義「内分泌攪乱物質(ED)は、内分泌系の機能を変化させることにより、無傷の生物やその子孫や(亜)集団に有害健康影響を引き起こす外来物質または混合物である」を支持し、EDは、i)無傷の生物や(亜)集団に有害影響がある;ii)内分泌活性がある;iii)その二つの間に妥当な因果関係がある、という3つの基準一式で定義されるものであると強調している。

※ポイント:内分泌攪乱も普通の毒性と同じようにすべての科学的情報をもとに評価するのであって、特別なものではない。そして、ヒトや環境への影響が懸念される他の物質と同様に扱うことができ、リスク評価の対象となる、としている点がポイントです。

【EFSA】EUメニュー:契約授与、更新ガイダンス

EFSAの各科学パネルによる食品由来ハザードおよび栄養の食事暴露評価で使用する、EU加盟国で統一された食品摂取データを収集するために必要な基本事項に関する助言をまとめた文書を公表した。

※ポイント:リスク評価で暴露評価を行う際、質の高い食品摂取データを得られるかどうかは重要な鍵となります。本ガイダンスは、どのような方法・基準で食品摂取データを収集するのが良いのか詳細にまとめられていて参考になります。EFSAは、小児から高齢者まで、統一された方法により個人レベルで収集された詳細な食品摂取データがより質の高い暴露評価には重要であると強調しています。

【NTP】健康評価とトランスレーション事務局(OHAT)系統的レビュー

OHAT評価での系統的レビューの標準的手順を記したハンドブックが公開された。

※ポイント:評価を計画するところからモノグラフを完成させるまでの各段階での着眼点や考え方(根拠に基づくスコア付け、検索すべきデータベース等)が具体的にまとめられているので参考になります。

【FDA】新しいFDAのガイダンス文書検索が利用できる

米国食品医薬品局(FDA)は新たに検索サイトを開設し、FDAガイダンス文書および他の規則ガイダンスがキーワードで検索できるようになった。

【BfR】食品に植物の安全な利用を保証するには、さらに知識が必要

デンマーク工科大学国立食品研究所、フランスリスク評価機関、フランス食品・環境・労働衛生安全庁(ANSES)、ドイツ連邦リスク評価研究所(BfR)が企画し、食品サプリメントへ植物を利用することの安全性や規制上の課題について議論する会議が2014年11月にデンマークで開催され、その内容が公開された。

(安全情報部第三室)

食品安全情報へのリンク

食品安全情報
http://www.nihs.go.jp/dsi/food-info/foodinfonews/index.html

食品安全情報(化学物質)No.02(2015.01.21)
http://www.nihs.go.jp/dsi/food-info/foodinfonews/2015/foodinfo201502c.pdf

今号の目次

【WHO】
1. 国際がん研究機関(IARC):環境やライフスタイル要因ががんの1/3以下の原因であると主張する科学論文へのIARCの反応

【EC】
1. 消費者安全性に関する科学委員会(SCCS)――内分泌攪乱物質についての覚え書き
2. 食品及び飼料に関する緊急警告システム(RASFF)

【EFSA】
1. EUメニュー:契約授与、更新ガイダンス
2. データ交換に関するガイダンス2.0版
3. 健康強調表示関連
4. 食品と接触する物質関連
5. 飼料添加物関連
6. 香料グループ評価

【HSE】
1. 最新モニタリング結果

【BfR】
1. 食品に植物の安全な利用を保証するには、さらに知識が必要

【RIVM】
1. オランダ国民食事栄養調査2007-2010の結果

【ANSES】
1. ヒトの食事の人工甘味料に栄養的価値はない

【FDA】
1. 新しいFDAのガイダンス文書検索が利用できる
2. 連邦判事はカリフォルニアのダイエタリーサプリメントメーカーとの同意判決を承認
3. 警告文書

【NTP】
1. 健康評価とトランスレーション事務局(OHAT)系統的レビュー

【EPA】
1. EPAの提案は国の重油流出事故への準備レベルと対応を強化
2. EPAは2013年有害物質放出目録全国解析を発表
3. EPAのPFOAや類似化合物制限はヒト健康と環境に意味のある利益をもたらした
4. EPAは家庭や学校にある有害化学物質から消費者を守るための規則を提案する

【USDA】
1. APHISはモンサント社の遺伝子組換え大豆及び綿の規制解除を発表

【FTC】
1. 子どもたちの言語障害を治療できると製品を宣伝していた企業が消費者を騙しているとFTCに罰金を支払う

【FSANZ】
1. 食品基準改定
2. 食品基準通知

【TGA】
1. 安全性警告

【MPI】
1. 食品安全及びバイオセキュリティサービスの費用のレビュー

【香港政府ニュース】
1. 野菜の農薬検出
2. 乾燥豆腐警告
3. ベビーフード規制提案
4. ヘルシーダイエットフェイスブック開始

【MFDS】
1. 日本産輸入食品の放射能検査の結果
2. 日本放射能安全管理民間専門家委員会の第2次現地調査の実施
3. 輸入食品安全管理輸出国の現地中心に大転換
4. ハイリスク飲酒及び爆弾酒の摂取増加
5. 畜産物の虚偽表示・誇大広告行為の取り締まり予告
6. 4-メチルイミダゾール(4-methylimidazole、4-MI)基準超過で「キャラメル色素」の回収措置
7. 漢方薬GMP全面義務付けに安全管理の強化
8. 海洋深層水は全ての食品に使用可能
9. 2015年 食•医薬品安全制度はこのように変わります

【その他】
・食品安全関係情報(食品安全委員会)から
・(ProMED-mail)ペットフード、有毒、致死 米国:イヌのおやつ、Petcoストア、リコール
・(ProMED-mail)食中毒 米国:(CA)神経症状
・(ProMED-mail)汚染ビール、致死、モザンビーク
・(EurekAlert)ナッツを含むかもしれない。しかしどのくらいなら多いのか?
・(EurekAlert)ビタミンウォーターやエネルギードリンクへの栄養添加はほとんどあるいは全く利益がない
・(EurekAlert)研究者がBPAとBPSはゼブラフィッシュの胚の脳の発達に影響することを発見