欧州がPFASの規制案を更新

No.18(2025.09.03)

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国立医薬品食品衛生研究所が集めた食品の安全性に関する国際機関や各国公的機関等の最新情報から。欧州化学品庁がPFAS規制案を更新し2026年に最終意見提出予定。欧州連合の司法裁判所は二酸化チタン発がん性分類を覆す判決を支持。FDAは食品中化学物質評価リストを拡充した。

注目記事

【ECHA】ECHAが更新されたPFAS規制案を公表/ECHAがPFAS規制に関する評価のスケジュールを発表

 欧州化学品庁(ECHA)は、EUの化学物質規制であるREACH規則のもとでのパーおよびポリフルオロアルキル化合物(PFAS)の規制案の更新版を公表した。これは2023年1月に最初の規制案を提出したデンマーク、ドイツ、オランダ、ノルウェー、スウェーデンの5カ国の当局により作成されたものであり、2023年3〜9月の意見募集で寄せられた5,600件を超える科学的・技術的な意見に関する評価を経て、収集された根拠をもとに規制案を更新し、「Background Document」と呼ばれる。

 更新版では、新たに8つのセクターを特定するとともに、一部のコントロール可能な用途について全面禁止や期限付き免除を伴う禁止に代わる規制オプションも検討されている。ECHAは2025年中に評価を終了し、その後に意見書案の作成と公開協議を経て、2026年中に最終的な意見書を欧州委員会へ提出する予定であると発表した。そのため、時間的な制限から、新たに特定された8セクターについては現在実施しているセクター別の評価は実施しないとしている。ECは、ECHAより提出される最終的な意見書とBackground Documentをもとに、EU域内での異なるPFASが使用されているセクター(当初の14セクターと追加の8セクター)において、どのような管理が最善であるかを検討することになる。

【BfR】欧州司法裁判所は二酸化チタンを「吸入するとおそらく発がん性がある」とする分類を覆すことを支持する

 欧州連合司法裁判所(CJEU/Court of Justice of the European Union)の司法裁判所(ECJ。Court of Justice)は、吸入可能な粒子(

【FDA】食品中の化学物質の市販後評価に関するFDAの最新情報

 米国食品医薬品局(FDA)は、現在FDAがレビュー中の特定化学物質のリスト(List of Select Chemicals in the Food Supply Under FDA Review)を更新し、食品に含まれる化学物質の市販後評価の状況についてより詳細な情報を提供した。この更新されたリストには、FDAがレビュー中の特定の食品成分(食品添加物および着色料を含む)、食品接触物質、汚染物質が含まれる。

 リストには、FDAによるDate Review Initiated(レビュー開始日)、Most Recent Risk Management Action(最新のリスク管理措置の実施日)、そして、該当する場合は一般からの意見提供のためのリンクが記載されている。新たに、ブチルヒドロキシアニソール(BHA)、ジブチルヒドロキシトルエン(BHT)、アゾジカルボンアミド(ADA)、FD&C青色1号、FD&C青色2号、FD&C緑色3号、FD&C赤色40号、FD&C黄色5号、FD&C黄色6号、ケシの種子に含まれるオピエートアルカロイドがリストへ追加されている(2025年8月19日時点)。

(注目記事のまとめ:安全情報部第三室)

目次

【WHO】

1. 出版物

【FAO】

1. 近代的な屋内農業:FAOの新しい報告書で浮き彫りになった機会と食品安全の課題

【EC】

1. 食品及び飼料に関する緊急警告システム(RASFF)

【ECHA】

1. ECHAが更新されたPFAS規制案を公表

2. ECHAがPFAS規制に関する評価のスケジュールを発表

【EFSA】

1. 欧州市民の鉛の食事ばく露量に関するEFSAの科学的報告書

2. ばく露マージンアプローチの使用と解釈に関する声明

3. 新しいゲノム技術で得られた植物とその製品に関する新しい科学的データの文献ホライズンスキャニング(2022年1月から2025年5月)

4. 食品及び飼料チェーンにおけるナノマテリアル及び微粒子/ナノ粒子を含む物質のリスク評価に関するワークショップ

5. 食品添加物関連

6. 食品酵素関連

7. 新規食品関連

8. 遺伝子組換え関連

9. 農薬関連

【FSA】

1. 英国におけるグレーマーケット商品に関する地方当局及び地区議会のガイダンスに関する協議

2. FSAは新興のリスクを予測し公衆衛生の保護に貢献するため、食品安全研究ネットワークへの支援を拡大する

【DHSC】

1. 赤ちゃんに人生の最高のスタートを与えるためのより健康的な新しい食品基準

【MHRA】

1. 表示されていない処方薬成分が含まれているため、特定のブランドの子供用マグネシウムグミの使用を中止するよう保護者に助言

【BfR】

1. 欧州司法裁判所は二酸化チタンを「吸入するとおそらく発がん性がある」とする分類を覆すことを支持する

2. PTFE焦げ付き防止コーティングした調理器具から有害健康影響は予想されない

3. 青年におけるエナジードリンクの慢性的な大量摂取は、初期は心臓機能低下と関係ない-EDKAR研究のデータを評価

【FDA】

1. 食品中の化学物質の市販後評価に関するFDAの最新情報

2. FDAは鉛が溶出する可能性のある輸入調理器具について警告を発する:2025年8月

3. FDAは、インドネシア企業から輸入された特定の冷凍エビの飲食、販売、提供を控えるよう助言する

4. 食品業界による石油由来食品着色料の廃止公約の追跡

5. フロリダ州における7-OHオピオイド製品の規制に関するFDAのMakary長官の声明

6. 着色料認証に関する報告:2025会計年度第3四半期、4月1日-6月30日

7. GRAS申請通知

8. 公示

9. 警告文書

10. リコール情報

【EPA】

1. 新たなデータにより米国経済の好調と化学物質排出量の減少が明らかになる

2. EPAは農家が推奨される生態学的農薬低減措置を実施できるよう支援する新しいモバイルツールを発表する

3. EPAは包括的なガイダンス文書ウェブサイトの再開を発表する

4. 絶滅危惧種を農薬から守るための低減措置に関するEPAのウェビナー開催

【CFIA】

1. 特定の食品中の食品着色料(2023年4月1日から2024年3月31日)

2. 選択された食品中のフラン、2-メチルフラン及び3-メチルフラン(2023年4月1日から2024年3月31日)

3. 特定の食品中の有害金属(2022年4月1日から2023年3月31日)

4. 意見募集:乳成分及び加工乳成分に関するCommon Names for Ingredients and Components文書の改訂案

【FSANZ】

1. 食品基準通知

【APVMA】

1. フェニトロチオンの再検討に関する最終的な規制決定

【TGA】

1. リコール情報

【MPI】

1. Bay of Plenty(Whakatane〜Mount Maunganui)の貝類バイオトキシン警告

2. リコール情報

【香港政府ニュース】

1. 食品医薬品(組成及び表示)(改正)規則2025が来年4月1日に発効する

2. プレスリリース

3. 違反情報

4. リコール情報

【MFDS】

1. 日本産輸入食品の放射能検査の結果

2. 食薬処、HACCP導入30年の成果を基盤として国際水準の「グローバルHACCP」への跳躍!

3. 食薬処、オーダーメイド型健康機能食品制度の運営状況を実態調査

4. 回収措置

食品安全情報
http://www.nihs.go.jp/dsi/food-info/foodinfonews/index.html
食品安全情報(化学物質)No.18(2025.09.03)
https://www.nihs.go.jp/dsi/food-info/foodinfonews/2025/foodinfo202518c.pdf