米国「コストコ」の牛赤身がO157汚染の可能性で回収

国立医薬品食品衛生研究所は、食品安全情報(微生物)No.22(2013.10.30)を発表した。

注目記事

【USDA FSIS】「コストコ」の牛赤身がO157汚染の可能性で回収

 米国農務省食品安全検査局(USDA FSIS)は、コストコ社の1店舗(ミネソタ州Coon Rapids)が大腸菌O157:H7汚染の可能性がある生鮮牛赤身挽肉製品を回収していると発表した。回収対象製品は赤身88%の生鮮牛挽肉383ユニットで、コストコ社のラベルの下部に品目番号33724が記載されている。同製品は2013年9月4~7日に当該店舗で販売された。

 同製品は、コストコ社の施設(カリフォルニア州Tracy)由来の雄牛肉と細挽き牛肉、および当該店舗で加工された切り落とし肉を使用して調製された。この切り落とし肉の原材料のステーキ肉やロースト肉は、連邦政府検査済みの16カ所の施設から供給された可能性がある。

【USDA FSIS】「コストコ」鶏肉製品のサルモネラ汚染続報

 米国農務省食品安全検査局(USDA FSIS)は、「コストコ」El Camino Real店(カリフォルニア州サウスサンフランシスコ)がサルモネラ(Salmonella Heidelberg)汚染の可能性がある鶏肉あぶり焼き製品1万4093ユニットを追加回収していると発表した。10月12日に発表された同製品9043ユニットの回収に追加されるもの。

・「Kirkland Signature Foster Farms」ブランドの鶏肉あぶり焼き13,455ユニット
・「Kirkland Farm」ブランドの鶏肉あぶり焼きのスープ、同レッグクォーター(骨付もも肉)および同サラダ計638ユニット

 これらの製品は、2013年9月24日~10月15日に「コストコ」の上記店舗で販売された。

 回収対象として今回追加された製品に関連した患者は現時点では報告されていない。

 米国疾病予防管理センター(US CDC: Centers for Disease Control and Prevention)によると、2013年10月17日時点で、サルモネラ(Salmonella Heidelberg)の7種類のアウトブレイク株の感染患者が米国20州およびプエルトリコから計338人報告されている。患者の75%がカリフォルニア州からの報告。前回(2013年10月11日)の更新以降に報告された新規患者は、アリゾナ(1人)、カリフォルニア(20人)、およびオレゴン(1人)の3州からの計22人。

 カリフォルニア州および地域の保健当局は、同州で報告された患者252人のうち少なくとも25人が1つのクラスターに属していることを特定した。これらの患者は、発症前1週間に「コストコ」の1店舗(同州South San Francisco)で購入した食品を喫食していた。患者への聞き取り調査を行った結果、同店舗内で販売された加熱済み鶏肉あぶり焼き(rotisserie chicken)の喫食と疾患との関連が特定された。

食品安全情報(微生物)No.21(2013.10.16)サルモネラで「コストコ」が鶏肉製品を回収参照。

【PHAC】カナダのチーズでO157

 カナダ公衆衛生局(PHAC: Public Health Agency of Canada)は、保健・食品安全関連機関とともに、27人の確定患者が発生している大腸菌O157:H7アウトブレイクを調査している。患者は7月中旬~9月下旬に発症している。

 感染源は、Gort’s Gouda Cheese Farm社(ブリティッシュコロンビア州Salmon Arm)が製造したチーズの一部。

 カナダ食品検査庁(CFIA)は健康危害警報を発し、消費者に当該製品を喫食しないよう注意喚起を行っている。現時点では、広範囲のカナダの消費者にリスクがあることを示すエビデンスはない。

(注目記事のまとめ:FoodWatchJapan編集部)

食品安全情報へのリンク

食品安全情報
http://www.nihs.go.jp/dsi/food-info/foodinfonews/index.html

食品安全情報(微生物)No.22(2013.10.30)
http://www.nihs.go.jp/dsi/food-info/foodinfonews/2013/foodinfo201322m.pdf

今号の目次

【世界保健機関(WHO)】
1. メキシコのコレラの状況(2013年10月28日付更新情報)

【汎アメリカ保健機構(PAHO)】
1. コレラの流行に関する更新情報(2013年10月19日付)

【米国農務省食品安全検査局(USDA FSIS)】
1. カリフォルニア州の店舗がサルモネラ(Salmonella Heidelberg)汚染の可能性がある鶏肉あぶり焼き製品を回収(2013年10月17日付更新情報)
2. Foster Farms社の3施設で製造された鶏肉製品に関連して発生したサルモネラアウトブレイクに関するQ&A
3. ミネソタ州の会社が大腸菌O157:H7汚染の可能性がある牛ひき肉製品を回収

【米国疾病予防管理センター(US CDC)】
1. Foster Farmsブランドの鶏肉製品に関連して複数州にわたり発生している多剤耐性サルモネラ(Salmonella Heidelberg)感染アウトブレイク(2013年10月18日付更新情報)
2. 米国で発生したサイクロスポラ症アウトブレイク(2013年10月23日付更新情報)
3. 全国アウトブレイク報告システム(米国)による急性胃腸炎のサーベイランス

【カナダ公衆衛生局(PHAC)】
1. 公衆衛生通知:Gort’s Gouda Cheese Farm社製の一部のチーズに関連して発生している大腸菌O157:H7アウトブレイク(2013年10月28日付更新情報)

【欧州食品安全機関(EFSA)】
1. ノルウェーの牛海綿状脳症(BSE)年間モニタリングプログラム改定案の科学的評価(更新版)

【欧州委員会健康・消費者保護総局(EC DG-SANCO)】
1. 食品および飼料に関する早期警告システム(RASFF:Rapid Alert System for Food and Feed)

【英国食品基準庁(UK FSA)】
1. 主任研究者の年次報告書2012/13

【ProMed mail】
1. コレラ、下痢、赤痢最新情報