リスク管理の重点に集中する

No.05(2024.03.06)

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国立医薬品食品衛生研究所が集めた食品の安全性に関する国際機関や各国公的機関等の最新情報から。WHOは食品安全上の新興問題の早期警告システムについて報告書を発表した。英国食品基準庁は食品安全リスクの監視に役立つ調査結果を発表した。米国FDAはゲノム編集食品の市販前報告に関するガイダンスを発表した。FDAはまた、シナモンアップルソースパウチから鉛とクロムが検出された問題について原因を発表した。

注目記事

【WHO】出版物:食品安全上の新興問題の早期警告ツールとシステム

 最近の早期警告システムの開発は、食品安全上の問題について事後対応ではなく事前にリスクを予測するという予防的な対応への移行を反映している。本報告書は、利用可能な革新的デジタルツールについての認識を高め、それらを食品安全の早期警告に活用できるよう支援するための技術的な背景情報を提供する。

※ポイント:食品の各種ハザードによる被害防止やリスク低減のためには、当然、可能な限り迅速に問題を把握することが重要です。本報告書は、食品安全に関わる問題の特定と解析に利用するデジタルツールへの人工知能と機械学習の活用の可能性や、現在利用できるオープンアクセスツールなどを記しています。

【別添 FSA】FSAは食品検査の継続に向けた新しい的を絞ったアプローチとして最新の小売サーベイランスを発表

 英国食品基準庁(FSA)は、新しい食品安全リスクの監視に役立つ年次調査の結果を発表した。これは、市場に流通する食品についてどこにリスクが存在するのか、そして何をサンプリングすべきなのかを知ることに特別に焦点を絞った調査である。調査で得られた情報を元に、FSAの知識の向上を図る。そして地方当局がリスクのある食品や課題へ直接リソースを注ぐことが出来るようになるとともに、検査で不適合が確認された場合には速やかにフォローアップ調査と適切な是正措置を講じることが可能となる。

※ポイント:リソースが限られる中で、食品のリスク管理を適切かつ効率的に実施できるようにすることを目的とした調査です。国民がよく消費している食品や規格基準が策定されている食品などについて、食物アレルゲン、真正性、汚染物質、組成、表示に関する問題などを丁寧に調査しています。

【FDA】FDAは、ゲノム編集を用いて生産された植物に由来する食品の自主的な市販前報告に関するガイダンスを発表

 米国食品医薬品局(FDA)は、企業がゲノム編集植物に由来する食品を販売する前にFDAと自主的に関わるための手続きについて業界向けガイダンスを発表した。手続きとして、新しい食品に想定されるリスクに応じて自主的な市販前協議(voluntary premarket consultations)と自主的な市販前会議(voluntary premarket meetings)の2つを推奨している。

【FDA】高濃度の鉛およびクロムの調査:シナモンアップルソースパウチ

 米国においてシナモンアップルソースパウチから高濃度の鉛とクロムが検出された問題について、米国FDAは、原料に使用されたエクアドルAustrofoods社製のシナモンへのクロム酸鉛の混入が原因であったと発表した。FDAは、スパイスの重量を増やし、色を濃くして金銭的価値を高めるという経済的な動機による違法混入の可能性を指摘している。

(安全情報部第三室)

食品安全情報へのリンク

食品安全情報
http://www.nihs.go.jp/dsi/food-info/foodinfonews/index.html
食品安全情報(化学物質)No.05(2024.03.06)
https://www.nihs.go.jp/dsi/food-info/foodinfonews/2024/foodinfo202405c.pdf
食品安全情報(化学物質)No.05(2024.03.06)別添
https://www.nihs.go.jp/dsi/food-info/foodinfonews/2024/foodinfo202405ca.pdf

今号の目次

【WHO】
1. 出版物
2. Codex

【EC】
1. 食品及び飼料に関する緊急警告システム(RASFF)

【CURIA】
1. プレスリリース

【FSA】
1. ミラクルミネラル溶液と亜塩素酸ナトリウム溶液
2. FSA は機械的分離肉(MSM:Mechanically Separated Meat)に関する協議を開始

【FSS】
1. 食品犯罪防止戦略計画2024-27
2. スコットランドの食環境において健康を優先するために必要な行動

【FSAI】
1. FSAI 戦略2025-2029に関する利害関係者との協議

【BfR】
1. トラはハザードだが必ずしもリスクではない理由-リスクとハザードの違い
2. 緊急要請:遺伝毒性物質のリスク評価の新戦略

【RIVM】
1. オランダにおけるサプリメント使用に関する助言遵守. 第一段階:次のステップの基本として、入手可能な知見と助言の概要収集

【CAFIA】
1. CAFIA はブルチャークの昨年の検査結果を公表する
2. 検査したレストランの4分の1が、提供する食事の情報について消費者に誤解を与えていた

【FDA】
1. 消費者向け情報
2. FDA がダイエタリーサプリメントとして販売される製品に使用される成分の新しい要覧(目録)を開始
3. FDA は、ゲノム編集を用いて生産された植物に由来する食品の自主的な市販前報告に関するガイダンスを発表
4. 高濃度の鉛及びクロムの調査:シナモンアップルソースパウチ(2023年11月)
5. FDA と業界の行動が米国の食品包装に使用される PFAS の販売を終了させる
6. 社会行動科学研究(食品)
7. 国立毒性研究センター(NCTR)年次報告書
8. プレスリリース
9. リコール情報

【EPA】
1. EPA、住宅・都市開発省(HUD)、保健福祉省(HHS)は鉛暴露リスクに対応するより頑健な協力のために省庁間誓約を発表

【CDC】
1. シナモンアップルソースパウチ製品に関連した鉛中毒の発生

【USDA】
1. APHIS は規制状態レビュー対応を発表
2. MF Meats は非食品グレード物質汚染により生肉製品をリコール
3. USDA は遺伝子組換えを用いて開発したトウモロコシの規制解除申請に意見募集

【NIH】
1. ファクトシート

【FSANZ】
1. 食品基準通知

【APVMA】
1. ネオマイシンの規制上の決定案

【香港政府ニュース】
1. ニュースレター
2. CFS はスーダン染料を含む疑いのある包装済み輸入ポークジャーキー製品を消費しないよう国民に注意を呼びかける
3. 違反情報
4. リコール情報

【MFDS】
1.日本産輸入食品の放射能検査の結果
2. 非食用輸入冷凍イワシを食用と偽って販売した水産物流通業者を摘発
3. 旧正月用食品の一斉点検の結果、違反業者122カ所を摘発・措置
4. 糖類加工品を健康機能食品のように誤認させる不当広告など138件を摘発・措置

【SFA】
1. 業界、消費者、政府が結束するトータル・ディフェンスの一環としてシンガポールの食料安全保障の強化

別添
【FSA】FSA は食品検査の継続に向けた新しい的を絞ったアプローチとして最新の小売サーベイランスを発表