紫外線照射器に危険な製品あり

No.17(2022.08.17)

(写真はイメージです)

国立医薬品食品衛生研究所が集めた食品の安全性に関する国際機関や各国公的機関等の最新情報から。カナダ食品検査庁(CFIA)は「子供の食品プロジェクト」2020年次報告書を発表した。米国FDAは特定のブランドの紫外線照射器が数秒の使用で皮膚や目を傷つける可能性があると警告している。国連食糧農業機関(FAO)は食品管理の電子通知システムの設計と導入に関する技術的ガイダンスを公表した。

注目記事

【CFIA】子供の食品プロジェクト:2020年次報告書

 カナダ食品検査庁(CFIA)は、乳児や子供による消費量の多い食品中の残留物質(農薬、動物用医薬品、汚染物質)を監視するための「子供の食品プロジェクト」の2020年次報告書を発表した。乳児と子供は、体重の軽さ、発達や成長、消費パターンなどから、それらの残留物質への暴露によるリスクがより高い可能性がある。今回検査したいずれのサンプルも健康リスクにはならないと判断された。

※ポイント:カナダは2003年からこのプロジェクトを定期的に実施しています。欧州食品安全機関(EFSA)も以前から対象年齢を細かく区切った上でデータ収集や暴露評価を行っているほか、米国食品医薬品局(FDA)も「よりゼロに近づける」計画の影響から、とくに小さい子供における残留物質への暴露によるリスク評価が進められており、これまで以上に子供への影響に注目が集まっているように感じています。

【FDA】安全でないレベルの放射線を出す紫外線(UV)ワンドを使用しないこと:FDA安全性コミュニケーション

 米国FDAは、特定のブランドの紫外線(UV)ワンド(照射器)について、使用者または近くにいる人が安全でないレベルの紫外線(UV-C)に暴露され、数秒の使用で皮膚や目を傷つける可能性があるとして、消毒には使用しないよう警告している。

※ポイント:食品関連ではないのですが、国内でもコロナ禍の影響によりUV照射の製品(ランプ)の誤った使い方などによる被害が問題になっているので注意喚起として紹介しました。

【FAO】食品管理のための電子通知システムの導入に関する技術的ガイダンス

 世界的な食品サプライチェーンの複雑さと農産品貿易の重要性の高まりを受けて、国連食糧農業機関(FAO)は、国のニーズとリソースに合わせた食品管理の電子通知システムの設計と導入に関する技術的ガイダンスを公表した。電子通知システムに必要な法的枠組み、構造、運用パラメータ、インフラストラクチャ、人材の要件について記している。ガイダンスでは、データトレーサビリティの必要性と、必要に応じて国際的に情報交換できるようにするフォーマットの重要性を強調している。

※ポイント:EU、チリ、カナダおよび日本(輸入食品監視)の現行システムの評価をもとにして作成されたガイダンスです。そのうち緊急時にも対応可能なEUの食品および飼料に関する緊急警告システム(RASFF)がとくに参考にされています。付属文書に電子通知システムについて考慮すべきことのチェックリストも提供しているので、日本の現行システムの見直しに役立つでしょう。

(安全情報部第三室)

食品安全情報へのリンク

食品安全情報
http://www.nihs.go.jp/dsi/food-info/foodinfonews/index.html
食品安全情報(化学物質)No.17(2022.08.17)
http://www.nihs.go.jp/dsi/food-info/foodinfonews/2022/foodinfo202217c.pdf

今号の目次

【WHO】
1. 国際がん研究機関(IARC)

【FAO】
1. 食品と農業貿易の地理
2. Codex

【EC】
1. 健康と食品査察と解析-2022年7月から12月の計画発表
2. 査察報告書
3. 食品及び飼料に関する緊急警告システム(RASFF)

【EFSA】
1. 次世代のシステムに基づく環境リスク評価のための欧州パートナーシップ(PERA)の構築
2. 農薬関連
3. 新規食品関連
4. 飼料添加物関連
5. 食品接触物質関連
6. 食品酵素関連

【FSA】
1. 研究プロジェクト

【ASA】
1. 食品:抗酸化物質の強調表示(クレーム)

【BfR】
1. 食品中アルケニルベンゼン類:健康リスクはどのくらい大きい?

【ANSES】
1. 亜硝酸塩と硝酸塩への食事暴露の削減

【DGCCRF】
1. 繰り返すオリーブオイル偽装

【FSAI】
1. リコール情報

【DAFM】
1. 持続可能な水産業開発2030国家戦略にパブリックコメント募集

【FDA】
1. FDA は隠された医薬品有効成分で汚染されたハチミツベース製品を販売する4社に警告
2. 安全でないレベルの放射線を出す紫外線(UV)ワンドを使用しないこと:FDA 安全性コミュニケーション
3. FDA は特定の NAC 製品の執行裁量に関する最終ガイダンスを発表する
4. 国際食品保全学会2022(IAFP)年次大会における FDA 副長官 Frank Yiannas の発言
5. FDA は消費者、健康教育者、医療関係者向けに GMO に関する新しい教育資料「Feed
Your Mind」を発表
6. FDA が認定する食品分析試験所認定(LAAF)プログラムの認定機関について
7. FDA は2020会計年度残留農薬モニタリング報告書を公開
8. 公示
9. 警告文書
10. リコール情報

【USDA】
1. APHIS コアメッセージセットは野菜と果物の名称検証リストを発表

【NIH】
1. ODS 戦略計画に関する意見の募集

【CFIA】
1. 国家残留化学物質モニタリングプログラム(NCRMP)及び化学物質食品安全監視
(FSO)プログラム年次報告書2018-2019年
2. 子供の食品プロジェクト:2020年次報告書

【FSANZ】
1. 食品基準通知

【TGA】
1. TGA 事業計画2022-23

【香港政府ニュース】
1. プレスリリース
2. 違反情報
3. リコール情報

【MFDS】
1.日本産輸入食品の放射能検査の結果
2. 生産段階農産物の残留農薬管理のために農薬20種の基準新設
3. コーラ異臭製品の検査結果を発表
4. アフラトキシンが超過検出された「テンジャン(韓国味噌)」の回収措置
5. 食薬処、輸出支援のために主要国の食品安全規制情報を提供
6. 食品用器具に再生原料の使用が可能になります

【SFA】
1. デジタルに移行する:食品ライセンスの取得がより速く
2. リコール情報

【FSSAI】
1. プレスリリース:2022年8月1日から、全国で食用油(構成成分として単一の油)の異物混入、トランス脂肪酸、複数由来食用のチェックキャンペーン

【その他】
・ProMED-mail1件