米国のBSE「無視できる」に格上げへ

国立医薬品食品衛生研究所は、食品安全情報(微生物)No.05(2013.03.06)を発表した。

注目記事

【USDA】国際獣疫事務局が米国のBSEリスクのステータスの格上げを推奨

 国際獣疫事務局(OIE)の科学委員会が、米国の牛海綿状脳症(BSE)リスク分類を「無視できるリスク」に格上げするよう推奨したとの通知を受け、米国農務省(USDA)のVilsack長官がその決定を歓迎する声明を発表した。

 OIEは、BSEリスク管理のために各国が講じてきた対策に基づいてそれぞれのリスクステータスを決定している。

「無視できるリスク」は、OIEコードのもとでリスクが最も小さいレベルである。このリスクレベルに認定された国は、BSEリスクが最小であることを証明するために、国内のウシに対して、強化サーベイランスと検査を実施している。

【PHAC】冷凍ビーフバーガーのO157:H7感染患者

 カナダ公衆衛生局(PHAC: Public Health Agency of Canada)の報告。冷凍ビーフバーガーの喫食に関連してカナダ国内で大腸菌O157:H7感染アウトブレイクが発生しており、継続的なモニタリングとサーベイランス活動が行われている。

 2013年1月25日以降、新たにマニトバ、サスカチュワンおよびオンタリオの各州で患者が1人ずつ確認され、本アウトブレイクの患者数は計8人(オンタリオ4、アルバータ2、マニトバ1、サスカチュワン1)となった。これらの患者は2012年12月下旬~2013年2月中旬に発症した。全員がすでに回復したか、現在回復中である。

 最新の患者3人は、回収対象製品である冷凍ビーフバーガー(Gourmet Meat Shoppe Big and Juicy Burger)に関連していた。

【FSAI】大腸菌O157に汚染されたゴーダハーブチーズ

 アイルランド食品安全局(FSAI:Food Safety Authority of Ireland)は、Kilshanny Farmhouse Cheese社製のゴーダハーブチーズの1バッチから大腸菌O157が検出されたとして注意喚起を行った(2月27日付情報)。

 当該バッチの製造日は2012年9月19日である。本製品は、Limerick州のMilk Marketの屋台1カ所およびClare州の小売店1カ所で販売された。同社はアイルランド農業・食糧・水産省(DAFM)の指示に従い、その後のすべてのバッチの出荷を保留している。

(注目記事のまとめ:FoodWatchJapan編集部)

食品安全情報へのリンク

食品安全情報
http://www.nihs.go.jp/dsi/food-info/foodinfonews/index.html

食品安全情報(微生物)No.05(2013.03.06)
http://www.nihs.go.jp/dsi/food-info/foodinfonews/2013/foodinfo201305m.pdf

今号の目次

【米国農務省(USDA)】
1. 米国農務省(USDA)長官の声明:国際獣疫事務局(OIE)が米国の牛海綿状脳症(BSE)リスクのステータスの格上げを推奨

【米国疾病予防管理センター(US CDC)】
1. 小型のカメに関連して複数州にわたって発生している8件のサルモネラ感染アウトブレイク(2013年2月15日付更新情報)
2. 小規模飼育(Backyard Flock)の生きた家禽類に関連して複数州にわたり発生した多数のサルモネラ感染アウトブレイク

【カナダ公衆衛生局(PHAC)】
1. 公衆衛生通知:冷凍ビーフバーガーの喫食に関連した大腸菌O157:H7感染患者(2013年2月27、22日付更新情報)

【欧州疾病予防管理センター(ECDC)】
1. 欧州連合内の複数国にわたって発生しているサルモネラ(Salmonella Stanley)感染アウトブレイク(2013年1月30日付更新情報)

【欧州委員会健康・消費者保護総局(EC DG-SANCO)】
1. 食品および飼料に関する早期警告システム(RASFF:Rapid Alert System for Food and Feed)

【英国健康保護庁(UK HPA)】
1. 2007~2011年のロンドンでのサルモネラ感染症の流行傾向

【アイルランド食品安全局(FSAI)】
1. 大腸菌O157に汚染されたゴーダハーブチーズに関する注意喚起(初発情報および更新情報)

【アイルランド保健サーベイランスセンター(HPSC Ireland)】
1. ノロウイルスの流行の最近の傾向
2. 溶血性尿毒症症候群(HUS)