ホットペッパーグルメ外食総研による外食市場調査※の2021年3月度調査結果では、外食市場規模は1,788億円で前年同月比−380億円(82.4%)であった。
2月から改善するも各指標とも調査開始以来最低値
2021年3月の外食市場規模は、3圏域合計で1,788億円。前年同月比(以下、前年比)は−380億円。2回目の緊急事態宣言が解除されたことと、前年実績もコロナ禍の影響を受けた実績であることから市場規模の前年比は82.4%で、前月の同44.5%から37.9ポイント大幅に回復した。ただし、コロナ禍の影響がまだなかった2019年3月比では48.7%と、いまだ平時の半分程度の外食市場規模であるとも言える。
外食実施率(56.1%、前月48.3%)、頻度(3.31回/月、前月3.17回/月)、単価(2,360円、前月2,184円)の3指標は、2月からは大きく回復したが、3月の数値としてはいずれの指標も2013年の調査開始以来最低値となっている。
圏域別の市場規模の前年比は、首都圏で79.0%(前月44.0%)、関西圏で85.1%(同43.7%)、東海圏で92.4%(同48.8%)。緊急事態宣言の解除が早かった東海圏と関西圏で前年比のマイナス幅がより縮小した。
前年が1回目の緊急事態宣言下であった来月4月の数字が、前年に比べてどの程度上回るのか下回るのかを注視したい。
2021年3月の外食実施率は56.1%
前月比増減+7.8pt、前年比増減−4.0pt。
2021年3月の外食頻度は3.31回/月
前月比増減+0.14回、前年比増減−0.36回。
2021年3月の外食単価は2,360円
前月比増減+176円、前年比増減−35円。
2021年3月の外食市場規模は1,788億円
前月比増減+426億円、前年比増減−380億円。
ファミレス・回転すしは売上げが前年同水準
業態別では、「居酒屋」(前年比増減−161億円)、「和食料理店」(同−53億円)、「中華料理店」(同−34億円)等主要16業態中15業態で前年を下回ったが、「ファミリーレストラン、回転すし等」では、市場規模が100.1%と前年同水準となっている。主要16業態中で市場規模の前年比が100%を上回ったのは、2020年3月以来初である。
食事主体業態・計が前年比87.7%(前月:52.9%)、飲酒主体業態・計が同66.9%(同:27.2%)、軽食主体業態・計が同71.0%(同:52.3%)と、引き続き飲酒主体業態に大きな影響が出ている。
主要16業態中で19年比でマイナス影響が少ないのは、「ファミリーレストラン、回転すし等」が69.0%、「焼肉、ステーキ、ハンバーグ等の専業店」が61.8%、「ラーメン、そば、うどん、パスタ、ピザ等の専業店」が60.5%などとなっている。
延べ外食回数が前年を上回った業態はまだなく、一方、単価については前年実績を上回った業態が「バー、バル、ワインバー、ビアホール、パブ」「ファミリーレストラン、回転すし等」「カラオケボックス」などの5業態であった。
前年比プラス業態
「ファミリーレストラン、回転すし等」
前年比±0の業態
なし
前年比マイナス業態
「和食料理店」「中華料理店」「レストラン、食堂、ダイニング、洋食店」「フレンチ・イタリアン料理店」「アジアン料理店」「焼肉、ステーキ、ハンバーグ等の専業店」「お好み焼き、鉄板焼き等の専業店」「すき焼き、しゃぶしゃぶ、鍋、おでん等の専業店」「ラーメン、そば、うどん、パスタ、ピザ等の専業店」「居酒屋」「バー、バル、ワインバー、ビアホール、パブ」「カラオケボックス」「スナック、ナイトクラブ、キャバレー」「ファストフード」「牛丼、カレー等一品もの専売業態」
ホットペッパーグルメ外食総研・外食市場調査
ホットペッパーグルメ外食総研・外食市場調査は、株式会社リクルート(東京都千代田区、北村吉弘社長)の外食に関する調査・研究機関「ホットペッパーグルメ外食総研」が行っている調査。毎月、首都圏・東海圏・関西圏の約9,000~1万人を対象に「外食市場調査」を実施している。
この「外食市場調査」では、圏域内の生活者による毎日の夕方以降の食事や飲酒について、外食と中食の内容(場所、相手、単価など)をヒアリングし、毎月の外食市場の動きを継続的に可視化している。3圏域限定で朝食・昼食は含まない市場調査ではあるが、飲食店などの事業所ヒアリングではなく、生活者に直接ヒアリングを行っていることから、性年代別や相手別の消費動向がわかり、外食している街や業種の情報が取得できていることが特徴。