うねやま研究室

英国におけるオーガニック・パニック

英国食品基準庁(FSA)は2009年7月29日、オーガニック(有機認証)食品の栄養価と健康影響についての科学的根拠を吟味したレビューを発表しました。通常農法による食品と比較して、オーガニック食品の栄養学的優位性は認められず、健康影響についても特に良い影響があるとは言えない、というのが結論でした。そして最も重要なことは、有機食品が優れていることを証明しようとして行われた数多くの研究のほとんどの質があ […]
読み書きバイオ

言葉のイメージに負けないために、遺伝子組換え作物をバイオテク作物と呼ぼう

2009年4月、国際アグリバイオ事業団(ISAAA)会長のClive James博士にお目にかかったとき、日本の関係者が、「遺伝子組換え作物・食品(GMO)」という言葉を使うたびに、「『バイオテク作物・食品』と呼ぶように」と正されていたことが印象深く残っている。私にとって「目からウロコ」ともいうべき出来事だったが、それは、「バイオテク作物という呼び方は、作物が様々な育種の手法を経て生まれており、組 […]
うねやま研究室

EFSAの食品の健康影響評価は厳しすぎるのか?

食品の栄養価や健康影響に関する情報は、世界中で消費者のニーズが高いものであると同時に、世界中で誤解を招くものや虚偽・誇大広告の類が問題になっているものでもあります。今回は、現在ヨーロッパで進行中の新しい表示規制の一部について、紹介してみようと思います。
Maryanskiのバイテクと食品安全考

バイテク表示:「消費者の知る権利」と多くの国は言う――なぜ米国は違うのか?/Biotech Labeling: A Consumer’s Right to Know? Many countries believe so. Why is the U.S. Different?

およそ30カ国が、消費者向けに販売される食品は現代バイオテクノロジーを用いて開発された作物が使用されていることを表示しなければならないと義務づけている(生産方法の表示)。そのほとんどの国では、この表示義務は食品が現代バイオテクノロジーを使って作られたものであると知りたいという消費者の要求に応える政府の義務(少なくとも必要なもの)として捉えられている。この種類の表示を支持する人々は、健康への懸念から […]
読み書きバイオ

遺伝子組換えの理解に関する研究が進んでいます

スーパーなどの店頭で「無添加、無農薬、非組換え」をセールスポイントにしている食品が並んでいます。これらを見るにつけ、食品添加物のお陰で腐敗から、農薬のお陰で寄生虫から、私達は解放されたのに……と思います。遺伝子組換え技術のお陰で、人口増加、耕作地減少、食料自給率39%(2006年)でも食料不足にならないで済んでいるのにと思います。食品添加物、農薬、遺伝子組換え技術の誕生の背景と現状(安全性評価など […]
うねやま研究室

新型インフルエンザの安心宣言から「安全・安心」を考える

日本国内では峠を越えた感のある新型インフルエンザ「騒動」ですが、オーストラリアなどでは感染は拡大中で、世界レベルではまだまだ終息したとは言えない状況です。このインフルエンザ騒動の中で、神戸市や兵庫県が「安心宣言」をしたと報じられました(「神戸 ひとまず安心宣言」「新型インフルエンザひょうご安心宣言」)。
うねやま研究室

FSAのカドミウムの週間耐容摂取量の引き下げで、どうする日本?

2009年3月20日、欧州食品安全機関(EFSA)の汚染物質に関する科学委員会(CONTAMパネル)が、カドミウムの週間耐容摂取量(TWI)をこれまでの暫定値7 μg/kg体重/週から2.5 μg/kg体重週に引き下げるという結論を発表しました。この引き下げは、これまでの値がカドミウムによるヒトへの腎障害を指標に設定されていたのに対して、新しい評価では腎臓の尿細管機能障害の指標とされる尿中β2ミク […]
Maryanskiのバイテクと食品安全考

バイテク作物の新しいたんぱく質に対するアレルギー反応の可能性評価――開発企業や規制当局には困難な課題/Assessing the Possibility of Allergic Reactions to New Proteins in Biotech Crops Poses a Difficult Challenge for Industry and Regulators

現代バイオテクノロジーは、植物育種家に多様な生物に由来する潜在的に有用な形質(遺伝子)を利用する道を開いた。遺伝子導入方法を用いて得られた経験から、遺伝子は新しい宿主において予想通りに機能するということが示されており、従って現代バイオ技術を用いることによって特有のリスクが生じることはない。ある遺伝子の発現産物は通常たんぱく質であり、バイテク食品中のそういった新しいたんぱく質の安全性は、安全性評価の […]
Maryanskiのバイテクと食品安全考

FDAに向けられたオバマ大統領の関心――米国食品行政は一本化されるのか?/The President’s Attention Shifts to FDA ? A Single Food Agency in the Future?

Barack Obama大統領は今年3月、米国食品医薬品局(FDA)新局長に元ニューヨーク市保健局長Margaret Hamburg氏を任命した。任命をするにあたっては、米国上院の承認を必要とする。その発表時に大統領は、ピーナッツバターのサルモネラ菌汚染問題やそのほかの食品由来の問題の発生を受けて、米国食品安全制度を「国民の健康に有害」と発言した。そして、食品安全制度改善に向け諮問委員会を設置し提 […]
うねやま研究室

英国の学校給食改善プログラムから学ぶ「食生活改善」

新年度になり、多くの学校や職場で新人や新入生を迎えたことと思います。真新しいランドセルを背負った1年生は初めての給食を経験し、社会人や大学生になって1人暮らしを始めた人たちの中には、初めての自炊生活の方もおられるでしょう。この時期は親や教師や周りの人たちが食生活について心配して、いろいろ言いたくなる時期でもあります。
Maryanskiのバイテクと食品安全考

未認可遺伝子組換え作物の微量混入――高くつく貿易問題に頭を抱える各国規制当局/Low Level Presence of Unauthorized Biotech Material in Bulk Shipments ? A Regulatory Headache and Expensive Trade Issue

米国から輸入されてくるトウモロコシの貨物に、日本ではまだ認可されていないバイテク(遺伝子組換え)トウモロコシの品種が時折、ごく微量混入していることが報告される。日本ではまだ未認可なので、その貨物は違法となる。あるケースにおいては(例えばB.t.10)、その問題となる品種は認可もされてなければ、市場導入も目的とされていないものだったりする。それ以外のケースは、規制上の要件を米国においてはすべて満たし […]
うねやま研究室

食の安全に関する世論調査、海外と日本で結果が違うのはなぜ?

英国食品基準庁(FSA)は2009年2月19日、消費者の食品への考え方についての追跡調査の最新結果「Quarterly public tracker -December 2008」(08年12月調査)を発表しました。この調査は、FSAが01年から年に4回以上の頻度で定期的に行っているもので、今回の調査結果とこれまでの推移が分かりやすいグラフでまとめて公表されました。
うねやま研究室

パブリックコメントは何のためにあるのか

2009年1月15日、米国食品医薬品局(FDA)が遺伝子組換え動物の規制に関する最終ガイドラインを発表(プレスリリース、詳細情報)しました。これは遺伝子組換え動物に由来する医薬品や食品の認可手続きに関するガイドラインで、これに従って企業は認可申請を行い、FDAが安全性などを評価して認可するという手続きを行うことになります。その評価結果は国民に公示され、国民もこれに対して意見(パブリックコメント)を […]
Maryanskiのバイテクと食品安全考

GRASとは何か――FDAはいかにしてGRASという考え方をバイテクにあてはめてきたか/What is GRAS? How has FDA Used the GRAS Concept for Biotechnology?

近頃、米国食品医薬品局(FDA)は、その食品部門のホームページにある通知を出した。それは、ある企業が一つの新しい甘味料に関して、食品に使用するに当たってその甘味料は「GRAS(generally recognized as safe)である。すなわち、一般に安全であると認められる」という結論に達したというものである。FDAはその通知の中で、その企業が「結論に達した」であるとかその企業は「FDAに通 […]
うねやま研究室

妊婦は大変!? 各国の妊娠中女性向け助言集。

2008年11月3日、英国食品基準庁(FSA)は妊娠女性にカフェイン摂取を制限するように助言を更新しました。FSAはそれまでカフェインの1日の最大摂取量を300mgにするよう助言していましたが、それをさらに引き下げて200mgに制限することで、リスクが減らせるという研究結果を発表したのです。カフェインをたくさん摂ると、赤ちゃんの生まれたときの体重が軽くなり、その後の健康に影響することや自然流産の可 […]