ローフード流行で豆生食を懸念

No.04(2026.02.18)

豆類(イメージ)

国立医薬品食品衛生研究所が集めた食品の安全性に関する国際機関や各国公的機関等の最新情報から。欧州当局は非加熱食を選択する者が増えていることを受けて、加熱不十分な豆類の健康影響評価を実施。また、同当局はカンナビジオール(CBD)の暫定安全摂取量を導出した。

注目記事

【EFSA】食品中のレクチン:十分に加熱調理されていない豆類は健康リスクをもたらすとEFSAは言う

 近年、生または最小限の加熱調理しか行わない植物性の食事を選択する消費者が増えている。そのため欧州食品安全機関(EFSA)は、十分に加熱調理されていない豆類を摂取した場合の、レクチンによる健康影響に関する評価を実施した。不十分な加熱調理によりレクチンの50%しか不活化されない状態で摂取するというシナリオでは、急性ばく露のばく露マージン(MOE)が100を下回り、健康への懸念が示された。

※ポイント:レクチンは、豆類など多くの植物に天然に存在する炭水化物結合性タンパク質です。生や加熱不十分な豆類を摂取すると、吐き気や嘔吐、腹痛、下痢といった消化器症状の食中毒を生じますが、レクチンはタンパク質なので十分に加熱調理すれば不活化(変性)して安全に食すことができます。国内でも2006年にテレビ番組で紹介された調理法(2〜3分煎って粉末にする)に従って調理した加熱不足の白インゲン豆の喫食による食中毒が全国で多数報告されました。豆類の加熱調理をはじめ昔から伝わる調理法は、先人の経験に基づいた安全に食べるための知恵であることを忘れないようにしましょう。

【EFSA】新規食品としてのカンナビジオールの暫定的な安全量

 EFSAは新規食品としてのカンナビジオール(CBD)のリスク評価を実施したが、安全性に関する入手可能な根拠が依然として不十分であることから、暫定安全摂取量として0.0275mg/kg体重/日(体重70kgの成人では約2mg/日)を導出した。この暫定安全摂取量は、ナノ粒子を含まず、生産工程が安全と見なされ、遺伝毒性がないと判断されたCBD純度98%以上のフードサプリメントにのみ適用される。25歳未満の人、妊婦及び授乳婦、薬を服用している人に対しては、CBDの安全性を確立できないと結論している。

※ポイント:EFSAは数年前からCBDのリスク評価に取り組んでいましたが、安全性に関する重大な情報・データの不足がありヒトへの安全性を立証できないと結論していました。今回の暫定安全摂取量は、OECD TG408及びGLPに準拠して実施された5件のラット亜慢性試験のデータをもとに、ベンチマークドーズモデリングを適用し、不確実性を考慮して導出されています。ただ現時点の暫定値であり、肝臓、消化管、内分泌系、神経系及び生殖系へ影響などに関するデータの不足を強調しています。

【FDA】FDAはヒト用食品プログラムの2026年の目標を公表する

 米国食品医薬品局(FDA)のヒト用食品プログラム(HFP)は、2026Priority Deliverables(優先措置)を公表した。

※ポイント: HFPの3本柱である食品化学物質の安全性、栄養、食品微生物の安全性のうち、前者2つを紹介しています。2024年11月に発表された2025年目標と比較すると、GRAS(一般的に安全と認められる)通知の義務化、石油由来の食品着色料から天然着色料への移行、添加カフェイン量の表示、グルテン含有原材料の表示、52種の食品識別規格の廃止などが、現政権になってから新たに追加されています。

(注目記事のまとめ:安全情報部第三室)

目次

【FAO】

1. 食料システムにおける薬剤耐性の隠れた促進要因を強調する

2. 環境阻害剤に関する食品安全ついての考察:ウェビナー概要報告書

【EC】

1. 食品及び飼料に関する緊急警告システム(RASFF)

【EFSA】

1. 食品中のレクチン:十分に加熱調理されていない豆類は健康リスクをもたらすとEFSAは言う

2. 新規食品としてのカンナビジオールの暫定的な安全量

3. 殺虫剤及び殺ダニ剤の緊急認可の評価のためのプロトコル

4. 海洋養殖において飼料を介して化学物質が散布される場合の海底堆積物に含まれる化学物質の環境中濃度を予測するためのモデル開発:タスク1.3.パイロットモデルの定式化及び実装

5. パブリックコメント募集を補完する代替関与形式のパイロット

6. 食品添加物関連

7. 食品酵素関連

8. 新規食品関連

9. 遺伝子組換え関連

10. 食品接触物質関連

11. 農薬関連

【FSA】

1. 食品警告更新1:Hershey社が製造したJolly Rancher製品を購入した消費者と購入・

販売した食品事業者向け

2. 食品過敏症の人々を市民科学に参加させる-「Citizen Science for Food Standards Challenges」資金募集の一環

3. 消費者調査(2025年10月〜2025年12月)

4. 規制製品安全性評価

5. 2026年1月の伝統食品の市場認可に関する協議

【FSS】

1. ブログHFSS広告規制:スコットランドにとって前向きな一歩だが、全体像はまだ不明

【DEFRA】

1. 「永遠の化学物質」に取り組む英国初の計画

【COT】

1. COT会合:2026年2月3日

【BfR】

1. 植物保護製品の認可方法

2. 食品の安全性に焦点を当てる:研究者が狩猟用ライフル銃弾の標準検査手順を策定シンポジウム「野生狩猟動物の研究」で研究結果と経験を示す

3. PFASとは一体何なのか? BfRは、ポッドキャスト、動画、グラフィックなどの新しい形式で「永遠の化学物質」に関する情報を提供している

【VKM】

1. 評価:ノルウェーとEUにおけるビタミン及びミネラルの摂取量

【FDA】

1. FDAはヒト用食品プログラムの2026年度の目標を公表する

2. FDA ImportShieldプログラムは米国入国港におけるFDAの監視強化に目覚ましい成果をあげている

3. FDAは食品中のグルテン含有原材料情報開示を改善するために措置を講ずる

4. Umaryには表示されない医薬品成分が含まれている

5. 魚介類に関連する毒素及びスコンブロトキシンによる魚中毒の報告方法

6. 特別な年、新しい紋章、そして米国国民への新たなコミットメント

7. GRAS申請通知

8. 警告文書

9. リコール情報

【EPA】

1. EPAは予防的勧告策定に向けた情報提供を目的として、フッ化物のゴールドスタンダードレビューの次のステップを発表する

2. EPAは、今後2年間のワタとダイズの栽培シーズンにおけるジカンバの上からの散布に対し、EPA史上最も強力な保護措置を実施する

【FSANZ】

1. 食品基準通知

2. リコール情報

【TGA】

1. Black Salve製品の違法な販売と広告により有罪判決

2. Booty N Buff Nutrition社にスポーツサプリメントの違法な広告の疑いで侵害通知を発出する

【香港政府ニュース】

1. ニュースレター

2. プレスリリース

3. 違反情報

4. リコール情報

【MFDS】

1. 日本産輸入食品の放射能検査の結果

2. ウコン抽出物など健康機能食品の機能性原料9種の再評価を実施

3. 食薬処-産業部、K-Food安全認証負担緩和に協力

4. 回収措置

【SFA】

1. 食品安全及び安全保障法

2. アフラトキシンに注目:フードサプライにおけるアフラトキシン汚染の管理

3. 食品製造業者及び食品サービス事業者に販売される輸入殻付き卵の固有識別コードの表示の変更

4. Forum Replies:近隣の食品店の販売業者は既存の規則を守る必要がある

食品安全情報
http://www.nihs.go.jp/dsi/food-info/foodinfonews/index.html
食品安全情報(化学物質)No.04(2026.02.18)
https://www.nihs.go.jp/dsi/food-info/foodinfonews/2026/foodinfo202604c.pdf