3月は過去最高の伸びを記録

ホットペッパーグルメ外食総研による外食市場調査の2018年3月度調査結果では、外食市場規模は10カ月連続で前年超えとなった。また、市場規模は当調査の3月としては過去最高を記録した。

2018年3月度の外食市場は前年比+392億円、過去最高の伸び額

 2018年3月の外食市場規模は、3圏域合計で3,757億円。3月としては調査開始以来、過去最高の市場規模であった。前年同月比(以下、前年比)は+392億円と、10カ月連続して前年を上回った。外食実施率・頻度・単価の3指標が2か月ぶりにそろって昨年を上回った。

 とくに外食実施率(78.4%、前年比+2.5ポイント)、頻度(4.37回/月、前年比+0.24回/月)、市場規模(3,757億円、前年比+392億円)の上げ幅は、前年比のある2013年10月以降では最大となっている。

 2018年3月は前年と比べると土曜日が1日多いカレンダーだったことや全国的に好天に恵まれたことに加え、桜の開花時期が早まり、花見客による飲食も前倒しになったことなども好影響だったと思われる。

 圏域別には、全3圏域で前年比プラスを記録したが、とくに首都圏で外食実施率(78.6%、前年比+3.3ポイント)が過去最高の上げ幅だったこともあり、市場規模が前年比+262億円とこちらも過去最高の伸び幅を記録した。

2018年3月の外食実施率は78.4%

前月比増減+4.6pt、前年比増減+2.5pt。

外食実施率(2018年3月)

2018年3月の外食頻度は4.37回/月

前月比増減+0.36回、前年比増減+0.24回。

外食頻度(2018年3月)

2018年3月の外食単価は2,654円

前月比増減+27円、前年比増減+61円。

外食単価(2018年3月)

2018年3月の外食市場規模は3,757億円

前月比増減+542億円、前年比増減+392億円。

外食市場規模(2018年3月)

延べ外食回数は主要全業態で前年比プラス

 業態別では、主要16業態中、「スナック、ナイトクラブ、キャバレー」を除く15業態の市場規模が前年比プラスで、とくに「和食料理店」(前年比+76億円)、「焼肉、ステーキ、ハンバーグ等の専業店」(前年比+63億円)、「居酒屋」(前年比+52億円)などが前年比増加額の多い業態となっている。「焼肉、ステーキ、ハンバーグ等の専業店」は13カ月連続して市場規模の前年比プラスが続いている。次いで「和食料理店」「すき焼き、しゃぶしゃぶ、鍋、おでん等の専業店」もそれぞれ10カ月連続で市場規模が前年比プラスとなっている。

 また、今回延べ外食回数と単価の両方が前年比プラスの業態は主要16業態中12業態にのぼり、「その他各国料理店」「ファミリーレストラン、回転寿司」「居酒屋」「スナック、ナイトクラブ、キャバレー」で単価がマイナスだった以外は、延べ外食回数と単価がすべて前年比プラスと記録的な好調さであった。

前年比プラス業態

「和食料理店」「中華料理店」「レストラン、食堂、ダイニング、洋食店」「フレンチ・イタリアン料理店」「アジアン料理店」「その他各国料理店」「焼肉、ステーキ、ハンバーグ等の専業店」「お好み焼き、鉄板焼き等の専業店」「すき焼き、しゃぶしゃぶ、鍋、おでん等の専業店」「ファミリーレストラン、回転寿司」「居酒屋」「バー、バル、ワインバー、ビアホール、パブ」「カラオケボックス」「ファストフード」「牛丼、カレー等一品もの専売業態」

前年比±0の業態

なし

前年比マイナス業態

「スナック、ナイトクラブ、キャバレー」

※ホットペッパーグルメ外食総研「外食市場調査」(2018年3月度)
https://www.hotpepper.jp/ggs/research/article/marketing/201803

ホットペッパーグルメ外食総研・外食市場調査

 ホットペッパーグルメ外食総研・外食市場調査は、リクルートライフスタイル(東京都千代田区、淺野健社長)の外食に関する調査・研究機関「ホットペッパーグルメ外食総研」が行っている調査。毎月、首都圏・東海圏・関西圏の約1万人を対象に「外食市場調査」を実施している。

 この「外食市場調査」では、圏域内の生活者による毎日の夕方以降の食事や飲酒について、外食と中食の内容(場所、相手、単価など)をヒアリングし、毎月の外食市場の動きを継続的に可視化している。3圏域限定で朝食・昼食は含まない市場調査ではあるが、飲食店などの事業所ヒアリングではなく、生活者に直接ヒアリングを行っていることから、性年代別や相手別の消費動向がわかり、外食している街や業種の情報が取得できていることが特徴。

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About 稲垣昌宏 56 Articles
ホットペッパーグルメ外食総研上席研究員 いながき・まさひろ 市場調査をメインに消費者動向から外食市場動向を分析・予測。また、観光に関する調査・研究、地域振興機関である「じゃらんリサーチセンター」研究員も兼務し、「食」と「観光」をテーマに各種委員会活動や講演などを行っている。肉より魚を好む、自称「魚食系男子」。