すべての業態が客数前年割れ

日本フードサービス協会(JF)は外食産業市場動向調査の2020年年間結果を発表した。全体(事業社数214、店舗数37,648店=98.2%)合計の売上高は84.9%と2桁の縮小。客単価は上昇し、客数は82.2%と2桁の大幅減。

 年間平均ですべての業態で客数が前年を割り込み、売上高も洋風ファストフードサービス(前年比105.5%)を除くすべての業態で前年を割り込むという異常事態となった。

 客数減少幅を10%未満に抑えられたのは、洋風ファストフード(91.0%)、持ち帰り米飯/回転寿司ファストフード(91.2%)、和風ファストフード(91.8%)。売上高減少幅を10%未満に抑えられたのは、持ち帰り米飯/回転寿司ファストフード(93.7%)、和風ファストフード(94.5%)、洋風ファストフード(105.5%)。

 洋風ファストフードサービスはテイクアウトの増加などによる前年比116.0%という客単価の上昇で売上高をプラスにしたが、他の業態ではここまでの大きな客単価増は見られなかった。

 JFによる概況は以下のとおり。

  • 新型コロナウイルス感染症の影響は、外食産業に深刻な影響を与えた。2020年の全体の売上前年比は84.9%と、平成6年(1994年)の調査開始以来、最大の下げ幅となった。政府から「緊急事態宣言」が発出された4月には、前年同月比60.4%と単月として最大の下げとなり、その後、徐々に回復傾向をみせたものの、8月をピークとしたコロナ「第2波」、11月以降の「第3波」の影響を受け、年間では大幅に落ち込んだ。
  • 業態別では、テイクアウト・デリバリー需要に支えられた「ファーストフード」(96.3%)のような業態も一部あったものの、店内飲食を主とする「ファミリーレストラン」(77.6%)、「喫茶」(69.0%)、「ディナーレストラン」(64.3%)、「パブレストラン/居酒屋」(50.5%)等は軒並み大きなダメージを受けた。コロナ禍によって業態間格差は拡大し、特に飲酒業態への影響は壊滅的で、深刻な事態となっている。
  • コロナ以後の外食需要は、感染を避ける消費行動や、テレワークの増加などの働き方の変化から、「繁華街立地」「店内飲食」「ディナー時間帯」「大人数利用」の業態・店舗から、「郊外立地」「テイクアウト・デリバリー」「ランチタイム」「少人数利用」の業態・店舗にシフトする傾向がみられた。
外食産業市場動向調査2020年12月度全店データ
事業社数 店舗数 売上高(前年比) 店舗数(前年比) 客数(前年比) 客単価(前年比)
全体 (N=214) (N=37,648) 84.9% 98.2% 82.2% 103.3%
ファストフード 合計 (N=54) (N=21,774) 96.3% 98.9% 88.2% 109.2%
洋風 (N=17) (N=6,331) 105.5% 99.6% 91.0% 116.0%
和風 (N=16) (N=5,114) 94.5% 100.6% 91.8% 102.9%
麺類 (N=20) (N=3,336) 78.9% 99.7% 75.9% 104.0%
持ち帰り米飯/回転寿司 (N=15) (N=4,356) 93.7% 95.2% 91.2% 102.8%
その他 (N=11) (N=2,637) 88.6% 99.2% 81.2% 109.2%
ファミリーレストラン 合計 (N=61) (N=10,437) 77.6% 98.6% 74.9% 103.7%
洋風 (N=26) (N=5,191) 73.6% 98.1% 72.0% 102.2%
和風 (N=33) (N=2,625) 72.3% 96.6% 71.7% 100.8%
中華 (N=14) (N=1,152) 90.2% 102.5% 85.1% 106.0%
焼肉 (N=17) (N=1,469) 89.1% 100.7% 89.5% 99.6%
パブ/居酒屋 合計 (N=35) (N=2,163) 50.5% 92.7% 52.4% 96.3%
パブ・ビアホール (N=9) (N=310) 42.7% 96.5% 45.9% 93.0%
居酒屋 (N=29) (N=1,853) 52.3% 92.2% 54.5% 96.0%
ディナーレストラン(計) (N=28) (N=1,057) 64.3% 95.4% 62.9% 102.2%
喫茶(計) (N=19) (N=1,992) 69.0% 98.7% 66.9% 103.1%
その他(計) (N=17) (N=225) 78.9% 92.6% 77.7% 101.5%

凡例:10%以上のプラス5%以上のプラス前年同月未達(四捨五入で100.0%となっているものを含む)5%以上のマイナス10%以上のマイナス

※前年同月比は税抜比較で行っている。

※ファストフード、ファミリーレストラン、パブ/居酒屋の各業態の内訳に関しては、重複する事業社があるため合計の数値は必ずしも内訳の累積に一致しない。

ファストフード

ファストフード全体の事業社数は54、店舗数は21,774店(98.9%)。客単価は際立って上昇し、客数は88.2%と2桁の大幅減。売上高は96.3%と前年同月を下回った。

洋風ファストフード(事業社数17、店舗数6,331店=99.6%)は、客単価は2桁アップと大幅に上昇し、客数は91.0%と減少。売上高は105.5%と拡大。

和風ファストフード(事業社数16、店舗数5,114店=100.6%)は、客単価は上昇し、客数は91.8%と減少。売上高は94.5%と縮小。

麺類ファストフード(事業社数20、店舗数3,336店=99.7%)は、客単価は上昇し、客数は75.9%と2桁の大幅減。売上高は78.9%と2桁の縮小。

持ち帰り米飯/回転寿司ファストフード(事業社数15、店舗数4,356店=95.2%)は、客単価は上昇し、客数は91.2%と減少。売上高は93.7%と縮小。

その他ファストフード(事業社数11、店舗数2,637店=99.2%)は、客単価は際立って上昇し、客数は81.2%と2桁の大幅減。売上高は88.6%と2桁の縮小。

ファミリーレストラン

ファミリーレストラン全体の事業社数は61、店舗数は10,437店(98.6%)。客単価は上昇し、客数は74.9%と2桁の大幅減。売上高は77.6%と2桁の縮小。

洋風ファミリーレストラン(事業社数26、店舗数5,191店=98.1%)は、客単価は上昇し、客数は72.0%と2桁の大幅減。売上高は73.6%と2桁の縮小。

和風ファミリーレストラン(事業社数33、店舗数2,625店=96.6%)は、客単価は前年並みながら、客数は71.7%と2桁の大幅減。売上高は72.3%と2桁の縮小。

中華ファミリーレストラン(事業社数14、店舗数1,152店=102.5%)は、客単価は際立って上昇し、客数は85.1%と2桁の大幅減。売上高は90.2%と縮小。

焼肉ファミリーレストラン(事業社数17、店舗数1,469店=100.7%)は、客単価はやや低めの前年並みながら、客数は89.5%と2桁の大幅減。売上高は89.1%と2桁の縮小。

パブ・居酒屋

パブ/居酒屋全体の事業社数は35、店舗数は2,163店(92.7%)。客単価は下降したが、客数は52.4%と2桁の大幅減。売上高は50.5%と2桁の縮小。

パブ・ビアホール(事業社数9、店舗数310店=96.5%)は、客単価は際立って下降したが、客数は45.9%と2桁の大幅減。売上高は42.7%と2桁の縮小。

居酒屋(事業社数29、店舗数1,853店=92.2%)は、客単価は下降したが、客数は54.5%と2桁の大幅減。売上高は52.3%と2桁の縮小。

ディナーレストラン

ディナーレストラン全体(事業社数28、店舗数1,057店=95.4%)は、客単価は上昇し、客数は62.9%と2桁の大幅減。売上高は64.3%と2桁の縮小。

喫茶

喫茶全体(事業社数19、店舗数1,992店=98.7%)は、客単価は上昇し、客数は66.9%と2桁の大幅減。売上高は69.0%と2桁の縮小。

その他の業態

その他全体(事業社数17、店舗数225店=92.6%)は、客単価は上昇し、客数は77.7%と2桁の大幅減。売上高は78.9%と2桁の縮小。

●日本フードサービス協会
http://www.jfnet.or.jp/data/data_c.html