重陽の節句の菓子「着せ綿」

 昨日は十五夜。関東は曇りでしたが、全国的には芋名月を楽しめた地域が多かったようです。

 今日は九月九日で重陽、菊の節句です。古来中国では“陽”である奇数が重なる日に呪術的に何か強すぎるもの、不気味さを感じていたと聞きます。その不吉を祓うのが五節句ですが、特に単一の字では最大の奇数となる九が重なる日をとくに大事と考えていたそうです。

 この日に菊酒を飲む習わしも中国伝来のもの。また、重陽の前夜に菊の花に綿を乗せておき、朝露を吸ったその綿で顔や体をぬぐうと不老長寿を得られると言われ、本邦の宮中や公家衆の間でも行われたそうです。

 こなしあんで菊の花の形を作り、その上にそぼろ菓子をふんわりと乗せた和菓子「着せ綿」はそれを表現したものです。

※このコラムはメールマガジンで公開したものです。

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Food Watch Japan編集長 さいとう・さとし 1988年中央大学卒業。柴田書店「月刊食堂」編集者、日経BP社「日経レストラン」記者、農業技術通信社取締役「農業経営者」副編集長兼出版部長等を経て独立。2010年10月株式会社香雪社を設立。公益財団法人流通経済研究所客員研究員。昭和女子大学現代ビジネス研究所研究員。戸板女子短期大学食物栄養科非常勤講師。亜細亜大学経営学部ホスピタリティ・マネジメント学科非常勤講師。日本フードサービス学会、日本マーケティング学会会員。著書に「有機野菜はウソをつく」(SBクリエイティブ)、「食品業界のしくみ」「外食業界のしくみ」(ともにナツメ社)、「農業成功マニュアル―『農家になる!』夢を現実に」(翔泳社)、共著・監修に「創発する営業」(上原征彦編著ほか、丸善出版)、「創発するマーケティング」(井関利明・上原征彦著ほか、日経BPコンサルティング)、「農業をはじめたい人の本―作物別にわかる就農完全ガイド」(監修、成美堂出版)など。※amazon著者ページ →