2010年食の10大ニュース[7]

「2010年食の10大ニュース」は予想以上に各界の皆様からご協力をいただきました。食について、正しい情報、真に有益な情報を発信したいという皆様の情熱の強さに改めて敬意を表し、ご協力に感謝申し上げます。

 そして、FoodWatchJapanをご覧くださっている皆様の情熱も感じております。仕事納めが終わった後も閲覧数は高く、スタッフ一同冥利に尽きることと存じ、読者の皆様に感謝申し上げます。

「2010年食の10大ニュース」は当初まとめて一つの記事としてご紹介しようと計画していましたが、ご執筆いただいた皆様の記事の一つひとつがユニークかつ重要な情報を豊富に含んでいますので、編集部で手を加えることはなるべく控え、できるだけそのままの形でご紹介させていただいております。

 本日は一挙7名の方々の記事をお届けします。

 食の安全情報blogのohira-yさんが選んだ1位にはとくにご注目いただきたいと思います。「安心!?食べ物情報」の渡辺宏さんは、ご自身のメールマガジンで発表された10大ニュースをご提供くださいました。大切な批判が含まれています。また、10位にも注目いただきたいと思います。日本食糧新聞社の本宮康博さんからは企業経営とマーケティングの視点が生きたリストをくださいました。

 今夕には、外食産業メディアに携わる4名の方々からの10大ニュースをお届けします。ご期待ください。(FoodWatchJapan 齋藤訓之)

  1. こんにゃくゼリーに対するリスク評価
  2. 「ゼロ」ブーム
  3. ホメオパシー批判
  4. トランス脂肪酸の表示問題
  5. 口蹄疫問題
  6. 低温被害
  7. 食用塩の表示に関する公正競争規約
  8. 米トレーサビリティ法
  9. アメリカでサルモネラ問題
  10. 中西準子先生が文化功労者に

1. こんにゃくゼリーに対するリスク評価

 1月に食品安全委員会がリスク評価を出しています。玉虫色というか、はっきりしない評価だったのですが、消費者庁はこれが気に入らなかったらしく、12月に至ってこんなことを言い出しています。

〈こんにゃくゼリー〉大きさなど安全性指標を公表……消費者庁/毎日新聞 12月22日(水)11時22分配信

 消費者庁が食品安全委員会を無視してどうするのか?とあきれる話ではあります。

2. 「ゼロ」ブーム

 デフレが背景にあるのでしょうが、今年になって食品メーカーの行儀の悪さが目立っています。「糖質ゼロ」「カロリーゼロ」など、差別化のためなら何でもする、というのがブームになりました。

3. ホメオパシー批判

 本家?のイギリスでホメオパシーを完全に否定する声明が発表され、話題になりました。日本では馬鹿な大臣が研究するとか言っていますが、医学関係者の間では真剣に有害な代替医療を追放しようとする動きが出てきています。

4. トランス脂肪酸の表示問題

 消費者庁がトランス脂肪酸の表示を義務化しようと動いています。そもそも栄養表示が義務化されていないのに、トランス脂肪酸だけを表示してどうするのかと思いますが、「表示に向けて検討する」とか言っています。

5. 口蹄疫問題

 これは社会的にも大問題になりました。10年前は水際立った防疫が話題になりましたが、今回は大苦戦しました。トップに無能な人がいるとどうしようもないという印象を持ったものです。

 現在、韓国では大流行しています。日本にも再び脅威が増大しています。いつまでも根絶できない隣国にも困ったものです。

6. 低温被害

 今年の春は非常に気温が低く、各地で低温被害が発生しました。また夏は猛暑になって、今度は高温被害が出たりして、稲の作柄は悪かったようです。合わせて一つの項目にしておきます。

7. 食用塩の表示に関する公正競争規約

 食塩の表示が大幅に変わりました(4月完全施行)。今までいろんな問題のあった業界が率先して公正な表示に踏み切ったということで、歴史的な快挙と思います。怪しげな宣伝を繰り返しているビール、飲料業界は塩業界の爪のアカでも……。

8. 米トレーサビリティ法

 また一つお馬鹿な法律ができています。輸入米を主に使っている味噌・米菓業界では、米の原産表示をどうするか、大問題になっています。

 米菓業界は大手が新潟県に集中しているのですが、新潟県で製造しているのだから原料も新潟の米だと誤解している人も多いのだとか。国もお得意様の首を締めるような法律を作って、いったいどうするつもりなのでしょうか。

9. アメリカでサルモネラ問題

 アメリカの話ですが、大規模な卵のリコールなどが発生しています。卵に限らず、野菜などでも食中毒が発生しています。

 それに比べて日本の卵はサルモネラ問題をほぼ完全に克服したようです。養鶏業界の努力の結果です。大いに誉めてあげたいですね。

 また、これに関連して、「鶏卵の表示に関する公正競争規約」もできています。猛暑の影響や鳥インフルエンザ問題など、問題山積ではありますが、また一つ進歩したというところでしょうか。

10. 中西準子先生が文化功労者に

 産業技術総合研究所化学物質リスク管理研究センター長の中西準子先生が紫綬褒章を受章しました。

 リスクマネージメントということが本格的に問われる時代にやっとなってきたのだと思います。

 先生は来年3月で産総研を退任されるそうで、来年2月25日に記念の講演会があります。私も講演を聞きに行く予定です。

※ 編集部註:筆者のブログに、この記事に関する追加情報があります。
 詳しくはこちらをご覧ください。
 森羅情報サービス(ブログ)


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Webサイト「安心!?食べ物情報」主宰 わたなべ・ひろし 1974年から1998年まで生協に勤務し仕入れや商品開発にかかわる。1999年Webサイト「安心!?食べ物情報」を開設し、生協時代の経験を活かした、食に関する情報発信を行う。メールマガジン「安心!?食べ物情報 Food Review」を毎週発行中。また、その前年からWebサイト「宮沢賢治の童話と詩 森羅情報サービス」を運営している。2010年、中国・大連に食品販売会社を設立、総経理となる。著書に「『食の安全』心配御無用!」(朝日新聞社)、「食の安全 裏側の話―元生協仕入れ担当者が明かすつくり手の事情・消費者の言い分」(カザン)。和歌山市在住。