サン・フェリシアンのO26

国立医薬品食品衛生研究所は、食品安全情報(微生物)No.10(2019.05.15)を発表した。

注目記事

【カナダ/英国】牛生乳チーズの志賀毒素産生性大腸菌汚染

 カナダ食品検査庁(CFIA: Canadian Food Inspection Agency)発。La Fromagerie Hamel社は、大腸菌O26汚染の可能性があるとして「Le Pic」ブランドのチーズSaint-Félicien(サン・フェリシアン)を回収している。

 本回収は、他国での回収がきっかけとなって開始された。カナダ食品検査庁(CFIA)は食品安全調査を行っており、これによって他の製品も回収対象になる可能性がある。

 カナダでは回収対象製品の喫食に関連した患者は報告されていない。しかし、フランスでは本製品に関連して複数の患者が報告されている。

 英国食品基準庁(UK FSA: Food Standards Agency, UK)発。Fromagerie Alpine社は、志賀毒素産生性大腸菌(STEC)汚染の可能性があるとして牛生乳チーズSaint Félicien(サン・フェリシアン)およびSaint Marcellin(サン・マルスラン)を回収している。当該製品は小売チェーンTescoの店舗およびHarrods百貨店で販売された。

【カナダ】冷凍洋菓子のサルモネラ

 カナダ公衆衛生局(PHAC: Public Health Agency of Canada)は、複数州の公衆衛生当局、カナダ食品検査庁(CFIA)およびカナダ保健省(Health Canada)と協力し、7州にわたり発生しているサルモネラ(Salmonella Enteritidis)感染アウトブレイクを調査している。本アウトブレイクは継続していると考えられる。

 これまでに得られた調査結果にもとづき、可能性が高い感染源として「Celebrate」ブランドのシュークリーム(Classic/Classical Profiterole、Egg Nog Profiterole)、および同ブランドのミニチョコレートエクレアが特定されている。これらの製品は再封可能な小型のプラスチック製タブ型容器入りで、食料品店の冷凍食品売り場で販売された。

 2019年4月26日、CFIAは、Celebrateブランドのシュークリームおよびミニチョコレートエクレアについて食品回収警報を発した。

 患者の発症日は2018年11月〜2019年3月である。18人が入院し、2人の死亡が報告されたが、サルモネラ感染がこれらの死亡の原因であったかどうかは特定されていない。

【米国】カットメロンのサルモネラ

 米国疾病予防管理センター(US CDC: Centers for Disease Control and Prevention)、複数州の公衆衛生・食品規制当局および米国食品医薬品局(US FDA)は、Caito Foods社が製造したカット済みメロンに関連して複数州にわたり発生しているサルモネラ(Salmonella Carrau)感染アウトブレイクを調査している。

 患者に対し、発症前1週間の食品喫食歴およびその他の曝露歴に関する聞き取り調査が実施された。その結果、すでに聞き取りが行われた患者63人のうち46人が食料品店で購入したカット済みメロンの喫食を報告した。これらのメロンには、カット済みのカンタロープ、スイカ、ハネデュー、およびメロン入りのフルーツサラダミックスまたはフルーツ盛り合わせが含まれている。残りの患者のうち5人は、家庭以外の場所でカット済みメロンを喫食したことを報告した。

 患者が上記製品を購入した店舗で収集された情報は、Caito Foods社がこれらの店舗にカット済みメロンを納入したことを示している。2019年4月12日、同社は、インディアナ州Indianapolisの施設で製造したカット済みのスイカ、ハネジュー、カンタロープ、およびこれらが含まれるカット済みフルーツ盛り合わせ製品の回収を開始した。

(注目記事のまとめ:FoodWatchJapan編集部)

食品安全情報へのリンク

食品安全情報
http://www.nihs.go.jp/dsi/food-info/foodinfonews/index.html
食品安全情報(微生物)No.10(2019.05.15)
http://www.nihs.go.jp/dsi/food-info/foodinfonews/2019/foodinfo201910m.pdf

今号の目次

【世界保健機関(WHO)】
1. 命を救うため手指を清潔に:すべての患者に清潔な医療を

【米国疾病予防管理センター(US CDC)】
1. カット済みメロンに関連して発生しているサルモネラ(Salmonella Carrau)感染アウトブレイク(2019年4月24日付更新情報)
2. 牛ひき肉に関連して発生している志賀毒素産生性大腸菌O103感染アウトブレイク(2019年4月26日付更新情報)

【カナダ公衆衛生局(PHAC)】
1. 公衆衛生通知:Celebrateブランドの冷凍シュークリームおよびミニチョコレートエクレアに関連して発生しているサルモネラ(Salmonella Enteritidis)感染アウトブレイク(2019年5月2日、4月27日、15日付更新情報)

【カナダ食品検査庁(CFIA)】
1. 食品回収警報:大腸菌O26汚染の可能性によりLe Picブランドのチーズ「Saint-Félicien」を回収
2.「カナダ国民のための食品安全規則」が2019年1月15日に発効

【欧州委員会健康・食品安全総局(EC DG-SANTE)】
1. 食品および飼料に関する早期警告システム(RASFF:Rapid Alert System for Food and Feed)

【英国食品基準庁(UK FSA)】
1. Fromagerie Alpine社が大腸菌汚染の可能性がある牛生乳チーズ「Saint Félicien」および「Saint Marcellin」を回収
2. 主要小売業者がカンピロバクター汚染検査の結果を公表

【ProMed mail】
1. コレラ、下痢、赤痢最新情報2019(13)(12)