パン粉付き製品のサルモネラ

国立医薬品食品衛生研究所は、食品安全情報(微生物)No.13(2018.06.20)を発表した。

注目記事

【米国】フードバンクで表示ミスによるサルモネラ感染

 ウィスコンシン州保健局(DHS)、ミネソタ州保健局(MDH)、ウィスコンシン州農務・通商・消費者保護局(DATCP)、ミネソタ州農務局(MDA)および両州の地域保健所は、ミネソタ州の居住者1人およびウィスコンシン州の居住者3人の少なくとも計4人のサルモネラ症患者について調査している。

 これら4人は発症前に全員がRuby’s Pantry(※1)の期間限定食料品配布所で冷凍のパン粉付き鶏肉製品の提供を受けていた。具体的には、調理済みのように見えるパン粉付きの生鶏肉製品がRuby’s Pantryの顧客に提供された際、当該製品が生であることを示すラベルや調理法の説明書が添付されていなかった。これらの製品は加熱済みのように見えても生の可能性がある。

 Ruby’s Pantryは調査に協力しており、ラベル表示のない鶏肉製品を提供しないことに同意した。

【カナダ】十分な加熱を呼びかける一方で商品は撤去

 カナダ公衆衛生局(PHAC: Public Health Agency of Canada)は、複数州の公衆衛生当局、カナダ食品検査庁(CFIA)およびカナダ保健省(Health Canada)と協力し、パン粉付き冷凍生鶏肉製品などの家禽肉製品に関連して8州にわたり発生しているサルモネラ(Salmonella Enteritidis)感染アウトブレイクを調査している。

 CFIAは、本アウトブレイク調査の一環として、No Nameブランド(※2)の鶏肉製品「Chicken Burgers」(1kg、賞味期限が2019年2月6日)に関する食品回収警報を発表した。本製品はカナダ全国で販売された。PHACは、消費者、小売業者およびレストランに対し、本製品の喫食や提供を行わないよう助言している。

 パン粉付き冷凍生鶏肉製品や生の家禽カット肉製品が喫食しても安全であることを確認するためには、内部温度が74℃(165°F)以上になるまで加熱する必要がある。また、丸鶏の場合は内部温度が82℃(180°F)以上になるまで加熱する必要がある。

 CFIAは当該製品に関する食品回収警報を発表し、この製品が市場から確実に撤去されるよう製造業者と協力している。調査は継続している。

編集部註

※1:Ruby’s Pantryはフードバンクの一種で、ミネソタ州とウィスコンシン州を中心に活動している慈善団体。地域の小売業等から食品の寄付を募り、社会に提供している。利用者は会員登録して仮設の配給所(Pop-Up Pantry)を訪ね、所定の額の寄付を納めることで一定単位の食品の提供を受けるシステム(例として、現在は20ドルの寄付に対して段ボール箱2個分ほどという単位)。今回のサルモネラ感染に関して、Webサイトでも注意喚起を行っている。

Ruby’s Pantry
https://www.rubyspantry.org/

※2:この”no name”はジェネリックの意味ではなく登録商標(Registered trademark)である。

(注目記事のまとめ:FoodWatchJapan編集部)

食品安全情報へのリンク

食品安全情報
http://www.nihs.go.jp/hse/food-info/foodinfonews/index.html
食品安全情報(微生物)No.13(2018.06.20)
http://www.nihs.go.jp/hse/food-info/foodinfonews/2018/foodinfo201813m.pdf

今号の目次

【米国疾病予防管理センター(US CDC)】
1. Kellogg 社のシリアル製品Honey Smacks に関連して複数州にわたり発生しているサル
モネラ(Salmonella Mbandaka)感染アウトブレイク(初発情報)
2. Del Monte Fresh Produce 社製の野菜盛り合わせ製品に関連して米国の複数州で発生
しているサイクロスポラ症アウトブレイク(2018年)
3. カット済みメロンに関連して複数州にわたり発生しているサルモネラ(Salmonella
Adelaide)感染アウトブレイク(初発情報)

【ミネソタ州保健局(MDH)】
1. Ruby’s Pantry の期間限定食料品配布所で提供された鶏肉に関連して発生しているサル
モネラ感染患者

【カナダ公衆衛生局(PHAC)】
1. 公衆衛生通知 - パン粉付き冷凍生鶏肉製品などの家禽肉製品に関連して発生してい
るサルモネラ感染アウトブレイク(初発情報)

【欧州委員会健康・食品安全総局(EC DG-SANTE)】
1. 食品および飼料に関する早期警告システム(RASFF:Rapid Alert System for Food and
Feed)

【欧州食品安全機関(EFSA)】
1. データマイニングアルゴリズムを募集:欧州食品安全機関(EFSA)の第2 回クラウド
ソーシング(crowdsourcing)

【ドイツ連邦リスクアセスメント研究所(BfR)】
1. 食品中の志賀毒素産生性大腸菌:各株の病原性を予測することは現時点では不可能

【デンマーク国立血清学研究所(SSI)】
1. 2016~2017年のデンマークでのサルモネラ感染およびカンピロバクター感染