食品安全情報(化学物質)No.10(2011.05.18)

国立医薬品食品衛生研究所が月2回発表している「食品安全情報」(化学物質)は、食品の安全性に関する国際機関や各国公的機関等の最新情報を提供している。本欄では、実際にその情報収集・執筆を担当している研究官に、FoodWatchJapan読者へのおすすめの記事を紹介してもらう。No.10(2011.05.18)の注目キーワードは、飼料中のナノ物質、お役所仕事、FDAの逆襲、生食、などだ。

注目記事

【EFSA】食品と飼料のナノ申請を評価するための最初の実務的ガイドラインを発表

 食品と飼料中のナノ物質のリスクをどう評価すべきかを示したガイドラインをEFSAが発表した。しかし、ナノ物質をどう測定するか、食品や飼料中の状態や量、それを摂取した後に体内で実際にどの程度存在しているのかなど不確実性も大きく、ガイドラインは適宜更新する必要性も指摘されている。

【FSA】役所の仕事に挑戦

 英国政府は、規制について誰もがウェブサイト上でオープンに議論できるサイト「お役所仕事に挑戦」(Red Tape Challenge)を公開している。これは政府による規制見直しの一環であり、FSAが管轄する食品関連の規制も対象になったようである。国民の声を反映した英国版“仕分け”である。

【FDA】食品安全近代化法のもとでの最初の新しい規則を発表

 米国では州自治政府の権限が強く、食品にリスクがあるとの確証がなければFDAには差し止め等を行う強制力がなかったが、この度発表された新しい規則により、2011年7月3日からはリスクの疑いがあるというだけでも最大30日間の差し止めが可能になった。

【KFDA】植物種子、何でも生で食べると異変が生じる

 わが国では生肉の摂取が問題になっているが、一方、韓国では健康法と称して様々な種類の種子を生で食べる事例が増えて問題になっているようだ。生肉も生種子もリスクはどちらも高い。

食品安全情報へのリンク

「食品安全情報」
http://www.nihs.go.jp/hse/food-info/foodinfonews/index.html

食品安全情報(化学物質)No.10 (2011.05.18)
http://www.nihs.go.jp/hse/food-info/foodinfonews/2011/foodinfo201110c.pdf

今号の目次

【WHO】
1.多くの国が感染症と慢性疾患の両方の健康の脅威に脅かされている

【EC】
1.動物及び動物由来製品中の残留動物用医薬品とその他の物質のモニタリング結果2009年報告書
2.RAPEX 2010年次報告書
3.食品及び飼料に関する緊急警告システム(RASFF)

【EFSA】
1.EFSAは食品と飼料のナノ申請を評価するための最初の実務的ガイドラインを発表
2.EFSAは期待に応えリソースを最大限に利用するために再編
3.少なくとも80%のサポニン化カロテノイド濃度の高濃度ルテインを除くルテインの再評価に関する科学的意見
4.食品添加物としてのトール油ロジンのグリセロールエステルの安全性に関する科学的意見
5.新規食品成分としての「酵母ベータグルカン」の安全性に関する意見
6.新規食品成分としての「発酵黒豆抽出物」(豆豉抽出物)の安全性に関する意見
7.バイエルクロップサイエンス社からの除草剤耐性遺伝子組換え大豆A5547-127の食品及び飼料用としての使用、輸入、加工のための市販申請についての科学的意見
8.香料グループ評価

【FSA】
1.チーア種子に意見募集
2.役所の仕事に挑戦
3.理事会はクローンとその子孫について更新

【DEFRA】
1.Defra食品中残留農薬に関する専門委員会(PRiF)

【BfR】
1.食品と飼料の安全性に関するリスク評価と情報
2.メラミン製調理用スプーンと食器は電子レンジや調理には適さない

【RIVM】
1.オランダの地表水、飲料水及び排水中の濫用薬物と精神安定剤:2009年スクリーニングモニタリング結果
2.地下水の硝酸濃度変化;硝酸コンプライアンスチェック研究のバックグラウンド報告:井戸の結果

【EVIRA】
1.Eviraは5月27日にセミナーを開催:各種魚の環境汚染物質濃度についての新しい情報

【FDA】
1.FDAは食品安全近代化法のもとでの最初の新しい規則を発表
2.詐欺的製品:性感染症(STDs)
3.Multi-Mex Distributor社はダイエタリーサプリメントのリコールを発表:消費者はダイエタリーサプリメントが実際は抗生物質であると誤解する可能性がある
4.抗菌ダイエタリーサプリメントとして販売されている薬物を購入しないように
5.Phoenix Import & DistributionはPentrexyl Forte Naturalのリコールを発表
6.FDAは偽ExtenZeダイエタリーサプリメントについて警告

【DHHS】
1.健康医療研究品質局(AHRQ:Agency for Healthcare Research and Quality )
疾患のリスク低減や予防、治療に使用されるプロバイオティクスの安全性

【Health Canada】
1.オンラインで農薬を購入するリスク
2.外来製品警告

【FSANZ】
1.オーストラリア・ニュージーランド食品規制担当大臣評議会コミュニケ
2.オーストラリアの食品中の食品と接触する物質から溶出する化学物質
3.甘味料の増量とGM申請が承認され閣僚評議会に通知された
4.アレルゲンレビュー
5.ニュージーランドのリンゴの果樹園に使う抗菌剤のリスク評価

【APVMA】
1.APVMAはカルベンダジムの使用を永久に制限することを提案
2.殺鼠剤の緊急認可
3.農業用化学物質規制改革の事前通知

【TGA】
1.安全性助言 ナチュラルバイアグラVIAGRA錠剤
2.補完医薬品規制の枠組み
3.TGAによる登録後コンプライアンス調査

【香港政府ニュース】
1.毒化した貝に警告
2.違法製品販売で2人逮捕
3.ヘルスデスクのサービス停止

【KFDA】
1.食品のダイオキシン汚染実態調査の結果を発表
2.食品医薬品安全庁、酒類中の有害物質の低減化を推進
3.ナトリウム低減化運動を開始 
4.食品添加物公典を全面改正
5.食品から出た異物で慌てたことありますか?
6.植物種子、何でも生で食べると異変が生じる

【AVA】
1.AVAは兵庫と静岡県からの野菜や果物の輸入停止を解除

【FSSAI】
1.ある種の赤分類殺虫剤は間もなく禁止
2.インドにおけるバックグラウンド放射線と放射能
3.食品安全基準案英語版
4.食品への規制適用について
5.食品リコール方法についての規制案

【その他】
・(National Academy of Sciences)FDAは包括的リスクキャラクタリゼーションの枠組みを使うことで、その決定による公衆衛生への影響をより良く分析することができる
・(C & ENニュース)世界中でエンドスルファン禁止

登田美桜
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国立医薬品食品衛生研究所安全情報部第三室主任研究官 とだ・みおう 農学博士。国立医薬品食品衛生研究所は、医薬品、食品、その他生活環境中に存在する物質について、品質、安全性、有効性を評価するための試験、研究、調査を行う機関。 安全情報部の「食品安全情報」は、食品の安全性に関する国際機関や各国公的機関等の最新情報を伝える。