生きた鶏のサルモネラに注意

国立医薬品食品衛生研究所は、食品安全情報(微生物)No.18(2017.08.30)を発表した。

注目記事

【米国疾病予防管理センター】マラドールパパイヤ関連のサルモネラ

 米国の複数の州で輸入マラドールパパイヤに関連して発生しているサルモネラ感染アウトブレイクについて、米国疾病予防管理センター(US CDC: Centers for Disease Control and Prevention)によると、本アウトブレイクでは2017年8月16日までに計21州からS. Kiambu(51人)、S. Thompson(111)、S. Agona(7)およびS. Gaminara(4)アウトブレイク株の感染患者が計173人報告されている。

米国食品医薬品局(US FDA)は、米国疾病予防管理センター(US CDC)、メリーランド州保健局(MDH)、およびその他の州・地域当局と協力し、複数の血清型のサルモネラ感染患者を調査している。

 米国食品医薬品局(US FDA)はメキシコから輸入されたパパイヤの検査を行い、S. Agona、S. Kiambu、S. Gaminara、S. Thompson、S. Senftenbergなど複数の血清型のサルモネラを分離した。CDCはS. Agona(7人)またはS. Gaminara(4人)の同一株に感染した患者11人を特定し、これら11人は本アウトブレイクの患者に追加された。このうち、情報が得られた患者5人全員が発症前1週間のパパイヤの喫食またはその可能性を報告した。

【米国疾病予防管理センター】生きた家禽類関連のサルモネラ

 米国疾病予防管理センター(US CDC)および複数州の当局は、小規模飼育の生きた家禽類との接触に関連して複数州にわたり発生している10件の異なるサルモネラ感染アウトブレイクを調査している。

 これらのアウトブレイクは、それぞれ、異なる血清型のサルモネラが原因である。アウトブレイク株の感染患者として、48州およびワシントンD.C.から計961人が報告されている。患者の発症日は2017年1月4日~7月31日である。215人が入院し、死亡者が1人報告されている。

 疫学・追跡調査および検査機関での検査の結果、10件のアウトブレイクは複数の孵化場由来のヒヨコ、アヒルのヒナなどの生きた家禽類との接触に関連していることが明らかになった。聞き取り調査において、患者672人のうち498人(74%)が発症前1週間以内に生きた家禽類と接触したことを報告した。

 生きた家禽類またはその飼育環境と接触すると、サルモネラに感染することがある。生きた家禽類は健康で清潔に見える場合でも、症状を呈さずにサルモネラを保菌している可能性がある。

(注目記事のまとめ:FoodWatchJapan編集部)

食品安全情報へのリンク

食品安全情報
http://www.nihs.go.jp/dsi/food-info/foodinfonews/index.html
食品安全情報(微生物)No.18(2017.08.30)
http://www.nihs.go.jp/dsi/food-info/foodinfonews/2017/foodinfo201718m.pdf

今号の目次

【米国疾病予防管理センター(US CDC)】
1. 輸入マラドールパパイヤに関連して複数州にわたり発生しているサルモネラ感染アウトブレイク(2017年8月18日付更新情報)
2. 小規模飼育(Backyard Flocks)の生きた家禽類に関連して複数州にわたり発生している2017年の10件のサルモネラ感染アウトブレイク(2017年8月21日付更新情報)

【欧州疾病予防管理センター(ECDC)】
1. 感染症の脅威の順位付けのためのツールをECDCが発表
2. 欧州疾病予防管理センター(ECDC)の2016年次報告書

【欧州委員会健康・食品安全総局(EC DG-SANTE)】
1. 食品および飼料に関する早期警告システム(RASFF:Rapid Alert System for Food and Feed)

【英国食品基準庁(UK FSA)】
1. 北アイルランドでの食品サーベイランスを目的としたサンプリング調査に関する第9回報告書

【アイルランド食品安全局(FSAI)】
1. オンラインでの食品の販売・広告に関する新しいガイドを発表

【オランダ国立公衆衛生環境研究所(RIVM)】
1. 食品関連病原体による疾患の実被害(オランダ、2013~2016年度)

【ProMed mail】
1. コレラ、下痢、赤痢最新情報