ブラックコホシュで肝障害か

国立医薬品食品衛生研究所は、食品安全情報(化学物質)No.23(2012.11.14)を発表した。MHRAはブラックコホシュレメディについて肝不全の報告を受け、再度の注意喚起を行っている。FSANZは、タスマニアでの藻類大発生によって発生した麻痺性貝毒のため、イガイのリコールを行っている。

注目記事

【MHRA】肝不全の患者発生はブラックコホシュレメディの使用への注意を喚起

 英国医薬品・医療製品規制庁(MHRA)は、ブラックコホシュを含むハーブ製品が原因として疑われる重篤な肝不全の症例報告を受けたことから、摂取に関して再度注意を喚起している。

※ポイント:ブラックコホシュは閉経期症状がある人を対象に販売されていますが、肝障害との関連が疑われたため2006年に注意を喚起していました。これを受けて厚生労働省でも注意を喚起していましたが(*)、個人輸入サイト等を介して購入できるようですので注意が必要です。

* 海外におけるブラックコホシュの利用に関する注意喚起について(平成18年8月3日)

http://www.mhlw.go.jp/kinkyu/diet/060803-1.html

【FSANZ】イガイおよびバイオトキシン汚染の可能性についての警告および助言

 オーストラリア・ニュージーランド食品基準局(FSANZ)は、タスマニアにおける藻類の大量発生により生じた麻痺性貝毒のため、国内およびいくつかのアジア諸国へ出荷されたイガイについてリコールを実施している。

※ポイント:日本での輸入モニタリング検査では、輸入された当該製品から麻痺性貝毒が64、52MU/g検出されたと報告されています(*2)。消費期限が過ぎているので中毒発生などの問題は生じないと思いますが、気になったのはその濃度です。

 麻痺性貝毒の主な原因となるサキシトキシン(STX)グループについては、FAO/IOC/WHO合同専門家会議2)で急性参照量(ARfD)を0.7μg STX equ/kg bwと設定しています。これは、体重50kgの人では35μg STX equとなります。麻痺性貝毒1MUはおおよそ0.2μg STX equに相当すると言われていますので、今回検出された64MU/gと52MU/gはそれぞれ12.8μg STX equ/g、10.4μg STX equ/gとなり、数gでARfD超えて健康リスクという点からするとかなり高濃度の汚染だったことがわかります。

 また、麻痺性貝毒の規制値4MU/gについても、ARfDと比較するとその差が小さいことがわかります。安全マージンをかなり多く取っている残留農薬などと比較すると、規制値の超過と言っても、対象によって想定されるリスクは大きく異なるということをおわかりいただけるでしょうか。

*2 輸入食品に対する検査命令の実施~オーストラリア産二枚貝、その加工品~
http://wwwhaisin.mhlw.go.jp/mhlw/C/?c=180939

*3 Joint FAO/IOC/WHO ad hoc Expert Consultation on Biotoxins in Molluscan Bivalves, Oslo, Norway, 27 September – 1 October 2004
http://www.who.int/foodsafety/chem/meetings/biotoxin/en/index.html

(安全情報部第三室)

食品安全情報へのリンク

食品安全情報
http://www.nihs.go.jp/hse/food-info/foodinfonews/index.html

食品安全情報(化学物質)No.23(2012.11.14)
http://www.nihs.go.jp/hse/food-info/foodinfonews/2012/foodinfo201223c.pdf

今号の目次

【WHO】
1. IARCモノグラフ会合
2. WHO紀要
3. WHO加盟国は非伝染性疾患の目標に向かって前進

【EC】
1. 福島原子力発電所事故後の日本からの飼料や食品の輸入に関する特別条件に関する欧州委員会実施規則No 996/2012
2. GM食品および飼料の認可についてのパブリックコメント募集
3. 食品獣医局(FVO)査察報告書
4. 食品及び飼料に関する緊急警告システム(RASFF)

【EFSA】
1. 会議のまとめ:統合的新しいリスク評価手法、必要なデータの管理、対話とコミュニケーションの強化
2. EFSA@10:明日への挑戦の準備
3. EFSAはSéraliniらの論文のレビューを11月中旬までに最終化する
4. ビスフェノールA :2012年10月29~30日、パルマで専門家会合
5. 健康強調表示関連
6. 遺伝子組換え関連
7. 飼料添加物関連

【FSA】
1. DNP(2,4-ジニトロフェノール)を含む「脂肪燃焼」物質について警告
2. FSAが発表した最新研究

【DEFRA】
1. 消費者向け食品情報に関する規則No 1169/2011を可能にするための意見を募集

【DH】
1. Change4Lifeはスマートホン飲酒トラッカーアプリを発表

【MHRA】
1. プレスリリース:肝不全の患者発生はブラックコホシュレメディの使用への注意を喚起

【BfR】
1. 流行している飲料のバブルティーに関するFAQ

【RIVM】
1. 食事モニタリングシステム:2012年長期ビジョン改訂

【ANSES】
1. カリブ海集団の食事からの残留農薬暴露推定

【EVIRA】
1. 有害なトランス脂肪含量はスプレッド及び植物油脂アイスクリームでは少ない

【FDA】
1. 警告文書(2012年10月30日、11月6日公表分)
2. 公示

【USDA】
1. 殺虫剤を撒く?そのためのアプリ

【CFIA】
1. 18ヶ月間以上にわたる2万検体以上の食品検査の結果で高い遵守率が認められた
2. メープル製品の規制改定案はカナダの消費者及び生産者に利益となる

【FSANZ】
1. イガイ及びバイオトキシン汚染の可能性についての警告及び助言
2. 食品基準通知
3. 年次報告書2011~2012年

【APVMA】
1. 国の規制担当者はフェンチオンの使用法についての表示を変更

【TGA】
1. リコール:Muscletech Hydroxystim 3s, 18s, 110s and 200s capsules
2. 警告:Majestic痩身カプセル(Majestic slimming capsules)

【香港政府ニュース】
1. 3-MCPDは大きな健康上の脅威ではない:報告書
2. 韓国麺は食品安全検査に合格
3. 12食品が安全性検査に不合格
4. 漢方薬リコール
5. チーズ検体が検査に不合格
6. 痩身用製品に警告

【KFDA】
1. 食品医薬品安全庁、農心などベンゾピレン(benzopyrene)検出関連措置の発表
危害師範中央調査団/食品管理課 2012.10.25
2. 日本の原発関連の食品医薬品安全庁の対応と管理動向〔40〕
3. フィリピン産‘ミニバナナ’残留農薬超過検出で流通販売•禁止
4. ‘とうもろこし粒’ アフラトキシン(aflatoxin)超過検出で流通販売•禁止
5. 食品には使用できない原料を使用した健康食品の回収措置
6. 食用が禁止された‘ミズキ’原料使用製品の回収措置
7. ‘ミネラル補充’健康機能食品に使用することができる原材料が増加

【その他】
・(Natureニュース)フライドポテトの化学物質を減らす努力は途絶える
・(Natureニュース)中国の調査は沿岸部の広範な汚染を明らかにする