バイテクの歴史と今がわかる「NIASオープンカレッジ」今年も9月開講

農業生物資源研究所(NIAS)は、「知の市場」および早稲田大学規範科学総合研究所と共催で、9月5日から「NIASオープンカレッジ」を開講する。15回の講義で、農業に利用されてきた生物資源の改良の歴史と社会的役割、最新の生物科学研究を概説する。

学生・社会人のための無料講座

講座は毎週木曜日18:30~20:30の2時間で、9月5日から12月12日まで15回。教室は主婦会館プラザエフ(東京・四谷駅前)だが、USTREAMで配信する映像での受講(配信受講)が認められ、全国どこにいても受講できる。

内容は、作物や家畜など農業生物資源の利用・開発の歴史から最新のバイテクやその国際情勢までにわたり、農業生物資源に関する基本的な知識と現状を学ぶことができる。

対象は一般社会人(大学生、マスコミ関係者を含む)。受講料は無料。定員は教室受講45名、配信受講45名(申し込み先着順)。

同カレッジは2008年からスタートし、今年は6回目。毎回、農業や食料に関心を持つ人が受講している。とくに遺伝子組換え技術などバイテクに関心のある参加者は多く、これには同技術に賛同している人も反対の意見を持つ人も含まれる。

農業生物資源研究所は、生物資源の農業上の開発・利用に関する技術上の基礎的な調査・研究等を行う独立行政法人。これら資源や技術の知識を一般に広めるコミュニケーション活動にも注力している。

講義予定
No. 講義名 講義日 講師名
1 農業生物資源の利用と技術開発~遺伝資源と作物開発の歴史~ 9月5日 廣近洋彦
2 農業生物におけるゲノム解析研究の実際 9月12日 矢野昌裕
3 ゲノム情報を活用した作物育種研究 9月19日 山本敏央
4 家畜ゲノム研究最先端 9月26日 美川智
5 世界の食糧需給と食料確保のための世界戦略 10月3日 三石誠司
6 遺伝子組換え作物の安全性評価 10月10日 田部井豊
7 遺伝子組換え生物の開発 10月17日 髙野誠
8 植物の戦うしくみ~耐病性作物開発を目指した取り組み~ 10月24日 高辻博志
9 カイコの遺伝子組換え利用~昆虫利用の新展開~ 10月31日 瀬筒秀樹
10 植物の多様な遺伝資源の収集と保存 11月7日 河瀨眞琴
11 遺伝資源をめぐる国際情勢 11月14日 土門英司
12 突然変異研究へのいざない~放射線による変異創出~ 11月21日 未定
13 共生からみる植物~植物と微生物の相互作用~ 11月28日 林誠
14 環境保全型農業を実現する技術の開発 12月5日 野田隆志
15 動物性タンパク質の供給から医薬分野への貢献まで 12月12日 木谷裕

●NIASオープンカレッジ
http://www.nias.affrc.go.jp/opencollege/
●農業生物資源研究所
http://www.nias.affrc.go.jp/