英当局CBD認可協議を開始

No.19(2025.09.17)

国立医薬品食品衛生研究所が集めた食品の安全性に関する国際機関や各国公的機関等の最新情報から。英国FSAがCBD食品の初認可案へ向けて意見募集を開始。ドイツBfRはセレンの過剰摂取しないよう注意喚起している。豪NZは遺伝子組換え食品の定義を改訂した。

注目記事

【FSA】英国食品基準庁がCBD食品の初の認可案に関する協議を開始する

 英国食品基準庁(FSA)は、国内で初めてカンナビジオール(CBD)食品を新規食品として認可するための勧告案を作成し、2025年11月20日まで利害関係者からの意見を募集すると発表した。英国においてCBD製品は食品として販売されており、その多くはフードサプリメントである。今回は、新規食品の認可申請が提出され、食品の安全性評価を経た、合成CBD(RP07)、CBD単離物(RP350)、ヘンプ由来の単離CBD(RP427)の3件を対象にしている。

※ポイント:FSAは、EU離脱に伴い、2020年2月13日時点で市場に流通しており、2021年3月31日までに新規食品の認可申請が提出されたCBD製品については、認可申請の検討が終わるまでイングランドとウェールズでの販売を暫定的に受け入れつつ、安全性評価を順次進めてきました。今回の勧告案では、FSAは流通製品や消費者による製品の使用理由などを踏まえて総合的に考慮したと報告しています。対象の3件のCBD製品はすべてフードサプリメントへの使用が目的なのですが、これらの製品にはフードサプリメントの法的定義に含まれる栄養学的機能がないことや、生理学的機能の根拠をFSAは評価していないことを指摘し、CBDの新規食品をフードサプリメントで認可することが消費者の利益になるのか、誤解を与える可能性があるのかについて意見を求めています。

【BfR】セレン:植物性食品に含まれるレベルは地域により異なる、この必須微量元素はバランスの取れた食事から十分な量が供給されている

 ドイツ連邦リスクアセスメント研究所(BfR)がセレンの摂取に関するQ&Aを公表した。

 セレンは、体内でセレノプロテインの成分としてさまざまな生理機能をもつ、食品から摂取しなければならない必須微量元素の1つである。ドイツの健康的な人々はバランスの取れた多様な食事から十分な量のセレンを摂取しており、過剰摂取になることもないだろう。しかし、高用量のセレンを含むフードサプリメントを長期的に利用すると、セレンの過剰摂取につながり有害な健康影響を生じる可能性があると注意を喚起する。

※ポイント:BfRの注意喚起は日本の国民にも当てはまります。「日本人の食事摂取基準(2025年版)」によると、日本人のセレンの摂取量は平均で約100μg/日と推定され、推奨量(成人:男性30-35μg/日、女性25μg/日)を大幅に上回っていること、通常の食生活であればセレン摂取量は適切な範囲に保たれていると考えられると報告されています。また、セレンの耐容上限量は成人で男性450μg/日、女性350μg/日です。サプリメントの中にはセレンを1カプセル当たり100-200μg含むものもありますので、不要な摂取はしないよう注意しましょう。

【FSANZ】食品基準通知:遺伝子組換え食品の定義の改訂

 オーストラリア・ニュージーランド食品基準局(FSANZ)は、Australia New Zealand Food Standards Codeにおける遺伝子組換え食品の定義の改訂を2025年9月2日に官報に掲載した旨を発表した。

(注目記事のまとめ:安全情報部第三室)

目次

【FAO】1. Codex

【EC】

1. 食品及び飼料に関する緊急警告システム(RASFF)

【ECHA】

1. ECHAの科学関連業務についての新しいウェブサイト

【EFSA】

1. MCRAプラットフォームの更新:高度な相互運用性とデータの接続性、及びアクセスしやすさの改善

2. MCRAにおける農薬の前向き及び遡及的な累積食事リスク評価のための2024年の標準的な規制措置の更新

3. Nikolaus Kriz氏、EFSAの新長官に就任

4. 新規食品関連

5. 農薬関連

【FSA】

1. 英国食品基準庁がCBD食品の初の認可案に関する協議を開始する

2. 2025年9月のFSA理事会のペーパーが公表される

【DEFRA】

1. 食品中の残留農薬:2024年第4四半期のモニタリング結果

【COT】

1. COT会合:2025年9月9日

【BfR】

1. 食品に含まれる塩素酸塩由来と健康リスクについてのQ&A

2. セレン:植物性食品に含まれるレベルは地域により異なるこの必須微量元素はバランスの取れた食事から十分な量が供給されている

3. フッ化物:歯には重要

4. BfR2GO, Issue1/2025. メインテーマ:フードサプリメント

【ANSES】

1. ANSESは欧州CLP規則において1,1,3,3-テトラメチルブチルペルオキシネオデカノエートを生殖毒性として分類することを提案する

【CAFIA】

1. CAFIA年次報告書2024

【FDA】

1. FDAはニコチンパウチの誤飲報告の増加を受け、ニコチンパウチ製造業者に対し、チャイルド・レジスタンス包装の使用をよびかける

2. FDAはインドネシア企業から輸入された特定の冷凍エビの飲食、販売、提供を控えるよう勧告する

3. FDAは水産物における経済的動機による異物混入(short weighting)に関する調査結果を発表する

4. 食品添加物規則改正

5. GRAS申請通知

6. 消費者警告

7. 公示

【EPA】

1. EPAは登録された従来型農薬及び抗菌性化学物質についての水生生物ベンチマークを更新する

2. EPAがFeed It Onwardイニシアチブを開始する

【CFIA】

1. リコール情報

【FSANZ】

1. ホスホイノシチドホスホリパーゼC加工助剤に関する意見募集

2. 食品基準通知

3. リコール情報

【APVMA】

1. APVMA、戦略計画2025-2030を発表

2. 農薬の有効性と作物の安全性の概要に関する新しい指導テンプレート

【TGA】

1. 輸入アーユルべーダ製品に危険な重金属が含まれている

【NSW】

1. 食品規則2025

【MPI】

1. ニュージーランド食品通知の改正案:農業用化学物質の最大残留基準値

2. ニュージーランドトータルダイエットスタディ

【NZEPA】

1. クロルピリホス廃棄の準備期間

【香港政府ニュース】

1. 食品混入不純物(金属汚染物質)改正規則2025が発効する

2. プレスリリース

3. 違反情報

4. リコール情報

【MFDS】

1. 日本産輸入食品の放射能検査の結果

2. 食品表示をより見やすく、フードQRを活性化

3. サムゲタン、ヤギ汁、冷麺などデリバリー飲食店などの集中点検の結果、66店舗を摘発

4. 一般食品を肥満治療薬などとして違法に広告・販売した業者5社を摘発

5. 食品砂漠化地域でも包装肉・卵を購入できます

6. 食品安全国「マガジンF」を紹介します

7. 韓国-エクアドル水産物電子衛生証明書に関する了解覚書締結でデジタル輸出入安全行政を実現

8. 回収措置

食品安全情報
http://www.nihs.go.jp/dsi/food-info/foodinfonews/index.html
食品安全情報(化学物質)No.19(2025.09.17)
https://www.nihs.go.jp/dsi/food-info/foodinfonews/2025/foodinfo202519c.pdf