米国が飲料水にPFAS基準

No.08(2024.04.17)

飲料水(イメージ)

国立医薬品食品衛生研究所が集めた食品の安全性に関する国際機関や各国公的機関等の最新情報から。フランスのANSESが進めるビジランス計画には、サプリ、強化食品、新規食品の摂取に関連するニュートリビジランス(Nutrivigilance)が含まれる。欧州当局はPFASの規制提案について、今後の評価の進行について概説している。米国環境保護庁は飲料水中のPFASについて法的拘束力のある基準を設定した。

注目記事

【ANSES】ANSESのビジランス計画の基本原則

 フランス食品・環境・労働衛生安全庁(ANSES)は、各種製品や食品への暴露に関連した有害影響を特定することを目的とした7つのビジランス計画を運営している。うち2つのビジランス計画(化粧品、タトゥー)は2024年1月から担当することになった。ビジランス計画は、有害影響の発生の徴候を検出できるようにすることが課題となっており、フランス公衆衛生局やフランス医薬品・保健製品安全庁と共同で、膨大なデータセットの中から新たな現象や珍しい出来事を特定する自動検出モデルの開発にも取り組んでいる。

※ポイント:ANSESのビジランス計画の1つに、フードサプリメント、強化食品、新規食品の摂取により起こりうる有害影響を素早く特定することを目的とした「ニュートリビジランス(Nutrivigilance)」があります。医療従事者(医師、薬剤師、栄養士など)、製造・販売業者、個人(消費者)から提出された有害事象の報告をもとに、ANSESが医学の専門家の支援を受けて重篤度や因果関係等を評価しています。その評価結果はANSESの意見(Opinion)として公表されるとともに、製品と有害事象との間に強い因果関係があり重篤度が高いと判断された場合には、関係省庁へ警告が伝えられて、製品の検査、回収、規制の改訂などの措置を講じることができるようになっています。

【ECHA】PFAS規制案に関する次の段階

 欧州化学品庁(ECHA)は、欧州におけるパー及びポリフルオロアルキル化合物(PFAS)の規制提案について、リスク評価科学委員会(RAC)及び社会経済分析委員会(SEAC)が今後どのように評価を進めていくかを概説する。

※ポイント:2023年1月に欧州5カ国(デンマーク、ドイツ、オランダ、ノルウェー、スウェーデン)から、PFASに分類される全ての化合物の生産と使用を制限するという規制案が欧州化学品庁(ECHA)へ提出されました。現在、2025年に予定している欧州委員会による規則制定に向けて、当該規制案をRACとSEACがREACH規則を踏まえて検討中であり、年内の委員会の開催予定と検討対象の項目が公表されています。

【EPA】PFAS汚染から1億人を守る初の飲料水基準を最終決定

 米国環境保護庁(EPA)は、飲料水に含まれるパー及びポリフルオロアルキル化合物(PFAS)6種について、法的拘束力のある最大汚染レベル(MCL)と、法的拘束力のない健康影響に基づく目標である最大汚染レベル目標(MCLG)を定める第一種飲料水規則(National Primary Drinking Water Regulation)の最終規則を発表した。飲料水中のPFASについて米国で法的拘束力のある基準が設定されるのは初めてである。EPAは全国の公共水道システムに対して、まずは初期の監視として3年間モニタリング検査を実施し、その結果がMCLを超過した場合には、5年以内(2029年まで)に飲料水中のPFASを低減するための措置を講じるよう求めている。

(注目記事のまとめ:安全情報部第三室)

目次

【FAO】

1. 食物アレルゲン表示:免除すべきか否か

2. 細胞性食品への高まる興味:グローバルウェビナー報告

3. Codex

【EC】

1. 食品及び飼料に関する緊急警告システム(RASFF)

【ECHA】

1. PFAS規制案に関する次の段階

【EFSA】

1. 食品酵素関連

2. 食品接触物質関連

3. 農薬関連

4. 飼料添加物関連

【FSA】

1. CPTPPS42助言に対するエビデンス募集の回答結果に関する概要

2. 規制製品認可プロセスの改革案に関する協議を開始

3. FSAの旗艦調査は、食品の値ごろ感への懸念が高まっていることを示している

4. 2024年3月消費者調査(Consumer Insights Tracker)

5. 北アイルランドにおける食料品及び飲料の持ち帰り購入数(2018年〜2022年)

6. リスク評価

7. リコール情報

【FSAI】

1. リコール情報

【BfR】

1. 世界保健機関とドイツ連邦リスク評価研究所は長期的な協力に合意

【RIVM】

1. オランダの消費者は、同じ金額でより健康的で環境的に持続可能な食事ができる

【ANSES】

1. 加工食品に含まれる糖類や甘味料の使用に関する報告書

2. ANSESのビジランス計画の基本原則

3. 水質分析試験所の承認:ANSES/OFB共同ポータル

【VKM】

1. 乳児用調製乳に含まれるプロバイオティクス

【Ruokavirasto】

1. フィンランドではすでに150万人の衛生パスポートが発行されている

【FDA】

1. FDAはダイエタリーサプリメントの新規ダイエタリー成分通知マスターファイルに関するガイダンス案を発行

2. FDAは物理的検査無しの即時留置(DWPE)対象水産物のサンプリング推奨ガイダンス案を発表

3. FDAは2023年のタルク含有化粧品のアスベスト検査のデータを発表する

4. FDAは経済的動機に基づく蜂蜜の異物混入に関する報告書を発表

5. 魚介類に関連する毒素およびスコンブロトキシンによる魚中毒の報告方法

6. FDAは有毒なキバナキョウチクトウで代用された特定のサプリメントについて警告する(2024年1月)

7. FDAフーズがインスタグラムを開始する

8. 着色添加物認証に関する報告:2024会計年度第2四半期、1月1日-3月31日

9. FDAとStop Foodborne Illnessの共催による5/9のライブ・ウェビナーで「食品安全文化」を探る

10. 警告文書

11. リコール情報

【EPA】

1. EPAは、特定のPFAS及びPFAS含有物質の破壊と廃棄に関する暫定ガイダンスを更新

2. バイデン-ハリス政権、PFAS汚染から1億人を守る初の飲料水国家基準値を最終決定

3. バイデン-ハリス政権、米国政府の保管契約からPFASを削減する行動を起こす

4. EPAは、小児鉛中毒予防のためニューハンプシャー州マンチェスター広域で鉛の一斉検査を開始する

5. EPA、ダクタールのリスクについて農業従事者に警告

【USDA】

1. バイデン-ハリス政権、WICを通じて提供される食品の科学的根拠に基づく最終更新を発表

2. APHISがウェブサイトをリニューアル、顧客とアクセシビリティを優先

3. アイスランド査察最終報告書

4. FSIS規制製品の米国原産品表示の自主規制について

【FSANZ】

1. GM(遺伝子組換え)トウモロコシ系統由来の食品について意見募集

2. 食品基準通知

【APVMA】

1. フェニトロチオン再検討のための規制決定案

【TGA】

1. ブロモキシニル製品の再スケジュールに関する更新情報-2024年4月

【MPI】

1. North Otagoの2人組、密猟パウアのオンライン販売で360時間の社会奉仕活動と12ヶ月の監督を命じられる

2. リコール情報

【香港政府ニュース】

1. CFSは問題が疑われる紅麴を含む可能性のある輸入瓶詰め黒酢製品を消費しないよう消費者に注意を呼び掛ける

2. 日本の小林製薬株式会社が製造した紅麹製品に関するインシデント

3. プレスリリース

4. 違反情報

5. リコール情報

【MFDS】

1. 日本産輸入食品の放射能検査の結果

2. 海外直輸入による健康食品、消費者は購入注意

3. 日本で回収中の「紅麹」製品は国内に輸入されていません

4. 日本の小林製薬「紅麹」健康食品の海外直輸入に対して国内搬入阻止

5. 日本の小林製薬「紅麹」健康食品、海外直輸入に注意してください!

6. 台湾で回収中の「紅麹」製品も国内に輸入されていません

7. 大麻成分含有ゼリー・キャンディー、このような海外直輸入食品の購入に注意してください!

8. 食品に使用できない金花葵の花と茎を使用した業者4カ所を摘発・措置

9. 原材料の含有量を事実と異なる表示・広告した離乳食製造業者を検察送致

10. 回収措置

【SFA】

1. Port Dickson(マレーシア)産イガイから検出されたバイオトキシン汚染に関する報道への回答

2. タダラフィルの混入が確認された食品「KINGU GINSENG CANDY」について

3. インドの非バスマティ白米輸出禁止に関する最新情報

4. リコール情報

【HSA】

1. 強力な成分を含む海外で発見された製品に関するHSA の更新情報(2024年3月)

2. リコール情報

【その他】

・ProMED-mail4件

食品安全情報
http://www.nihs.go.jp/dsi/food-info/foodinfonews/index.html
食品安全情報(化学物質)No.08(2024.04.17)
https://www.nihs.go.jp/dsi/food-info/foodinfonews/2024/foodinfo202408m.pdf