海藻のハザード検討の準備を

No.21(2022.10.12)

海藻(イメージ)

国立医薬品食品衛生研究所が集めた食品の安全性に関する国際機関や各国公的機関等の最新情報から。FAO/WHO合同専門家会合は海藻の食品安全について検討することを重視し、課題をまとめた。FSANZは、二酸化チタンへの食事による暴露がヒトの健康にとって懸念すべきものだと示す根拠はないとした。オーストラリアTGAは、ビタミンB6による末梢神経障害発生の可能性を指摘した。

注目記事

【FAO】海藻のための食品安全に関する専門家会合報告書:現状と今後の展望

 2021年10月28-29日に開催されたFAO/WHO合同専門家会合の報告書。海藻の養殖と食品への利用の増加は、今後数年間の、持続可能な食料安全保障と強固な水産経済の重要な柱になると予測されることから、その食品安全について検討することが重要となる。本報告書は、海藻の生産量と貿易量、ハザード因子、規制状況、今後の課題についてまとめている。海藻にはさまざまなハザードが同定されるが、食品安全上の優先度が高いと判断されたのは、ヒ素、カドミウム、ヨウ素、Salmonellaであった。

※ポイント:報告書によると、2019年の世界の藻類の総生産量は35,762,504トンで、その97%が養殖です。世界シェアの1位は中国の56.75%、日本は6位の1.5%で、アジア7カ国のみで全体の97.38%を占めています。

 藻類に関する今後の課題として、藻類の摂取量データを集めること、ハザードの発生や影響を与える一次生産方法に関するデータを集めること、海藻の養殖と収穫に関するコーデックスガイドラインを作成することなどが挙げられており、今後、データ募集などが呼び掛けられる可能性があるので、主要生産国である日本も準備しておく必要があるでしょう。

【FSANZ】食品添加物としての二酸化チタンのレビュー

 オーストラリア・ニュージーランド食品基準局(FSANZ)は、食品添加物としての二酸化チタン(TiO2)の安全性に関するレビューを完了した。現時点で食品グレードの二酸化チタンへの食事による暴露がヒトの健康にとって懸念すべきものであることを示す根拠はないことが確認された。

※ポイント:欧州食品安全機関(EFSA)が食品添加物としての二酸化チタンについて遺伝毒性の懸念が排除できないという曖昧な結論を出し、それを根拠にEUで食品添加物としての使用が禁止されたことを受けて実施されたレビューです。EFSAの評価では二酸化チタンのサイズや投与方法を限定せずに評価していましたが、FSANZはヒトが食品から暴露される状況を考慮して、食品グレードの二酸化チタンを用いた混餌投与の動物試験の結果を重視しています。

【TGA】ビタミンB6(ピリドキシン)サプリメントによる末梢神経障害

 オーストラリアTGAのレビューの結果、50mg未満の用量で、ビタミンB6を含む複数の製品(マルチビタミン・ミネラルサプリメント)を服用している場合に末梢神経障害が発生する可能性があることがわかった。そのためTGAは1日最大許容量を引き下げ、成人向けの製品は1日あたり100mg以上のビタミンB6を提供してはならないこと、また1日10mgを超えるビタミンB6を含むすべての製品に警告文を表示するよう規則を更新した。

※ポイント:ビタミンB6を含むサプリメントは日本でも流通していて、1粒あたり数十mg含むものもありますので、健康的に必要な量を超える摂取はしないように注意しましょう。

(安全情報部第三室)

食品安全情報へのリンク

食品安全情報
http://www.nihs.go.jp/dsi/food-info/foodinfonews/index.html
食品安全情報(化学物質)No.21(2022.10.12)
http://www.nihs.go.jp/dsi/food-info/foodinfonews/2022/foodinfo202221c.pdf

今号の目次

【WHO】
1. オンラインパブリックコメント:炭水化物摂取についてのガイドライン案
2. 専門家募集:WHO トランス脂肪排除技術助言グループ
3. 専門家募集:食品由来疾病負荷推定のための系統的レビュー及びその他の研究の実施
4. 塗料中の鉛の法的規制の世界の現状更新、2021年12月
5. 国際がん研究機関(IARC)

【FAO】
1. 食品ロスと廃棄に取り組む:三重の勝利のチャンス
2. 海藻のための食品安全に関する専門家会合報告書:現状と今後の展望
3. WHO が新しい食品安全の世界戦略に関するウェビナーを開催
4. Codex

【EC】
1. 水枠組み指令優先物質の環境質基準案と地下水質基準に関する予備的意見にパブリックコメント募集
2. 農場から食卓まで:EU の動物の福祉規制の結果として福祉はより良くなったが十分ではない、レビューが発見
3. 査察報告書
4. 食品及び飼料に関する緊急警告システム(RASFF)

【EFSA】
1. EFSA の機密性の評価及び機密性を下げる編集
2. EU の消費者の懸念はコスト、次に食品の安全性
3. 食品中のN-ニトロソ化合物に関する広範な文献検索
4. 食品酵素関連
5. 遺伝子組換え関連
6. 農薬関連

【FSA】
1. FSA 理事会の議論の要約-2022年9月26日
2. 食用昆虫規制改正案に対する意見募集への回答を公表する
3. 食用昆虫のリスクプロファイル:要約
4. リコール情報
5. 英国の消費者の精密育種食品についての意見

【FSS】
1. FSS は EU 維持法案による消費者への重大なリスクを警告する

【DEFRA】
1. 食品中の残留農薬:2022年第1四半期のモニタリング結果

【DHSC】
1. ガイダンス:脂肪・砂糖・塩の多い製品の場所と大口販売宣伝制限

【DWI】
1.「飲料水中 PFAS 濃度決定方法」研究報告書発表
2.「有機リン難燃剤-イングランドとウェールズの飲料水のリスク」研究報告書発表

【ASA】
1. ASA 裁定

【FSAI】
1. アイルランドの消費者が食品を購入する際の最も大きな懸念事項はコスト
2. リコール情報

【BfR】
1. イベント情報2. 今までと違うレッスン:ドイツ連邦リスク評価研究所の消費者健康保護―若者向
3. 加工食品の汚染物質としての3-MCPD:最新情報と残る課題

【RIVM】
1. 植物保護製品中の禁止物質類似物質の調査の後、対策は必要ない
2. 地元住民への農薬暴露と健康研究の実行可能性

【FDA】
1. FDA は食品表示上の「ヘルシー」の定義の更新を提案する
2. FDA は輸入農産物の安全性向上に向けた取り組みの概要を発表する
3. 第4回 TechTalk Podcast は州や地域のパートナーとのデータ交換に焦点を当てる
4. FDA は食品包装材における特定のフタル酸エステル類の使用を制限し、最新の食品接触用途及び安全性データに関する情報提供を求める文書を発行する
5. 乳児用調製乳の供給を増やすための製造業者への執行裁量
6. ヒト及び動物用食品施設に対し、2022年10月1日から12月31日の間に登録又は登録更新するよう改めて呼びかける
7. 着色添加物認証に関する報告:2022会計年度第4四半期
8. リコール情報
9. 警告文書

【NTP】
1. ICCVAM2020-2021隔年報告書
2. ニュースレター

【EPA】
1. グリホサート暫定登録審査決定の取り下げ
2. EPAは処理種子の請願について回答

【USDA】
1. 飢餓・栄養・健康についてのホワイトハウス会議:私にとっての意味
2. APHIS は規制状態レビュー回答を発表:Agrivida, 社のトウモロコシと Toolgen, 社のジャガイモ

【NIH】
1. ファクトシート更新:亜鉛

【CFIA】
1. フラットブレッドやビーガン製品に含まれるフタル酸エステル類
2. アルコール飲料、魚類、貝類及び甲殻類における総ヒ素及びヒ素の種類

【FSANZ】
1. 食品添加物としての二酸化チタンのレビュー
2. 食品基準ニュース
3. カバの食品規格の12ヶ月レビューについて意見募集
4. 食品基準通知

【APVMA】
1. APVMA は2021-22年に高いパフォーマンスを維持し続けた
2. フィプロニルのレビュー

【TGA】
1. Best Body Industries Pty Ltd がスポーツサプリメントの違法な広告をしたとして約
13万ドルの罰金を科す
2. ビタミン B6(ピリドキシン)サプリメントによる末梢神経障害

【NSW】
1. リコール情報

【香港政府ニュース】
1. シガテラ魚中毒
2. リスク評価からどのように食品リスクを知ることができるか? 3. インドネシア産の包装済みインスタントラーメンからエチレンオキシドを検出
4. 許可されていない着色剤スーダン染料が包装済み赤唐辛子フレークから検出
5. 違反情報

【MFDS】
1.日本産輸入食品の放射能検査の結果
2. 健康的な食生活実践の第一歩、私の栄養指数調べ!
3. プロバイオティクス製品に対する輸入者検査命令の施行
4. 薬処、薬剤耐性管理の国際規範履行のために先頭に立つ
5. 異物混入疑惑のフライドポテト売場、「食品衛生法」違反行為を摘発・措置
6. 食薬処、ホームショッピング業界対象に不当広告予防教育を実施
7. 残留農薬基準が超過検出された「カボチャの種」の回収措置

【SFA】
1. 通知:食品(改正第二号)規則2022
2. インドネシア産 Mie Sedaap spicy noodle2製品はエチレンオキシド混入のためリコール

【その他】
・食品安全関係情報(食品安全委員会)から
・世界保健機関(WHO:World Health Organization)https://www.who.int/