「夢ごこち」のブランド力アップに力を入れる中島美雄商店
食の損得感情

民間育成品種がコメ流通を変える

ビジネスファーマー向けの雑誌「農業経営者」(農業技術通信社)8月号で、「民間育種米で商機をつかめ」とする特集を組んだ。執筆に参加して感心したのは、民間が育成したコメの新品種がコメ流通を変えつつあることと、それによって“コシヒカリ神話”がいずれ“昔話”になっていく予感だ。
コシヒカリの圃場。作り手の数だけコシヒカリの品質はあるが、その違いは消費者には伝わらない
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コシヒカリ頼みの文化的貧困状態から脱出するには

手もとの日本経済新聞を机の上に置いて眺める。今日のニュースをチェックしようというのではない。たとえとして、第一面全体を日本の水稲うるち米圃場の全面積だと考えてみる。紙面の上から6段分、中央の折り目から上のほとんどのスペースが「コシヒカリ」で埋まっていると想像して欲しい。以下、「ひとめぼれ」「ヒノヒカリ」「あきたこまち」がざっと1.5段ずつを占め、『春秋』というコラムの上までのほとんどを埋めてしまう […]
DAKARA。よからぬ思い込みが筆者だけのものであることを祈る
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思い込むのは消費者の勝手か

ある雑誌の編集長から聞いた不思議な話。九州のある小さな町に、小さな喫茶店がある。その店のマスターは、お客にマジックを披露してくれる。それが評判で、全国からお客が遠路はるばる訪ねて来る。日本を代表するような有名な企業の経営者やタレントなど、著名人もたくさんやって来る。あまりに大勢が来店し、行列が出来ては近所迷惑なので、当日朝一番に電話して予約しなければならない。
肘掛上のコールボタン
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間違いを起こせない環境こそがヒューマンエラーを封じ込める

先日、羽田から福岡へ向かった時のこと。飛行機の座席に座って新聞を読み始めたところ、私の隣、通路側に座った男性にキャビンアテンダント(CA)が声を掛けて来た。「お呼びになりましたでしょうか?」。男性は、「いや、呼んでない」と答える。すると、CAの手がヌッと私に向かって伸びてきて、肘掛に載った私の腕を払いのけた。
みやげ物店の店頭で干されている干し魚。HACCPからは程遠い代物だが、こういうものは、なぜか平気で買っていく人が多い
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安全への真剣さを疑う光景

以前、電車に乗っていたときのこと。昼過ぎの上りながら、その車両の座席はほぼ埋まっていて、私を含め、途中で乗ってきた何人かがつり革につかまっているといった混み具合だった。網棚に荷物を載せて、ふと視線を落としたその時、私の前の座席で居眠りしている男性の頭に目が釘付けになった。脂でテカテカと光る頭髪に、おびただしいフケがからんでいる。紺色の背広の肩にも、粉雪のように、それは積もっていた。思わず、「うわっ […]
たくさんの材料で作ったパエリア。複数の食品をどう組み合わせて調理しても、毒が発生することがないというのは、考えてみればありがたくも不思議な話だ
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食い合わせ問題は食品添加物のハンディ

「ライフスタイル革命」という本がある。ナチュラル・ハイジーンという米国の健康法の入門書「FIT FOR LIFE by Harvey and Marilyn Diamond」の翻訳に、訳者による解説と実践のガイドを補ったもの。初版は1999年だが、最近は重版されていないようで書店ではほとんど手に入らない。オークションサイトでは非常に人気があり、いつも定価の2倍近い値が付いている。以前、あるオークシ […]
超繁盛回転ずし店「寿司虎」新別府店
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ディズニーの野菜工場と「寿司虎」の養殖サバ

東京ディズニーリゾート(TDR)を運営するオリエンタルランドが、“野菜工場”に取り組む。毎日新聞が報じたところによれば、同社子会社が発光ダイオード(LED)による水耕栽培施設を千葉県袖ケ浦市に作り、葉もの野菜を生産。来春からTDRに出荷する。栽培するのはレタスのほか、ホウレンソウ、ハーブ、水菜など。
苗箱を並べる稲葉氏、「育苗の技術は農家一人ひとりが大切にすべき」と言う
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トップダウンが招く成長の限界

案の定と言うべきか、2月23日掲載の「有機農法の普及とGM作物推進に共通する想い」に対して、民間稲作研究所の稲葉光國氏より、ご自身の考えと違うとのお話をいただいた。稲葉氏とGM推進派の「両者が心に抱く思いは同じものに見える」という見方は、全く不本意とのことだった。
赤米。コメは白ばかりではなかった
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売れるのは白か黒か茶色か……

何年か前、青果流通に携わっていた友人が、ゴボウ生産者と話し合い、洗いゴボウを出荷することにした。ただ、見た目が良くない。そこで、消費者になぜ色が良くないのかを伝え、品質が劣るわけではないことを訴えるため、パッケージに漂白に類する加工をしていない旨を表示することにした。ところが、出荷先となる大手スーパーの担当者からストップがかかった。
子供の皿で泣いていた野菜コロッケ
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“理想の食”のために闘えるか

世界を変えることは、闘争であると考える人は、今日なお多い。全共闘世代の人々、それに続く、学園が内ゲバに明け暮れていた頃に学生生活を送った人々と話していると、そう感じることが多い。私の高校の恩師は、さらにその前の全学連の頃の人だが、「生きることは闘いだ」と説かれて困った思い出がある。
圃場で指導に当たる稲葉光國氏
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有機農法の普及とGM作物推進に共通する想い

長年農業高校で教鞭をとってきた栃木県の稲葉光國氏は、10年ほど前に約30年間の教諭生活に終止符を打ち、97年に民間稲作研究所(現在はNPO法人)を設立した。化学肥料や農薬を使わない稲作の体系作りと普及に専念するためで、現在は活動を全国規模に広げ、各地の生産者が稲葉氏の方法の実践と結果のフィードバックを行っている。
Polysack Plastic Industries社のChromatiNet
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「あれもこれも」で経営の可能性を広げる

イスラエルのPolysack Plastic Industries社が面白い調光ネットを販売している。施設園芸(ビニールハウスやガラスハウスなどの施設を使って野菜や花きなどを栽培すること)では、保温、遮光、遮熱などのために様々なカーテンスクリーンを使う。一般的なのは、白や黒のネット状のものだが、同社のChromatiNet(彩色ネットの意)はその名の通り、赤、黄、青、グレー、パールなどの色が着いて […]
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有機農家に期待される役割

1月19日、任意の生産者組織JOHF(Japan Organic Heart Farmers-Food-Family)の生産者会議が開催された。同会は、事務局長でワタミファーム社長の武内智が平成フードサービス副社長時代に目標と価値観の会う生産者と設立したもので、年に一度の生産者会議も今回で10回目となった。会場はワタミ本社で、同社の渡邉美樹社長も出席した。
牛だけがスターなのではない(国産の乳牛。本文とは関係ありません)
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隠すのではなく、自慢することを考える

2005年11月、公正取引委員会がフォルクス(大阪府吹田市、山口伸昭社長)に対し、牛の成型肉を「生肉の切り身であるかのように表示していた」として排除命令を下した。このニュースを耳にして、最初から「当然だ」と受け止めた外食関係者は、どれほどいただろうか。「言われてみればその通り」「今後気を付けねば」という感想に至ったのはしばし考えてから、という関係者は一人や二人ではなかったのではないか。