土を知る、土を使う

作物の栄養と土の成分の関係は

ヒトの栄養を考える手がかりとして、学校では「6つの食品群」というものを教わったと思います。それと似たように、植物については「植物の3大栄養素」というものを習うものです。窒素、リン酸、カリ(カリウム)の3つです。ところが、私のこれまでの連載では、窒素、リン酸、カリがさっぱり出てきません。そのかわり、石灰、苦土、カリ、つまりカルシウム、マグネシウム、カリウムという成分の話を繰り返しています。きっと「一 […]
マルチを施した大型圃場
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石灰過多の圃場では何が起こるのか

先ごろ東京都内で農業をしている人たち向けのセミナーをさせていただきました。「東京の農業」と言ってもピンと来ないかもしれませんが、都内の野菜生産量は9万tほどあり、都民の消費量の5%程度をまかなっているというのですから、無視できない存在です。そして、実際の圃場を訪ねて土壌調査をしてみるとわかるのですが、実は都市の農地の土壌健全性はたいへんよいものです。逆に、有名な野菜産地は、意外と歪みがあるものです […]
雨は与え、奪う
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産地の土が歪んだ理由

前回は塩基飽和度というものについて説明をしました。土のコロイドを円卓の周りに椅子が並んでいるところに見立て、仮に椅子が全部で10脚の場合、そこにカルシウムが5個、マグネシウムが2個、カリが1個座っているとすると、それぞれカルシウム飽和度50%、マグネシウム飽和度20%、カリ飽和度10%ということになるということでした。この3種類を「交換性塩基」と言い、この3つのパーセントを足したものを「塩基飽和度 […]
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土壌中の栄養のバランス

前回までの説明で、土が栄養を一時的に保持することがわかりました。土のコロイドが負(-)の電気を帯びていることから、正(+)の電気を帯びた小さな粒(陽イオン)を吸着するということでした。今回は、この土のコロイドに吸着されている成分について考えてみましょう。
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元肥の不思議

これまで土がどんな物質か、どのようなプロセスで出来て、どのようなもので成り立っているかといったことを説明してきました。今回からは、そのように出来ている土が、どのような働きをするかといった説明をしていきます。
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土の中の生物

とらえどころのない土の正体をつかむため、土が造岩鉱物、生物、腐植、粘土鉱物の4つの要素の混合物だと指摘し、それぞれの解説をしてきました。今回は、土の中の生物についてお話しますが、これまでにもまして、一握の土くれの中に実に奇っ怪な世界があるとわかることでしょう。
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造岩鉱物と岩石のスープ

土は造岩鉱物、生物、腐植、粘土鉱物の4つの要素の混合物だということを指摘し、このうち粘土鉱物と腐植について説明をしました。今回は、造岩鉱物がどんな役割を持っているかを説明します。
モンモリロナイト族の結晶の模式図
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3つの粘土鉱物

土の正体をつかむ説明を続けます。前回は土は4つの要素の混合物だということを指摘しました。すなわち、造岩鉱物、生物、腐植、粘土鉱物の4つです。この中で、粘土鉱物と腐植は作物を育てる上でとくに重要なものです。今回は、粘土鉱物がどういうものであるかと、3種類の粘土鉱物の特徴について説明します。
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土を形づくる4つの要素

前回は、身近な物質でありながら、とらえどころのない土について、その誕生プロセスを見てみました。少しおさらいをした上で、土の組成のポイントを整理しましょう。
北海道の農場
北の空から見えるのは

“あたたかな”北海道で明日を見ませんか

「福島」「香川」「熊本」「三重」「鳥取」「加賀」「伊達」「白石」「北広島」「新十津川」「世田谷」……日本地図を広げて当てずっぽうに地名を挙げたのではない。これらはどれも北海道にある地名だ。それぞれ、入植した人たちが新天地にふるさとの名前を付けた、歴史ある地名である。
宮城県の被災圃場
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東日本大震災における農業復興技術について

まずもって、今回の大地震で被災されました皆さまに心よりお見舞い申し上げます。 この原稿は農業技術の範囲において、今後の復興に向けてどのような可能性を持っているかを考えたものであることを、最初に明記しておきます。また、現場調査をしないでの意見であることも申し添えます。
図3
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土の誕生プロセス

土は多様であり、とらえどころのない物質です。しかし、土がどのようにできるかを押さえておけば、土を理解する手がかりになります。そして、実際の圃場の調査や分析をする際に役立つ重要な基礎的知識になります。