
日本フードサービス協会(JF)は2025年6月外食産業市場動向調査を発表した。全体(事業社数226、店舗数36,386店=100.7%)合計の売上高は106.0%と拡大。客単価は上昇したが、客数は101.9%と前年同月を上回った。
売上高は、焼肉ファミリーレストランを除くすべての業種・業態が前年同月を上回った。和風ファストフード(12.5%増)と喫茶(12.0%増)は2桁増。ともに客数は前年並みおよび微増だったが、客単価が2桁上昇した結果。
焼肉ファミリーレストランは客数が4.9%減、客単価4.7%上昇で、売上高は0.4%減と前年同月に達しなかった。ディナーレストランが客単価が1.4%低下し、客数は3.1%増加した。
JFによる概況は以下のとおり。
6月は、下旬を中心に6月としては「記録的な高温」となったため、冷たい麺類メニューや、ビール類、飲料などが好評となったほか、物価高などからの節約志向の強まりを背景に、FFなど低価格業態や各社のお得なキャンペーンが好調で、外食全体としては、売上106.0%と堅調を維持した。しかし、暑すぎる天候は一部で客足にマイナスとなり、土曜日が少ない曜日まわりなども影響し、客数の伸びは鈍化し101.9%、業態によっては客数が前年を下回った。
売上高と店舗数の伸び率推移(〜2025年6月)
[jfchange202506]
事業社数 | 店舗数 | 売上高(前年比) | 店舗数(前年比) | 客数(前年比) | 客単価(前年比) | ||
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全体 | (N=226) | (N=36,386) | 106.0% | 100.7% | 101.9% | 104.1% | |
ファストフード | 合計 | (N=51) | (N=21,053) | 106.9% | 101.3% | 102.1% | 104.7% |
洋風 | (N=17) | (N=6,097) | 105.2% | 101.7% | 104.5% | 100.7% | |
和風 | (N=14) | (N=5,348) | 112.5% | 102.7% | 100.3% | 112.2% | |
麺類 | (N=18) | (N=3,147) | 109.0% | 100.7% | 105.0% | 103.9% | |
持ち帰り米飯/回転寿司 | (N=18) | (N=4,075) | 103.4% | 99.6% | 94.7% | 109.2% | |
その他 | (N=9) | (N=2,386) | 103.1% | 101.3% | 99.8% | 103.3% | |
ファミリーレストラン | 合計 | (N=65) | (N=9,813) | 104.6% | 99.3% | 101.5% | 103.1% |
洋風 | (N=33) | (N=4,886) | 103.9% | 97.3% | 101.5% | 102.4% | |
和風 | (N=30) | (N=2,333) | 107.0% | 101.1% | 102.8% | 104.1% | |
中華 | (N=12) | (N=1,218) | 108.9% | 102.7% | 102.8% | 106.0% | |
焼肉 | (N=16) | (N=1,376) | 99.6% | 100.8% | 95.1% | 104.7% | |
パブ/居酒屋 | 合計 | (N=38) | (N=1,810) | 102.3% | 100.5% | 99.7% | 102.6% |
パブ・ビアホール | (N=13) | (N=402) | 101.1% | 102.6% | 98.4% | 102.7% | |
居酒屋 | (N=31) | (N=1,408) | 103.0% | 99.9% | 100.5% | 102.5% | |
ディナーレストラン(計) | (N=28) | (N=1,014) | 101.6% | 102.4% | 103.1% | 98.6% | |
喫茶(計) | (N=25) | (N=2,481) | 112.0% | 100.9% | 101.3% | 110.6% | |
その他(計) | (N=19) | (N=215) | 100.1% | 87.8% | 97.0% | 103.2% |
凡例:10%以上のプラス/5%以上のプラス/前年同月未達(四捨五入で100.0%となっているものを含む)/5%以上のマイナス/10%以上のマイナス。
※前年同月比は税抜比較で行っている。
※ファストフード、ファミリーレストラン、パブ/居酒屋の各業態の内訳に関しては、重複する事業社があるため合計の数値は必ずしも内訳の累積に一致しない。
ファストフード
ファストフード全体の事業社数は51、店舗数は21,053店(101.3%)。客単価は上昇したが、客数は102.1%と前年同月を上回った。売上高は106.9%と拡大。
洋風ファストフード(事業社数17、店舗数6,097店=101.7%)は、客単価は前年並みだが、客数は104.5%と前年同月を上回った。売上高は105.2%と拡大。
和風ファストフード(事業社数14、店舗数5,348店=102.7%)は、客単価は2桁アップと大幅に上昇しながら、客数は100.3%と前年並み。売上高は112.5%と2桁の拡大。
麺類ファストフード(事業社数18、店舗数3,147店=100.7%)は、客単価は上昇したが、客数は105.0%と増加。売上高は109.0%と拡大。
持ち帰り米飯/回転寿司ファストフード(事業社数18、店舗数4,075店=99.6%)は、客単価は際立って上昇し、客数は94.7%と減少。売上高は103.4%と前年同月を上回った。
その他ファストフード(事業社数9、店舗数2,386店=101.3%)は、客単価は上昇しながら、客数は99.8%とほぼ前年並み。売上高は103.1%と前年同月を上回った。
ファミリーレストラン
ファミリーレストラン全体の事業社数は65、店舗数は9,813店(99.3%)。客単価は上昇したが、客数は101.5%と前年同月を上回った。売上高は104.6%と前年同月を上回った。
洋風ファミリーレストラン(事業社数33、店舗数4,886店=97.3%)は、客単価は上昇したが、客数は101.5%と前年同月を上回った。売上高は103.9%と前年同月を上回った。
和風ファミリーレストラン(事業社数30、店舗数2,333店=101.1%)は、客単価は上昇したが、客数は102.8%と前年同月を上回った。売上高は107.0%と拡大。
中華ファミリーレストラン(事業社数12、店舗数1,218店=102.7%)は、客単価は際立って上昇したが、客数は102.8%と前年同月を上回った。売上高は108.9%と拡大。
焼肉ファミリーレストラン(事業社数16、店舗数1,376店=100.8%)は、客単価は上昇し、客数は95.1%と前年同月を下回った。売上高は99.6%と未達ながら前年同月並み。
パブ・居酒屋
パブ/居酒屋全体の事業社数は38、店舗数は1,810店(100.5%)。客単価は上昇しながら、客数は99.7%とほぼ前年並み。売上高は102.3%と前年同月を上回った。
パブ・ビアホール(事業社数13、店舗数402店=102.6%)は、客単価は上昇し、客数は98.4%と前年同月を下回った。売上高は101.1%と前年同月を上回った。
居酒屋(事業社数31、店舗数1,408店=99.9%)は、客単価は上昇しながら、客数は100.5%と前年並み。売上高は103.0%と前年同月を上回った。
ディナーレストラン
ディナーレストラン全体(事業社数28、店舗数1,014店=102.4%)は、客単価は下降し、客数は103.1%と前年同月を上回った。売上高は101.6%と前年同月を上回った。
喫茶
喫茶全体(事業社数25、店舗数2,481店=100.9%)は、客単価は2桁アップと大幅に上昇したが、客数は101.3%と前年同月を上回った。売上高は112.0%と2桁の拡大。
その他の業態
その他全体(事業社数19、店舗数215店=87.8%)は、客単価は上昇し、客数は97.0%と前年同月を下回った。売上高は100.1%と前年同月をクリア。
●日本フードサービス協会
http://www.jfnet.or.jp/data/data_c.html