日本フードサービス協会(JF)は2025年9月外食産業市場動向調査を発表した。全体(事業社数226、店舗数36,834店=100.8%)合計の売上高は104.8%と前年同月を上回った。客単価は上昇したが、客数は101.3%と前年同月を上回った。
客数は、ファストフードとディナーレストランを除く9の業種・業態で前年同月を下回った。とくに、焼肉ファミリーレストランは13.4%減となった。
客単価はすべての業種・業態で上昇した。とくに、喫茶(8.4%上昇)、和風ファストフード(7.3%上昇)、焼肉ファミリーレストラン(7.0%上昇)、和風ファミリーレストラン(6.1%上昇)、持ち帰り米飯/回転寿司(5.4%上昇)、中華ファミリーレストラン(5.2%上昇)の上昇幅が大きかった。
この結果、売上高は10の業種・業態で前年同月を上回った。とくに、和風ファストフード(10.1%増)、麺類ファストフード(8.5%増)、喫茶(8.0%増)、洋風ファストフード(6.6%増)などが好調だった。焼肉ファミリーレストランは-7.3%減となった。
JFによる概況は以下のとおり。
9月は例年、夏休み明けに外食需要は一旦落ち着くが、今年は特に厳しい残暑と物価高騰が続き、外食控えと節約志向が強まり、レストラン業態・飲酒業態で特にその傾向が強く、前半を中心に客足が鈍った。一方で、堅調なFF業態やFRの低価格業態が外食全体の売上を押し上げ、売上は104.8%となった。
売上高と店舗数の伸び率推移(〜2025年9月)

| 事業社数 | 店舗数 | 売上高(前年比) | 店舗数(前年比) | 客数(前年比) | 客単価(前年比) | ||
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 全体 | (N=226) | (N=36,834) | 104.8% | 100.8% | 101.3% | 103.4% | |
| ファストフード | 合計 | (N=53) | (N=21,537) | 106.1% | 101.5% | 102.6% | 103.5% |
| 洋風 | (N=20) | (N=6,172) | 106.6% | 101.7% | 104.7% | 101.8% | |
| 和風 | (N=16) | (N=5,320) | 110.1% | 102.3% | 102.6% | 107.4% | |
| 麺類 | (N=19) | (N=3,287) | 108.5% | 101.4% | 104.3% | 104.0% | |
| 持ち帰り米飯/回転寿司 | (N=17) | (N=4,267) | 97.7% | 100.0% | 92.7% | 105.4% | |
| その他 | (N=9) | (N=2,491) | 103.3% | 102.4% | 102.4% | 100.9% | |
| ファミリーレストラン | 合計 | (N=63) | (N=9,287) | 102.5% | 99.4% | 98.8% | 103.8% |
| 洋風 | (N=29) | (N=4,425) | 103.8% | 98.0% | 99.9% | 103.9% | |
| 和風 | (N=30) | (N=2,261) | 104.5% | 100.8% | 98.5% | 106.1% | |
| 中華 | (N=14) | (N=1,242) | 104.9% | 102.1% | 99.8% | 105.2% | |
| 焼肉 | (N=16) | (N=1,359) | 92.7% | 99.3% | 86.7% | 107.0% | |
| パブ/居酒屋 | 合計 | (N=38) | (N=2,233) | 100.9% | 99.6% | 98.6% | 102.3% |
| パブ・ビアホール | (N=13) | (N=403) | 99.9% | 102.5% | 98.3% | 101.7% | |
| 居酒屋 | (N=30) | (N=1,830) | 101.4% | 99.0% | 98.8% | 102.6% | |
| ディナーレストラン(計) | (N=29) | (N=1,067) | 103.9% | 102.3% | 102.4% | 101.5% | |
| 喫茶(計) | (N=24) | (N=2,486) | 107.9% | 101.0% | 99.6% | 108.4% | |
| その他(計) | (N=19) | (N=224) | 94.1% | 87.5% | 92.5% | 101.7% | |
凡例:10%以上のプラス/5%以上のプラス/前年同月未達(四捨五入で100.0%となっているものを含む)/5%以上のマイナス/10%以上のマイナス。
※前年同月比は税抜比較で行っている。
※ファストフード、ファミリーレストラン、パブ/居酒屋の各業態の内訳に関しては、重複する事業社があるため合計の数値は必ずしも内訳の累積に一致しない。
ファストフード
ファストフード全体の事業社数は53、店舗数は21,537店(101.5%)。客単価は上昇したが、客数は102.6%と前年同月を上回った。売上高は106.1%と拡大。
洋風ファストフード(事業社数20、店舗数6,172店=101.7%)は、客単価は上昇したが、客数は104.7%と前年同月を上回った。売上高は106.6%と拡大。
和風ファストフード(事業社数16、店舗数5,320店=102.3%)は、客単価は際立って上昇したが、客数は102.6%と前年同月を上回った。売上高は110.1%と2桁の拡大。
麺類ファストフード(事業社数19、店舗数3,287店=101.4%)は、客単価は上昇したが、客数は104.3%と前年同月を上回った。売上高は108.5%と拡大。
持ち帰り米飯/回転寿司ファストフード(事業社数17、店舗数4,267店=100.0%)は、客単価は際立って上昇し、客数は92.7%と減少。売上高は97.7%と前年同月を下回った。
その他ファストフード(事業社数9、店舗数2,491店=102.4%)は、客単価は前年並みだが、客数は102.4%と前年同月を上回った。売上高は103.3%と前年同月を上回った。
ファミリーレストラン
ファミリーレストラン全体の事業社数は63、店舗数は9,287店(99.4%)。客単価は上昇し、客数は98.8%と前年同月を下回った。売上高は102.5%と前年同月を上回った。
洋風ファミリーレストラン(事業社数29、店舗数4,425店=98.0%)は、客単価は上昇しながら、客数は99.9%とほぼ前年並み。売上高は103.8%と前年同月を上回った。
和風ファミリーレストラン(事業社数30、店舗数2,261店=100.8%)は、客単価は際立って上昇し、客数は98.5%と前年同月を下回った。売上高は104.5%と前年同月を上回った。
中華ファミリーレストラン(事業社数14、店舗数1,242店=102.1%)は、客単価は際立って上昇しながら、客数は99.8%とほぼ前年並み。売上高は104.9%と前年同月を上回った。
焼肉ファミリーレストラン(事業社数16、店舗数1,359店=99.3%)は、客単価は際立って上昇し、客数は86.7%と2桁の大幅減。売上高は92.7%と縮小。
パブ・居酒屋
パブ/居酒屋全体の事業社数は38、店舗数は2,233店(99.6%)。客単価は上昇し、客数は98.6%と前年同月を下回った。売上高は100.9%と前年同月をクリア。
パブ・ビアホール(事業社数13、店舗数403店=102.5%)は、客単価は上昇し、客数は98.3%と前年同月を下回った。売上高は99.9%と未達ながら前年同月並み。
居酒屋(事業社数30、店舗数1,830店=99.0%)は、客単価は上昇し、客数は98.8%と前年同月を下回った。売上高は101.4%と前年同月を上回った。
ディナーレストラン
ディナーレストラン全体(事業社数29、店舗数1,067店=102.3%)は、客単価は上昇したが、客数は102.4%と前年同月を上回った。売上高は103.9%と前年同月を上回った。
喫茶
喫茶全体(事業社数24、店舗数2,486店=101.0%)は、客単価は際立って上昇しながら、客数は99.6%とほぼ前年並み。売上高は107.9%と拡大。
その他の業態
その他全体(事業社数19、店舗数224店=87.5%)は、客単価は上昇し、客数は92.5%と減少。売上高は94.1%と縮小。
●日本フードサービス協会
http://www.jfnet.or.jp/data/data_c.html
