
日本フードサービス協会(JF)は2025年5月外食産業市場動向調査を発表した。全体(事業社数220、店舗数36,213店=100.7%)合計の売上高は110.8%と2桁の拡大。客単価は際立って上昇したが、客数は104.9%と前年同月を上回った。
売上高は、すべての業種・業態が前年同月を上回った。とくに、中華ファミリーレストラン(16.3%増)洋風ファストフード(15.2%増)和風ファミリーレストラン(11.4%増)麺類ファストフード(11.1%増)は2桁増。洋風ファストフードは客数も2桁増だった(11.1%増)。
客単価はすべての業種・業態で上昇。上昇幅が大きかったのは、和風ファストフード(9.1%増)喫茶(9.0%増)持ち帰り米飯/回転寿司(8.5%増)中華ファミリーレストラン(7.9%増)その他ファストフード(6.7%増)和風ファミリーレストラン(6.6%増)麺類ファストフード(6.5%増)など。
JFによる概況は以下のとおり。
5月は、大型連休が飛び石連休となったが、むしろ近場での人出が増え連休中の需要は堅調に推移し、連休明け以降の落ち込みも比較的少なかったことから、外食全体の売上は110.8%となった。インバウンド需要が引き続き好調で、大阪周辺の繁華街やターミナル駅立地では、大阪・関西万博の集客がプラスに働いた。人手不足の常態化と原材料価格の高騰が続く中で、外食事業者も値上げせざるを得ない状況にあると、消費者には理解されるようになってきたが、先行き不透明の状況下で実際にはぎりぎりの調整が続いている。
売上高と店舗数の伸び率推移(〜2025年5月)

事業社数 | 店舗数 | 売上高(前年比) | 店舗数(前年比) | 客数(前年比) | 客単価(前年比) | ||
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全体 | (N=220) | (N=36,213) | 110.8% | 100.7% | 104.9% | 105.6% | |
ファストフード | 合計 | (N=51) | (N=21,074) | 111.8% | 101.3% | 105.1% | 106.3% |
洋風 | (N=18) | (N=6,093) | 115.2% | 101.6% | 111.1% | 103.7% | |
和風 | (N=15) | (N=5,332) | 109.9% | 102.4% | 100.7% | 109.1% | |
麺類 | (N=17) | (N=3,142) | 111.1% | 100.6% | 104.3% | 106.5% | |
持ち帰り米飯/回転寿司 | (N=17) | (N=4,079) | 105.8% | 99.8% | 97.6% | 108.5% | |
その他 | (N=9) | (N=2,428) | 108.4% | 101.5% | 101.6% | 106.7% | |
ファミリーレストラン | 合計 | (N=64) | (N=9,756) | 110.4% | 99.7% | 105.8% | 104.3% |
洋風 | (N=31) | (N=4,818) | 108.5% | 97.9% | 105.7% | 102.7% | |
和風 | (N=30) | (N=2,329) | 111.4% | 101.1% | 104.6% | 106.6% | |
中華 | (N=14) | (N=1,230) | 116.3% | 103.2% | 107.8% | 107.9% | |
焼肉 | (N=16) | (N=1,379) | 109.6% | 100.5% | 105.8% | 103.6% | |
パブ/居酒屋 | 合計 | (N=37) | (N=1,794) | 104.8% | 100.3% | 102.0% | 102.7% |
パブ・ビアホール | (N=11) | (N=394) | 103.0% | 102.3% | 101.3% | 101.7% | |
居酒屋 | (N=30) | (N=1,400) | 105.7% | 99.7% | 102.4% | 103.2% | |
ディナーレストラン(計) | (N=24) | (N=892) | 108.0% | 101.6% | 107.9% | 100.0% | |
喫茶(計) | (N=24) | (N=2,477) | 109.7% | 100.7% | 100.6% | 109.0% | |
その他(計) | (N=20) | (N=220) | 101.7% | 89.1% | 99.8% | 102.0% |
凡例:10%以上のプラス/5%以上のプラス/前年同月未達(四捨五入で100.0%となっているものを含む)/5%以上のマイナス/10%以上のマイナス。
※前年同月比は税抜比較で行っている。
※ファストフード、ファミリーレストラン、パブ/居酒屋の各業態の内訳に関しては、重複する事業社があるため合計の数値は必ずしも内訳の累積に一致しない。
ファストフード
ファストフード全体の事業社数は51、店舗数は21,074店(101.3%)。客単価は際立って上昇したが、客数は105.1%と増加。売上高は111.8%と2桁の拡大。
洋風ファストフード(事業社数18、店舗数6,093店=101.6%)は、客単価は上昇したが、客数は111.1%と2桁の大幅増。売上高は115.2%と2桁の拡大。
和風ファストフード(事業社数15、店舗数5,332店=102.4%)は、客単価は際立って上昇しながら、客数は100.7%と前年並み。売上高は109.9%と拡大。
麺類ファストフード(事業社数17、店舗数3,142店=100.6%)は、客単価は際立って上昇したが、客数は104.3%と前年同月を上回った。売上高は111.1%と2桁の拡大。
持ち帰り米飯/回転寿司ファストフード(事業社数17、店舗数4,079店=99.8%)は、客単価は際立って上昇し、客数は97.6%と前年同月を下回った。売上高は105.8%と拡大。
その他ファストフード(事業社数9、店舗数2,428店=101.5%)は、客単価は際立って上昇したが、客数は101.6%と前年同月を上回った。売上高は108.4%と拡大。
ファミリーレストラン
ファミリーレストラン全体の事業社数は64、店舗数は9,756店(99.7%)。客単価は上昇したが、客数は105.8%と増加。売上高は110.4%と2桁の拡大。
洋風ファミリーレストラン(事業社数31、店舗数4,818店=97.9%)は、客単価は上昇したが、客数は105.7%と増加。売上高は108.5%と拡大。
和風ファミリーレストラン(事業社数30、店舗数2,329店=101.1%)は、客単価は際立って上昇したが、客数は104.6%と前年同月を上回った。売上高は111.4%と2桁の拡大。
中華ファミリーレストラン(事業社数14、店舗数1,230店=103.2%)は、客単価は際立って上昇したが、客数は107.8%と増加。売上高は116.3%と2桁の拡大。
焼肉ファミリーレストラン(事業社数16、店舗数1,379店=100.5%)は、客単価は上昇したが、客数は105.8%と増加。売上高は109.6%と拡大。
パブ・居酒屋
パブ/居酒屋全体の事業社数は37、店舗数は1,794店(100.3%)。客単価は上昇したが、客数は102.0%と前年同月を上回った。売上高は104.8%と前年同月を上回った。
パブ・ビアホール(事業社数11、店舗数394店=102.3%)は、客単価は上昇したが、客数は101.3%と前年同月を上回った。売上高は103.0%と前年同月を上回った。
居酒屋(事業社数30、店舗数1,400店=99.7%)は、客単価は上昇したが、客数は102.4%と前年同月を上回った。売上高は105.7%と拡大。
ディナーレストラン
ディナーレストラン全体(事業社数24、店舗数892店=101.6%)は、客単価は前年並みだが、客数は107.9%と増加。売上高は108.0%と拡大。
喫茶
喫茶全体(事業社数24、店舗数2,477店=100.7%)は、客単価は際立って上昇しながら、客数は100.6%と前年並み。売上高は109.7%と拡大。
その他の業態
その他全体(事業社数20、店舗数220店=89.1%)は、客単価は上昇しながら、客数は99.8%とほぼ前年並み。売上高は101.7%と前年同月を上回った。
●日本フードサービス協会
http://www.jfnet.or.jp/data/data_c.html