
国立医薬品食品衛生研究所が集めた食品の安全性に関する国際機関や各国公的機関等の最新情報から。FAOが食品安全フォーサイト向上に専門知識とAI活用を提言。EUは水産物中の無機ヒ素基準を改定した。EFSAは食品安全への認識や態度に関する調査を発表した。
注目記事
【FAO】FAOの新しい報告書は、人間の専門知識と技術がどのように食品安全フォーサイトを高めることができるかを探求する
世界の農業食料システムは急速な変革を遂げており、世界のフードチェーンや食品安全、消費者の健康に影響を及ぼす可能性がある。世界貿易や気候変動、科学技術の進歩など複数の要因と動向が農業食料システムをより複雑にしており、その結果生じる食品安全上の新興課題を特定し対処していくことが求められている。2025年4月、国連食糧農業機関(FAO)は食品安全の将来を予測するためのアプローチに関する知見を共有し、今後の活動を支援するためのネットワークの構築を目的とした専門家会合を開催した。
※ポイント:本報告書は、食品安全上の新興課題を特定するために、国際機関、各国政府、研究機関、大学、民間部門の専門家が実施しているプロジェクトと食品安全の予測アプローチを知ることができます。さらに、人工知能(AI)などの新たなデジタルツールの活用に着目し、人間の専門知識とデジタル技術の進歩を統合するうえでの課題を特定して、食品安全の将来を予測する取り組みを成功させるためのベストプラクティスを提言しています。
【EU】魚およびその他の水産物中の無機ヒ素の最大基準値に関する規則(EU)2023/915の改正
欧州食品安全機関(EFSA)が2023年に公表した食品中の無機ヒ素に関するリスク評価を科学的根拠として、EUにおける魚およびその他の水産物(甲殻類、二枚貝、頭足類)に含まれる無機ヒ素に関する最大基準値(ML)が新たに設定された。
※ポイント:EUでは、2015年にコメ及びコメ製品を対象に初めて無機ヒ素のMLを設定し、次いで2023年に乳幼児用の各種食品と食塩にMLを設定しました。水産品については、全般的により低いMLが2022年に提案されていたのですが、保留となり、新たな汚染実態データとEFSAの再評価の結果をもとに今回改めてMLが提示されました。MLを確認する際は、適用される種や部位が指定されていることに注意しましょう。
【EFSA】2025年EUにおける食品安全に関するユーロバロメーター
EFSAが、欧州人の食品安全への認識や態度に関する外部委託調査の報告書を発表した。本調査は以前に実施された特別ユーロバロメーター調査を基本に構築され、EU加盟27カ国と加盟候補7カ国を対象にしたものである。さらに調査結果の可視化の取り組みとして、項目を選択すると、EU各国の認識や懸念の割合が地図上の色の濃さで表現されるダイナミックマップも公開した。
※ポイント:EFSAは戦略2027において、農場から食卓まで信頼できる科学的助言とリスクコミュニケーションを提供することを目標の一つとして掲げており、その達成に向けた「社会科学ロードマップ」を発表しています。本調査はその一環であり、EFSAによる以前のコミュニケーションキャンペーンの効果を検証し、今後の戦略的な実施設計に資するものとして実施されたものです。
(注目記事のまとめ:安全情報部第三室)
目次
【WHO】
1. 国際がん研究機関(IARC)
【FAO】
1. FAOの新しい報告書は、人間の専門知識と技術がどのように食品安全フォーサイトを高めることができるかを探求する
2. FAOの新しいファクトシートが近代的屋内農業における食品安全を検証する
3. Codex
【EC】
1. 魚およびその他の水産物中の無機ヒ素の最大基準値に関する規則(EU)2023/915の改正
2. 欧州委員会、食品および飼料安全規則の簡素化に関する意見を募集
3. 食品及び飼料に関する緊急警告システム(RASFF)
【ECHA】
1. ECHA、2026年春にPFAS意見書案を協議
2. ECHA CHEMに化学物質の規制データが含まれる
【EFSA】
1. 2025年EUにおける食品安全に関するユーロバロメーター
2. 新規食品関連
3. 健康協調表示関連
4. 農薬関連
5. ポッドキャスト
【FSA】
1. FSAは、新たなイノベーション研究プログラムの開始で英国における食品イノベーションを推進する
2. FSAは最新の検査結果により、Lough Neagh(ネイ湖)の魚が依然として安全に食べられることを確認した
【DEFRA】
1. PRiF年次報告書2024
2. 英国政府はミツバチを農薬から守るための対策を講じる
【FSAI】
1. 食品組成変更タスクフォース協定の延長
2. リコール情報
【BfR】
1. 急性食中毒:考えられる原因と予防方法
2. クラトム(アヘンボク)調製品:摂取すると健康上の問題を引き起こす可能性がある腎臓、肝臓、神経系及び心血管系への影響が報告されている
3. タトゥー:慢性疾患リスク増加の可能性に関する調査が必要
【ANSES】
1. PestiRiv:ワイン生産地域に住む人々の農薬ばく露に関する全国調査の結果
【Ruokavirasto】
1. より植物性の食事は食事の質を向上させるが、課題ももたらす
【FDA】
1. FDAは食品におけるオレンジBの認可取り消しを提案する
2. FDAは化粧品のリアルタイム有害事象報告ダッシュボードを開始する
3. FDAは鉛が溶出する可能性のある輸入調理器具について警告を発する:2025年8月
4. 鉛含有量が高いため、FDAの公衆衛生警告にシナモン製品が追加された
5. HHS、FDA、USDA、超加工食品に関するデータと情報のコメント期間を延長する
6. GRAS申請通知
7. 公示
8. 警告文書
9. リコール情報
【EPA】
1. トランプ政権下のEPAは、PFOA及びPFOSの浄化規制に関する今後の取り組みを発表し、責任とPassive Receiverに関する更新情報を提供する
【USDA】
1. FSISは検査申請のための新しいガイドラインを発表
【CPSC】
1. Blueroot Health 社が、子供の中毒による重篤な障害または死亡のリスクのため、Bariatric Fusion Iron Multivitaminsのボトルを回収;チャイルドレジスタンス包装に関する連邦規格違反
【FSANZ】
1. 食品基準通知
【APVMA】
1. 新APVMA化学製品基準
2. APVMA、EPAC2026を主催
【香港政府ニュース】
1. 違反情報
2. リコール情報
【MFDS】
1. 日本産輸入食品の放射能検査の結果
2. 海外直輸入食品から麻薬類成分を確認、消費者に注意喚起
3. 食薬処、フグ・ソウシハギの摂取に関する注意喚起
4. 食薬処、来年度の健康機能食品の機能性原料の再評価対象を公示
5. 食薬処、来年度の食品医薬品安全管理の政府予算案8.4%増、8,122億ウォン編成
6. 回収措置
- 食品安全情報
- http://www.nihs.go.jp/dsi/food-info/foodinfonews/index.html
- 食品安全情報(化学物質)No.20(2025.10.01)
- https://www.nihs.go.jp/dsi/food-info/foodinfonews/2025/foodinfo202520c.pdf