グルメ番組が多いのはなぜかと言うと

またまた健康食品の話からはちょっとずれるのですが、“テレビ界の裏側”的に芸能人の健康法を書いてきたついでに、「なぜこんなにグルメ番組が多いのか?」ということについて少し。“食の話題”には魔力があるのです!

「安易でも、オイシイものは“数字”が上がる」

 もう、その答えは明快。「グルメ特集は安易だけど視聴率を取る」のです。この現象は作り手側にいる自分でもフシギ。というのは、グルメを扱った番組はすでに山のようにありますよね。あふれてます。それでもなおかつ、他のものよりも「グルメ」が視聴率をとってしまう。基本的に民放は視聴率がすべてですから、必然的にグルメ番組は多くなるわけなんです。

「グルメこそ日本人が一番気になるニュース!?」

 それが顕著なのが、夕方時間帯の民放ニュースです。だいたい18:20前後から特集コーナーになるのですが、各局ズラ~リ、ほぼ毎日グルメです! 内容もみんな似たようなもので、しかも毎日なのですが、サブタイトルとくくりを変えて頑張っております。

「ワンコイン激安グルメ」だ、「ショッピングモールの大ブレイク店」だ、「回転ずしで絶品」だ、「サービスエリアの人気グルメ」だ、……などなど! この特集枠は、もちろん各局とも、ときどきは“社会派ネタ”も扱いますよ。「子育て」のことだとか、「事件の裏側」だとか、「教育問題」だとか、などなどですね。

 でもね~、実際に調査会社から毎日上がってくる視聴率表を見ると驚きますよ! グルメをやった時の日と比べて、まあ硬派なネタの視聴率の低いこと! 逆に言うと、グルメをやった時の日の高いこと。

 このニュース特集が終わった後の19:00からも、どっかしらの局で、ほぼグルメ番組的なものはあるにもかかわらず、こうなっちゃうんですからね。

 日本人はつくづく食べること大好きですね。

「扱う食べ物は“アカもの”で」

 そして「グルメの中でも、これが視聴率を取る」と言われているのが、“アカもの”。何かというと、文字通り「赤いもの」。そう、焼き肉! そしてマグロ! ですね。

“アカもの”という言い方は、業界共通語ではないみたいですが、業界歴25年以上のプロデューサーさんと放送作家さんから、「昔から数字のある食べ物といえばアカものなんだよ」と教えてもらいました。

 確かに本能を刺激する色合いですからね、赤は。「野菜グルメより焼き肉で!」「イワシよりもマグロで!」というのは、画面的にも派手で目を引きます。

 あともう一つ、視聴率を取るのは“湯気もの”――文字通り湯気がたつあったかい食べ物のことです。代表格はラーメンですよね。

 これも明解な「シズル感」があります。

「ボリュームタップリな時間帯とヘルシーな時間帯」

 さて、健康志向はどうなっておるんかというお話ですが。昨今は「オイシイ」に加えての「ヘルシー」が受けそうに思われるかもしれませんが、これは時間帯によるのです。

 独身女性がテレビを見る、22時あたりからなど、深夜に近づくほど“ヘルシー”の要素が受ける傾向があるようです。逆に、在宅主婦層が視聴者の中心である夕方帯は「ヘルシーよりもうまけりゃいい!」の傾向が強いようです。

 以前、夕方のニュース特集枠ですしの特集をやった時、テレビ局の担当プロデューサーは「ヘルシーとか言っちゃダメなんだって~」と独り言を言いながら、「ヘルシー」「低カロリー」などの言葉をぜ~んぶカットさせ、「脂がたっぷり」「甘みがいっぱい」という方向に変えてました。夕方時間帯においては“ヘルシー”は視聴率の敵だったようで……。

 これは某局での体験で、他の局がどう考えているかはわかりませんが。

「看板は別でも実態はグルメショー?」

 これほどにグルメネタが人気、そして視聴率競争はエスカレートという現状の中、現在は「グルメに見えない切り口だけど結果的にグルメたくさん番組」というのが重宝されています。

 たとえば、みのさんが「ケンミン」のヒミツを探っている番組は導入部で県のグルメを、マチャミが「ぴったんこ」している番組も、クイズですよと思わせて食べ歩きのオンパレード。お台場のテレビの「食わず嫌い」もグルメですし、まっちゃん浜ちゃんの「DX」なトーク番組もスターのオススメ! としてスイーツだったりラーメンだったり続々登場ですよね。

 一方、番組が低視聴率でピンチになってくると、番組コンセプトとは全く関係もなく「グルメやらない?」という悪魔のささやきが……。それを聞いたスタッフは「ああ、その話題が出るようになってしまったか……」と心の中でうなだれたり、とか。しかも、それまで低視聴率にあえいでいるわけですから、その忌まわしい提案をはねのける言葉もパワーもなく……。結果、「まあ試しにやってみよ~」となります。

 で、一度やると、これが高視聴率を出しちゃったりするわけですよ。高視聴率のものを続けるのが、番組の避けられない宿命ですから、こうしてまた一つ、グルメ番組が増えるわけです。

 まあ視聴者が見たいものだから、仕方がない!?

 長く脇道にそれた感がありましたが、次回からは健康食品の通販の話題に戻したいと思います。

About 森畑たけし 65 Articles
通販番組制作担当者 もりはた・たけし 1975年生まれ。通常のテレビ番組と通販番組を手がけて12年。ひと昔前、一段下に見られていた感のある通販番組とその市場の成長に驚くばかり。同時に「やっててよかった~」とありがたい食い扶持があることにホッ……。しかし、膨大なグルメ情報、健康情報、お得情報などを発信し続けていながら、本人は全く活用できていない。自分が通販アイテムを買って続けるなら髪関係だろうかと、毛根と〆切が気になる人。