スクリーンの餐

「トリス」と昭和戦後の男たち

 1990年代から2000年代にかけて低迷していた国内ウイスキー需要は、2009年頃からのハイボールブームの影響もあって近年はやや持ち直している(図1)。このブームにサントリーの「角瓶」と並んで貢献したのが、かつてトリスバーやアンクルトリスで一世を風靡した「トリス」。今回は戦後の洋酒ブームの火付け役となった「トリス」と、トリスバーが登場する映画を通して、戦後の昭和を振り返っていく。 「トリス」とト […]
スクリーンの餐

「寝ずの番」の食べ物と踊り

前回に引き続き、落語界を舞台とした作品と、その中に登場する落語と食事を取り上げていく。 三代目マキノの矜持 2006年製作の「寝ずの番」は、上方落語の六代目笑福亭松鶴一門をモデルにした中島らもの短編小説集を原作に、俳優の津川雅彦がマキノ雅彦名義で初監督した作品である。 マキノ監督の祖父は日本映画の父と呼ばれた牧野省三、叔父マキノ雅弘も本シリーズの第2回で紹介した「江戸っ子繁昌記」(1961)をはじ […]
スクリーンの餐

「マジカルガール」の魔法少女の好物たち

外国映画で描かれる日本の食にスポットを当て、食文化の違いを指摘するシリーズの4回目(「外国映画の中の“勘違い”日本食文化」改題)。今回は架空の日本アニメ「魔法少女ユキコ」をモチーフとしている話題のスペイン映画を取り上げる。
東欧フルーツブランデー紀行

苦い会議と新鮮で甘いプラム

後から考えると、なぜそこまで正直に言ってしまったのか自分でも不思議なのだが、セルビアで調子のいいことを言って日本に帰ってきてから頭を抱えるような事態になっては