コロのGM早分かり

除草剤グリホサートに耐性のある植物の自然への影響は?

こんにちは、コロです。前回は除草剤グリホサート耐性の遺伝子組換え作物はどのようなものなのかをお話しました。そして、その除草剤グリホサートはどんな植物でも枯らせてしまうとても恐い除草剤に思えますが、実はそうではないということも説明しました。今回は、除草剤グリホサートに耐性のある植物がほかの植物と交雑した場合自然への影響はあるのか、また、グリホサートに抵抗性のある雑草についてお話しましょう。
コロのGM早分かり

毒性が低い除草剤グリホサートのしくみ

こんにちは、コロです。現在、商業的に栽培されていて、日本も含め世界中で食品や飼料などとして利用されている遺伝子組換え作物の主なものには「害虫抵抗性」のものと「除草剤耐性」のものがあります。害虫抵抗性がどのような仕組みなのかをお話しましたので、今回からは、除草剤耐性の遺伝子組換え作物について、少しお話しましょう。
北海道よもやま話

残留農薬問題に隠れて、意外と見えない水質汚濁問題

農産物を生産する農家は常に消費者のことを考え、安全、安心な農産物を提供できるように、日頃から気を引き締めて営農をしている――。と言いたいところだが、実際のところ、そのようなことを寝ても覚めても考えているわけではない。もちろん、大切なことだと重々承知しているが、その前に我々営農者は守るべき数々の法律があり、遵法精神を全うすることで、結果的に消費者に安全・安心な農産物を提供できているのだと思う。その間 […]
コロのGM早分かり

抵抗性害虫の発生を防ぐ「緩衝区」のメカニズム

こんにちは、コロです。前回は、Btたんぱく質が効かなくなる抵抗性害虫の出現というリスクを回避のために、緩衝区という、ただ単にBtたんぱく質を持っていない作物を植えるだけの、簡単で有効な手段を持っていることをお話しました。今回は、どうして緩衝区から出てきたたくさんの害虫によって、抵抗性害虫の発達が防げるのかを「生物学的」に説明しますね……とは言っても、できる限り易しくお話しましょう。
Maryanskiのバイテクと食品安全考

米国のバイテク食品安全性評価――FDAは義務化せず/Assessing Biotech Food Safety in the U.S; FDA’s Voluntary Approach

1990年代初頭、日米双方の政府は現代バイオテクノロジーによって開発された食品の安全性を評価するための政策や指針を作成した。日本においては、厚生省(当時)が1991年にOECDの指針を基にバイテク作物の安全性審査のための任意の指針を作成した。しかしながら、2001年にその安全性審査は日本において義務化されることになる。米国では、バイテク食品は今でも1992年に米国食品医薬品局(FDA)が作成した任 […]
北海道よもやま話

GMの里、北海道遺伝子の香りのする街からのつぶやき

北海道には、倒幕政府主導の開拓の後に明治時代に米国人がやってきて、日本で唯一彼らからパイオニア精神を引き継いだ農業生産者がいると言われている。でもいったい今、北海道のどこにいるのだろうか? いるとすれば、何人くらいいるのか? 私に言わせればこれは大嘘もはなはだしい。こんな大嘘を今でも小学校で教えているとすれば、あきれるばかりだ。1985年(昭和60年)頃から「バイオ!バイオ!」とメディアが騒ぎ立て […]
巨大なカントリー・エレベーターの前で、グローバル・マーケットの中のローカルなビジネスを語る
食の損得感情

ラウンドアップレディ・アルファルファ――栽培禁止に困惑する米国農家

Indiana州では、10の牛舎に約3万頭の牛を飼う巨大な酪農場と、それに隣接するカントリー・エレベーターを訪ねた。このカントリー・エレベーターを経営する会社は、トウモロコシ、大豆、小麦、ライ麦、アルファルファなどを生産、貯蔵し、地域の酪農場などに供給している。ここで聞いた話から、日本の消費者がほとんど気付いていないグローバリゼーションの何たるかを思わずにはいられなかった。
農業機械の展示会に集まった農業経営者たち。売れるもの、利益の出るものを求めて真剣そのもの
食の損得感情

「GMは必要な技術」は消費者にとっておいしい話か?

「遺伝子組換え(GM)技術は日本にとって必要な技術」と、4割の農業経営者が回答――雑誌「農業経営者」が、今年3月にアンケート調査をした結果だ。調査対象者は、同誌購読者を中心とした2004人。43.8%が「必要」「どちらかといえば必要」と答え、48.2%が「必要でない」「どちらかといえば必要でない」と答えた。必要でないとする回答の方が数は多いが、GMに関する否定的な報道が多い中、意外な印象を与える数 […]
内田農産の水田の様子。株元に日光が差し込み、トンボが飛び交う
食の損得感情

ホタルの里を実現する農薬使用法

福井県鯖江市で水田約50haを経営する内田農産(内田秀一代表取締役)のセールスポイントは、圃場を舞うホタル。内田社長は地域の人々や関西、関東などの顧客に呼び掛け、毎年「ホタルを観る会」を催している。長年培った減農薬・無化学肥料(福井県特別栽培農産物認証)での栽培ノウハウの賜物だが、内田社長本人は「無農薬論者では全くない。農薬はせっかくの文明の利器。使わない手はない」(内田社長)と言う。
食の損得感情

人間は物質だけでなく意味を食べる

今夏、米国では飼料用のGM(遺伝子組換え)アルファルファが流通する見通しという。目を引くのは、これまでに商品化されているGM作物は、ダイズ、トウモロコシ、ナタネ、ワタ、ジャガイモなどいずれも飼料作物か工業的に利用される作物が主で、今回また飼料作物が加わるということ。このことをつかまえて、米国のマーケットでも主食をGM作物にすることには躊躇があるという声もある。