2012年食の10大ニュース[1]

  1. 迷走民主党政治に終止符
  2. 放射線新基準の導入
  3. 穀物価格の再高騰
  4. ノロウイルス他、食中毒頻発
  5. 新食品表示制度の要点公開
  6. 牛レバーの生食用販売・提供の禁止
  7. パンの消費額がコメを逆転
  8. BSE検査基準に見直しの動き
  9. トクホの「メッツ コーラ」販売絶好調
  10. うなぎ問題に注目

組織の論理・社会の不幸

 ロンドンオリンピックで日本として最多メダル獲得、山中伸弥教授がノーベル賞を受賞。東京スカイツリーもオープンなど明るいニュースが多く、悪い年ではなかった感がある。

 食の世界はどうだったか。例年本企画では民主党の悪口を書いてきたが、今回で最後になる。

1. 迷走民主党政治に終止符

 迷走民主党政治に終止符が打たれたのだ。掲げていた大衆迎合の政策をほとんど実現できなかったことをよかったと思う。BSEの全頭検査復活もその一つだったが、8. BSE検査基準に見直しの動きが報じられた。無駄な検査を早く中止させたいものである。わが国は科学立国を目指さなくてはならないが、科学的事実に基づいた政策決定ができないのは残念なことである。

2. 放射線新基準の導入

 放射線新基準も科学的事実から程遠い判断である。安心のためという理屈は通らない。新基準は組織の論理、あるいは小宮山洋子厚生労働大臣としてのパフォーマンスだったのかもしれない。その結果、無駄な検査費用がかかり、復興の足かせとなっているのだ。

5. 新食品表示制度の要点公開

 新食品表示制度に向けた要点が公開された。驚いたことに、加工食品の原料原産地表示の拡大が盛り込まれていた。食品表示一元化検討会で不要とされていたはずだ。

 消費者庁の阿南久長官だが、組織の論理にくみせず消費者と社会の真の利益を考えて進めていただきたい。

6. 牛レバーの生食用販売・提供の禁止

 牛レバーの生食用販売・提供の禁止も、厚労省のパフォーマンスと言ったら言い過ぎだろうか。

2012年雑感

 2012年は、4. ノロウイルスやO157による食中毒が頻発し、多くの方が亡くなった。食品関係者は自戒するとともに、小規模工場であってもHACCPシステム導入を進めたい。

 コメの凋落にストップがかからず、7. パンの消費額がコメを逆転してしまった。2007年に続く3. 穀物価格の再高騰、9. トクホの「メッツ コーラ」販売絶好調も印象に残ったニュースだった。

10. うなぎ問題にも触れておこう。ニホンウナギは極度の不漁が続いている。今年は食卓から遠ざかり、環境省がレッドリストに指定するという報道が流れた。それでも、完全養殖に成功し、産卵場所等の生態解明が進んでいる。よいニュースが聞ける日が近いことを祈りたい。

 食のウンチクマンガが得意なラズウェル細木氏のファンである。今年は「酒のほそ道」等で第16回手塚治虫文化賞短編賞を受賞した。氏はコミック誌「モーニング」でうなぎを食べるだけのマンガ「う」を連載中である。連載が続くことを祈っている。


2012年の10大ニュース
《特別企画》2012年食の10大ニュース[一覧]
これまでの「10大ニュース」
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《特別企画》2010年食の10大ニュース[一覧]
横山勉
About 横山勉 57 Articles
横山技術士事務所 所長 よこやま・つとむ 休刊中の日経BP社「FoodScience」に食品技術士Yとして執筆。元ヒゲタ醤油品質保証室長、2010年独立。食品技術士センター副会長(http://fpcc.jimdo.com/)。ブログ「食品技術士Yちょいワク『食ノート』」を執筆中(http://blogs.yahoo.co.jp/teckno555)。