ボツリヌス症に関するQ&A

No.19(2023.09.13)

ハーブ油(イメージ)

国立医薬品食品衛生研究所が集めた食品の安全性に関する国際機関や各国公的機関等の最新情報から。世界保健機関(WHO)および医薬品規制調和国際会議(ICH)は、世界各国の医薬品に関する規制情報の登録・共有を促進するため新たな連携を開始する。ドイツ連邦リスクアセスメント研究所(BfR:)は、「ボツリヌス症に関するQ&A」を公表している。

注目記事

【WHO】WHO「国際疾病分類」とICH「国際医薬用語集」が新たな連携開始

 世界保健機関(WHO: World Health Organization)および医薬品規制調和国際会議(ICH)は、世界各国の医薬品に関する規制情報の登録・共有を促進するため新たな連携を開始することを発表した。

 この取り組みの目的は、医薬品の安全性・有効性に関する国際的な規制についての政策決定を効率化するための共通言語を確立するとともに、世界各国の疾病および死亡の範囲・原因・影響について極めて重要な情報を提供することである。

 WHO「国際疾病分類第11回改訂版」(ICD-11:International Classification of Diseases-11)」とICH「国際医薬用語集」(MedDRA:Medical Dictionary for Regulatory Activities)の接続によって共通言語を確立することで、有害事象の分析や、保険金請求データベース、死亡率・罹患率統計、臨床試験、観察研究などの結果の分析が強化される。

【ドイツ】ボツリヌス症に関するQ&A

 ドイツ連邦リスクアセスメント研究所(BfR: Bundesinstitut für Risikobewertung)は、「発生は稀で予防可能な疾患:ボツリヌス症に関するQ&A」を公表している。

 ボツリヌス症は、ボツリヌス神経毒素として知られる毒素を病因物質とする重度の疾患である。これらの毒素は、特定の条件下において、主に食品中および動物用飼料中でボツリヌス菌(Clostridium botulinum)によって産生され、食品や飼料と共にヒトや動物の体内に摂取される。

 まれではあるが、毒素ではなく菌体自体がボツリヌス症の原因になることもある。

 ボツリヌス症は、通常は、視力障害・口渇・発語障害・嚥下障害などの特異的な神経障害の原因となり、死につながることもある。ヒトも動物もボツリヌス症に罹患する可能性があり、動物では主にウシのほか、鶏や七面鳥などの家禽類もボツリヌス症に罹患する。

 ボツリヌス症に関するQ&Aの質問項目と回答の一部。

  • ボツリヌス症とは何か?
  • ボツリヌス菌(C. botulinum)、C. botulinumの芽胞、およびボツリヌス神経毒素の違いは何か?
  • ドイツにおけるボツリヌス症の発生頻度はどのくらいか?
  • ボツリヌス症はどのようにヒトに伝播するか?
  • ボツリヌス症の主な原因食品は何か?
  • ボツリヌス症のその他の原因食品は何か?
  • 十分に加熱されていない自家製の保存加工食品によるボツリヌス症感染リスクはどのように低減できるか?
  • C. botulinumの芽胞が問題となるのはどのような食品か?
  • 低酸性食品を保存する際に注意すべきことは何か?
  • 消費者も蒸気調理器や加圧調理器で食品を保存加工できるか?
  • 消費者は自分で保存加工した食品の腐敗をどのように確認することができるか?
  • ヒトのボツリヌス症を予防するための最も重要な対策は何か?
    ・保存前に食品を十分に洗浄する。
    ・適切な加熱により食品中のC. botulinumの芽胞を死滅させる。
    ・C. botulinumの増殖を防ぐ環境を作る。
    ・膨張した缶詰製品は開封せずに廃棄する。
    ・開封済みの瓶詰め容器入り食品は喫食しない。
    ・保存食品は必要に応じて喫食の直前に100℃まで十分に再加熱する。
    ・自家製のハーブ油や野菜の油漬けなどは冷蔵保存し、調理の翌日以内に喫食する。
    ・塩漬け乾燥魚は喫食直前に十分に加熱する。
    ・1歳未満の小児にハチミツを喫食させない。
  • ボツリヌス症は家畜ではどのくらい蔓延しているか?
  • 病気の動物を屠畜して食品に加工することは可能か?
  • ウシの慢性(内蔵型)ボツリヌス症とは何か?

(注目記事のまとめ:FoodWatchJapan編集部)

食品安全情報へのリンク

食品安全情報
http://www.nihs.go.jp/dsi/food-info/foodinfonews/index.html
食品安全情報(微生物)No.19(2023.09.13)
http://www.nihs.go.jp/dsi/food-info/foodinfonews/2023/foodinfo202319m.pdf

今号の目次

【世界保健機関(WHO)】
1. 世界保健機関(WHO)の「国際疾病分類(ICD:International Classification of Diseases)」と医薬品規制調和国際会議(ICH)の「国際医薬用語集(MedDRA)」が新たな連携を開始

【米国疾病予防管理センター(US CDC)】
1. アイスクリームに関連して複数州にわたり発生しているリステリア(Listeria monocytogenes)感染アウトブレイク(2023年9月1日付更新情報)
2. 米国の国内感染サイクロスポラ症患者に関する2023年の調査(2023年8月31日付更新情報)

【カナダ公衆衛生局(PHAC)】
1. 国外旅行に関連していないサイクロスポラ感染を調査中(2023年9月5日付更新情報)

【欧州疾病予防管理センター(ECDC)】
1. 赤痢 -2020年次疫学報告書

【欧州委員会健康・食品安全総局(EC DG-SANTE)】
1. 食品および飼料に関する早期警告システム(RASFF:Rapid Alert System for Food and
Feed)

【ドイツ連邦リスクアセスメント研究所(BfR)】
1. 発生は稀で予防可能な疾患:ボツリヌス症に関する Q & A

【ProMED-mail】
1. コレラ、下痢、赤痢最新情報(20)(19)