鶏肉RTE食品のリステリア

国立医薬品食品衛生研究所は、食品安全情報(微生物)No.14(2021.07.07)を発表した。

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【米国】タイソンが鶏肉製品を回収。リステリア汚染の可能性で

 米国農務省食品安全検査局(USDA FSIS: Department of Agriculture, Food Safety and Inspection Service)は、Tyson Foods社(ミズーリ州 Dexter)が、リステリア(Listeria monocytogenes)汚染の可能性があるそのまま喫食可能な(RTE: Ready-to-eat)鶏肉製品およそ8,492,832ポンド(約3,852トン)を回収していると発表した。

 2021年6月9日、FSIS はリステリア症患者2人の発生通知を受けた。FSISは、米国疾病予防管理センター(US CDC)および各州の公衆衛生当局と協力し、L. monocytogenes 感染患者と Tyson Foods 社製加熱調理済み鶏肉との関連を示すエビデンスが存在することを特定した。疫学調査により、死亡者1人を含む3人のリステリア症患者が2021年4月6日〜6月5日に発生したことが特定された。

 FSISは、消費者および公共施設の冷凍庫に当該製品が保存されている可能性があることを懸念している。

 米国疾病予防管理センター(US CDC)は、当該製品の喫食・販売・提供をしないよう注意喚起を行っている。

 CDCは、リステリア症の重症化リスクが高い人およびその介護施設に対し、詳細情報が明らかになるまで特別な予防策を講じるよう注意喚起しており、加熱調理済み鶏肉は内部温度が華氏165度(74℃)になるまで再加熱し、加熱調理済み鶏肉を使用した冷たい料理については鶏肉が事前に再加熱されていなければ喫食しないよう助言している。

(注目記事のまとめ:FoodWatchJapan編集部)

食品安全情報へのリンク

食品安全情報
http://www.nihs.go.jp/dsi/food-info/foodinfonews/index.html
食品安全情報(微生物)No.14(2021.07.07)
http://www.nihs.go.jp/dsi/food-info/foodinfonews/2021/foodinfo202114m.pdf

今号の目次

【世界保健機関(WHO)】
1.2021年世界食品安全デー

【米国食品医薬品局(US FDA)】
1.2021年世界食品安全デーに向けて米国食品医薬品局(US FDA)が取り組みを発表:
「健康的な明日のために、今、安全な食品を」

【米国農務省食品安全検査局(USDA FSIS)】
1. リステリア(Listeria monocytogenes)汚染の可能性により Tyson Foods 社がそのまま喫食可能な(ready-to-eat)鶏肉製品を回収

【米国疾病予防管理センター(US CDC)】
1. 加熱調理済み鶏肉に関連して複数州にわたり発生しているリステリア(Listeria monocytogenes)感染アウトブレイク(2021年7月3日付更新情報、2日付初発情報)
2. 冷凍加熱済みエビに関連して複数州にわたり発生しているサルモネラ(Salmonella
Weltevreden)感染アウトブレイク(初発情報)
3. 小規模飼育の家禽類との接触に関連して複数州にわたり発生しているサルモネラ
(Salmonella Enteritidis、S. Hadar、S. Infantis、S. Mbandaka)感染アウトブレイク(2021年6月24日付更新情報)
【欧州疾病予防管理センター(ECDC)】
1. RT-QuIC 法により孤発性クロイツフェルト・ヤコブ病を検出するための検査機関向け標準作業手順書

【欧州委員会健康・食品安全総局(EC DG-SANTE)】
1. 食品および飼料に関する早期警告システム(RASFF:Rapid Alert System for Food and
Feed)

【欧州食品安全機関(EFSA)】
1. 欧州食品安全機関(EFSA)が世界食品安全デーに「EU Choose Safe Food(欧州連合
(EU)は安全な食品を選択する)」キャンペーンを開始

【ドイツ連邦リスクアセスメント研究所(BfR)】
1. 世界食品安全デーで質の高い食品の世界的な重要性を強調

【ProMED-mail】
1. コレラ、下痢、赤痢最新情報(15)(14)(13)