食品安全情報(化学物質)No.16(2011.08.10)

国立医薬品食品衛生研究所が月2回発表している「食品安全情報」(化学物質)No.16(2011.08.10)で注目の話題は、EUがフードチェーンの環境持続可能性について分析開始、EFSAの健康強調表示についての評価が終了、ビスフェノールAの経口投与健康懸念なし、などだ。

注目記事

【EU】フードチェーンの環境持続可能性
 欧州委員会は、天然資源をより持続的かつ効果的に使用するための戦略的枠組みを採択した。その中で、食品を重要な天然資源と定義して、食品廃棄の低減化や食品の包装の最適化に向けて分析を開始することを発表している。
 EUで今後どのような取り組みがなされていくのか興味深い。わが国でも食品廃棄の低減化について議論する必要があるだろう。

【EFSA】「一般機能」健康強調表示の評価を終了
 2008年から始まった「一般機能」健康強調表示についてのグループの評価がようやく終了した。EFSAはこのプロジェクトで2,758の一般機能健康強調表示についての評価を行ったことになる。

【FSA】井の中のいつもの大きな問題「ビスフェノールA」
 科学雑誌「Toxicological Sciences」注1)にビスフェノールA(BPA)のヒト経口投与試験が発表された。この報告によって、食品中に含まれるBPAをヒトが高濃度に摂取しても、血中濃度は低く、健康上の懸念にはならないことが示された。
 FSA 主任科学者Andrew Wadgは、この報告を賞賛するとともに、メディアは人々を怖がらせるニュースを報道するのに消費者が安心する有用なニュースを伝えないと指摘している。メディアの報道について科学者が抱える問題は万国共通のようだ。

注1)24-Hour Human Urine and Serum Profiles of Bisphenol A During High Dietary Exposure.
Toxicol Sci. 2011 Jun 24. [Epub ahead of print] Teeguarden JG, Calafat AM, Ye X, Doerge DR, Churchwell MI, Gunawan R, Graham M.
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/21705716

食品安全情報へのリンク

「食品安全情報」
http://www.nihs.go.jp/hse/food-info/foodinfonews/index.html
食品安全情報(化学物質)No.16 (2011.08.10)
http://www.nihs.go.jp/hse/food-info/foodinfonews/2011/foodinfo201116c.pdf

今号の目次

【EC】
1. 食品獣医局(FVO)視察報告書:南アフリカ ピーナッツのアフラトキシン汚染
2. フードチェーンの環境持続可能性
3. 食品及び飼料に関する緊急警告システム(RASFF)

【EFSA】
1. 食品中ヘキサブロモシクロドデカン類(HBCDDs)についての科学的意見
2. 新しい燻製香料のデータがFumokompの安全性を支持したがZesti Smoke Code 10については不確実性が残る
3. 遺伝子組換え生物に関する科学的意見
4. EFSAは「一般機能」健康強調表示の評価を終了

【FSA】
1. 「Zam Zam」水を飲むことについての警告
2. 雄鶏の鶏冠抽出物に意見募集
3. 井の中のいつもの大きな問題・・

【DEFRA】
1. 牛への銅添加についてのガイドライン

【MHRA】
1. MHRAは雷公藤を含む漢方薬に警告

【COC】
1. 新しいガイドライン予定リスト

【CRD】
1. モニタリング最新結果

【BfR】
1. キュウリの残留ホルメタネートは健康リスクとはならない

【RIVM】
1. リスク評価におけるトキシコゲノミクス
2. アスベストに関する情報提供:予備的研究

【FDA】
1. ダイエタリーサプリメント等の自主回収について
2. FDAは「グルテンフリー」食品規制案に意見募集再開
3. 警告文書

【EPA】
1. EPAはBPAの新しい毒性試験と環境サンプリングを検討

【USDA】
1. クラスIIリコール:動物用医薬品汚染による輸入牛肉製品のリコール
2. パキスタンから最初のマンゴが米国に到着

【US CPSC】
1. CPSCは子ども用おもちゃと子どもケア用品のフタル酸検査要請を採択

【Health Canada】
1. 外国製品警告2011

【CFIA】
1. 決定文書:モンサントカナダ社のトウモロコシイベントMON 87460の安全性についての決定
2. ある種のイガイは下痢性貝毒中毒を引き起こすバイオトキシンを含む可能性がある

【FSANZ】
1. リコール: WANG Dried Kelp Varech Speche

【NZFSA】
1. 日本から輸入された食品の検査結果

【香港政府ニュース】
1. 食品安全条例が8月1日発効
2. 台湾食品及び飲料のフタル酸ジエチルヘキシル(DEHP)混入について
3. 40食品が安全性チェックに不合格
4. 漢方薬に警告
5. キノコ中毒

【KFDA】
1. 賢明な塩摂取要領

登田美桜
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国立医薬品食品衛生研究所安全情報部第三室主任研究官 とだ・みおう 農学博士。国立医薬品食品衛生研究所は、医薬品、食品、その他生活環境中に存在する物質について、品質、安全性、有効性を評価するための試験、研究、調査を行う機関。 安全情報部の「食品安全情報」は、食品の安全性に関する国際機関や各国公的機関等の最新情報を伝える。