ビオチンによる誤診の可能性

国立医薬品食品衛生研究所は、食品安全情報(化学物質)No.19(2019.09.18)を発表した。また、「【BfR】二酸化チタン まだ研究が必要(FAQ)」を食品安全情報(化学物質)No.19(2019.09.18)別添として発表した。

注目記事

【EFSA】2018年の新興リスクに関するEFSAの活動

 新興リスクに関する欧州食品安全機関(EFSA)の活動の主な目的は、(i)EFSAの付託領域の新興リスクを同定すること、(ii)新興リスクの同定方法や取り組み方を開発し改善する、ことである。

 この技術報告書は、新興リスク同定手順に関与するすべてのグループの活動、2018年の間に確認された問題、開発された方法論の説明、共同活動をまとめている。化学物質ハザードと消費者の動向変化について同定された新興問題は次の通り:多量の活性炭で着色された「黒い食品(black food)」、欧州における異物が混入された(ダニ駆除剤や農薬の汚染)蜜ろう、肥料中のリシンが原因と考えられる犬の中毒。

※ポイント:EFSAは新興問題に関する報告書を毎年公表しています。2018年報告書では、豪州、オーストリア、英国、スイス、オランダなどが採用している新興リスクの同定システムの概要も紹介していますので参考になります。

【EFSA】食事摂取基準(DRVs)更新:10年がかりで34栄養素の作業完了

 今週発表されたナトリウムと塩化物の食事摂取基準(dietary reference value: DRVs)が、EFSAの科学者の10年間の作業の終わりを告げた。この作業は、欧州委員会がタンパク質、炭水化物、全てのビタミンとミネラルなど主要栄養素について1990年代に設定したDRVsを更新するようEFSAに要請し、2009年に開始された。EFSAの多くの科学者が何年にもわたって貢献してきた。作業完了にあたり、代表者らにインタビューした。

※ポイント:EFSAによる栄養素の評価がやっと完了しました。次は、設定されたDRVsに基づいた食事ガイドライン作り、食事指導、加工製品の開発などが行われるでしょう。保留になっていたフードサプリメントのビタミン・ミネラルの上限値/下限値の設定も行われるものと予測されます。EFSAが同時に発表したインタラクティブツールもよく出来ています。

【HSA】ビオチンは臨床検査の妨害になる

 ビオチンは臨床検査を大きく妨害する可能性があり、検査値が正しくないことが起こる。

 経口摂取で一回あたり150μg以上、非経口摂取は60μg以上で干渉が生じることがわかっている。一部の臨床検査は、さまざまなバイオマーカーを検出するのにストレプトアビジン-ビオチン相互作用を利用している。そのため、食品中に天然に存在する程度の濃度や一日の推奨摂取量である30μg程度であれば検査を干渉しないが、サプリメントなどのビオチンを高濃度に含む製品を摂取すると試薬と拮抗して不正確な検査結果を生じ、誤診や不適切な患者の管理につながる可能性がある。医療関係者に対し、患者にビオチンの摂取の有無を尋ね、検査前の少なくとも12時間はビオチン投与を中止するよう助言した。

※ポイント:ビオチンはビタミンB7としても知られる水溶性ビタミンで、サプリメントやその成分としてよく見かけます。数年前から臨床検査を干渉する可能性が懸念されていて、2017年には米国食品医薬品局(FDA)も注意喚起を出しています。ビオチンサプリメントを摂取している人で、臨床検査を受ける予定のある方は担当医師に相談しましょう。

(安全情報部第三室)

食品安全情報へのリンク

食品安全情報
http://www.nihs.go.jp/hse/food-info/foodinfonews/index.html
食品安全情報(化学物質)No.19(2019.09.18)
http://www.nihs.go.jp/hse/food-info/foodinfonews/2019/foodinfo201919c.pdf
食品安全情報(化学物質)No.19(2019.09.18)別添
http://www.nihs.go.jp/hse/food-info/foodinfonews/2019/foodinfo201919ca.pdf

今号の目次

【WHO】
1. 公共医療サービスにおいて栄養をより重視することが2025年までに370万人を救う可能性がある

【FAO】
1. Codex

【EC】
1. 査察報告書
2. 食品及び飼料に関する緊急警告システム(RASFF)

【EFSA】
1. 2018年の新興リスクに関するEFSAの活動
2. 食事摂取基準(DRVs)更新:10年がかりで34栄養素の作業完了
3. ナトリウムと塩化物の食事摂取基準に関するEFSAの栄養、新規食品及び食品アレルゲン(NDA)に関するパネルの科学的意見についてのパブリックコメント募集結果

【FSA】
1. FSAは地方自治体の食品法執行に関する最新の年次報告を発表

【FSS】
1. 食品販促制限に関するスコットランド政府の法案への対応

【DEFRA】
1. ナターシャの遺産が法になった

【COT】
1. 2019年9月17日の会合の議題

【NHS】
1. Behind the Headlines

【BfR】
1. 危機が起こったとき:国際危機演習が緊急シナリオ準備に役立つ

【FDA】
1. FDAは新規ダイエタリー成分通知と構造/機能強調表示通知提出の内部プロセスを修正
2. FDAは食品成分及び包装材の提出物のための電子提出プロセスを近代化する
3. 輸出リストモジュール(ELM)更新とEUにコラーゲン、ゼラチン、シーフード製品を輸出している企業への再確認
4. 連邦裁判所はテネシー州の医薬品、ダイエタリーサプリメント及び機器販売業者であるBasic Reset and Biogenyxの医薬品、機器及びダイエタリーサプリメント違反の同意判決を出した
5. FDAは動物用飼料指令の最終規則に関するコンプライアンス評価を公表する
6. FDAは多くの州のKroger小売店舗のキハダマグロステーキを食べないよう助言する
7. 警告文書

【USDA】
1. DRI計算機の助けを借りて健康的食生活に戻ろう
2. CSPIから提出された請願
3. 食品廃棄の心理学:Brian Roeと Laura Morenoのインタビュー

【FTC】
1. FTCはオンライン美容製品販売業者の詐欺的「無料お試し」を中止させる仮差し止めを得る
2. FTCはCBD含有製品をがんやアルツハイマー、多発性硬化症などの重大な疾患の治療用に宣伝していた企業に警告文書を送付

【CFIA】
1. リコール情報

【FSANZ】
1. 食品基準通知

【APVMA】
1. APVMAは60Minutesのグリホサートについての番組に反応

【TGA】
1. 中-高程度リスクの許容成分への変更:カフェイン
2. 安全性警告

【香港政府ニュース】
1. メカジキのサシミに基準値超過の水銀が検出された
2. 中国白菜に基準値超過のカドミウムが検出された
3. 違反結果

【MFDS】
1.日本産輸入食品の放射能検査の結果
2.「福島産表記」半年間先送りした食品医薬品安全処、なぜ
3. 検査命令対象の輸入食品等を解除及び再指定通知(ワサビノキ粉、フグ加工品、バナメイエビ)
4. 食品医薬品安全処、輸入食品の安全検査強化
5. パン類の栄養表示を確認して選択してください!
6. アイスクリームと氷菓は糖類と飽和脂肪が少ない製品を選択してください
7. 子供嗜好食品の品質認証基準の一部改訂告示(案)行政予告

【HSA】
1. ビオチンは臨床検査の妨害になる

【その他】
・食品安全関係情報(食品安全委員会)から
・(ProMED-mail)食中毒 ウガンダ(第3報):(LAMWO)致死、シリアル疑い
・(ProMED-mail)ボツリヌス症-スペイン:ツナ缶、警告、リコール
・(ProMED-mail)ヒスタミン中毒-米国:(オハイオ)
・(EurekAlert)欧州10ヶ国の集団ベースの研究でソフトドリンクが死亡リスクと関連
・(EurekAlert)ビタミンD:どのくらいが摂りすぎ?
・(EurekAlert)・(EurekAlert)ヒ素基準厳格化は望ましい影響を示した:公共飲料水はより安全になった
・(EurekAlert)世界最大の根拠のレビュー:精神衛生のための栄養サプリメント
別 添

【BfR】二酸化チタン まだ研究が必要(FAQ)